シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
先週くらいから、さらさらした鼻水や、
目を痒くてこすっている子どもが目立ってきました。
近年、小児のアレルギー疾患をもつ割合は
急速に増加していて、私の周りでも確かに増えている印象です。
2~3歳で花粉症にかかるお子さんがめずらしくなくなりました。
10才以下で花粉症になる子は花粉への感受性が高いので、
大人になってからアレルギーになった人よりアレルギーが重いといえます。
治療しないままでいると成長とともに重症化するリスクが高くて
ほかのアレルギーの病気にもかかりやすいのです。
子ども花粉症の特徴として、
1、症状の出方があいまい
くしゃみ、鼻水のような典型的な症状ではなく、鼻をすするとか、
鼻づまりだけとか、目や鼻をかゆがったりするなど症状があいまいです。
子どもは自分の言葉で症状をうまく伝えられないことがあります。
鼻や目を頻繁にこする、顔をしかめる、口呼吸、いびきなどの症状が出た場合は
アレルギー性鼻炎のサインであることがあります。
2、ほかの病気も起こしやすい
花粉症が滲出性中耳炎、副鼻腔炎、中耳炎の引き金になったり、
それらの治りを悪くすることがあります。
3、自然治癒しない
食物アレルギーなどと違って、成長とともに治るということは期待できません。
治療についても、5歳からできるスギ花粉症の舌下免疫療法もできたりと、
だいぶ進歩してきましたが、家庭でも予防できる方法を、ご紹介します。
今日のアドバイス
毎日食物繊維と発酵食品を摂る
最近の研究で、腸内細菌がアレルギー症状発症に深く関わっているという
証拠が次々に明らかにされています。
腸内細菌の集団の腸内フローラが乱れて、善玉菌が減り、
悪玉菌が増えるとアレルギーを発症するのではないかと
考えられ始めているのです。
アレルギー反応を引き起こすのは、リンパ球という白血球の一部です。
私たちの体内には、生まれつき、免疫を強めるリンパ球と免疫が
行き過ぎないように抑えるリンパ球があり、このバランスが取れていることで、
私たちは重い感染症にかからず、ひどいアレルギーにも
悩まされずに生きています。
アレルギーを発症する人はこの免疫を抑える方のリンパ球が少ないため、
免疫反応の抑制が効かずアレルギーを発症すると考えられます。
花粉症が軽減できるなら、このリンパ球を増やしたいと思いませんか?
現在のところ、これを増やすのに関わっているのが、
腸内フローラの中で酪酸を産生する酪酸菌と考えられています。
酪酸菌を多く含む食材を食べ、酪酸菌のエサとなる食物繊維をたくさん取れば、
腸内で酪酸菌を増やすことができます。
酪酸菌を多く含む食物
ぬか漬け、ナチュラルチーズ、納豆等
酪酸菌のエサとなりやすいのは、水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維を多く含む食品
海藻(わかめ、めかぶ等)、
穀類(オートミール、そば、ライ麦パン)、
野菜(ゴボウ、納豆、アボガド、ニンジン)など
その他、運動も酪酸菌を増やす効果がありますし、
ヨーグルト等の乳酸菌も酪酸菌を増やす効果があります。
(ただ、乳酸菌は通過菌なので、乳酸菌を取っても腸内で増殖せず、
すぐに便の中に出てしまうため毎日取り続けなければならないと
されています。)
小麦や、添加物を避けるような食事も効果があります。
『家族に、アレルギー体質の人がいるから花粉症でも仕方ない』などと
諦めないで、まずは、花粉症であることが、おかしいと考えてみましょう。
毎年薬に頼るのではなく、まず家庭でできる食生活を見直し、
腸内環境を整えてみましょう。
身体に症状がでている状態では、集中力も無くなり、
イライラしてしまうことにもつながります。
身体の調子を整える事は、1番の子どもへのサポートになります。
日頃から子どもの様子を注意して観察し、症状が出ていたら、
何かがまちがってるということです。
このようなサインを見逃さないようにしましょう。