石鍋てるみです。
一時保育でお子さんをお預かりする間
何をして過ごすのか
とても困るお子さんがいます。
場所見知り、人見知りで
親との分離に不安が大きく
大泣きしてしまうこと以上に
困ることです。
このあたりは、時間が解決してくれるので
ある程度、初回のお預かりの間には
慣れてくれることが多いので
さほど困ることはありません。
では、何が困るのか。
それは、遊びや過ごし方を
自分で見つけられないお子さんです。
何をやりたいのかがない。
やりたいことが見つからない。
「何やったらいいの〜?」
って、聞いてくるけど
こちらが提案したことには
興味も示せないタイプです。
誰かお友達が遊び始めていても
仲間には入らず
私の周りをうろつくばかり。
かといって、
「私に何やったらいいの〜」
「暇だ〜」を繰り返し
やりたいことが本当にないみたいで
うろうろします。
こんな時は、一応最初は
興味が持てそうなものを出してみたり、
「これはどう?」って
聞いてみたりするのですが
それでも、あれも嫌、
これも嫌が続くと私もネタぎれです。
本当に困ります。
結局、何もせず
ぐだぐだと寝転がってるだけだったり
時には、イライラして
壁をどんどん叩き始める子もいます。
赤ちゃんのうちは好奇心いっぱいで
いろいろなところを散策し
一人遊びに集中することがほとんどです。
けれども、早い子だと
2.3歳で、大人に確認しながら
遊びを選択する子が出てきます。
「これやっていい?」と聞いてくれる子は
まだいい方で
こちらから、セッティングしないと
ずっと座ったまま
遊びに向かわない子もいます。
おしゃべりができるようになると
「何で遊んでいいの?」って
毎回聞いてくる子もいます。
ある程度、遊びを促しても
気持ちが向かわない子については
私は、基本的にはそのまま様子を見ます。
その子自身が
自由時間の過ごし方を
自分で見つけられることは
大事だと思うからです。
ここで過ごした経験が
退屈だったという場合
次は何か持っていこうかなとか
考えられるように
少しアドバイスすることもあります。
その子によって自由時間ほど
苦痛なものはないという子がいます。
時間の過ごし方を決められた方が
安心になってしまう子が
多くなっている気がします。
大人がやることを与えた通りに
時間を過ごすことで1日が過ぎていく子が
多いのでしょうか?
この、自分に与えられて時間を
自分でどのように使うのかは
自分で決めていいんだよということは
小さい頃から身につけて欲しいと思っています。
自主性を大事にして欲しいし
その権利はあるはずだからです。
自主性とは、自分でやりたいことを見つけて
やるべきことを考え、
その考えに沿って行動することをいいます。
自主性が低いと、
保護者や先生のサポートがないと動けない、
何事も自分で判断できない、
周囲に流されてしまうといった状態に
陥りやすくなります。
この力が身に付いていないと
全てが他人からの影響を受けたまま
人生が進んでしまいますから
いざ一人になった時に
他人軸で動く癖がついてしまいます。
自分が好きなことさえも
自分でわからないというのも
そこからの悪影響の一つでしょう。
子どもの人生は子どものものです。
自分の人生は自分で決めればいいのです。
人の顔色ばかり気にして歩む人生。
そうならないためにはどうしたらいいのか。
小さいことでも
自分で決めるという経験を
親が意識的に取り入れていくことで
その力は身についてくるのではないかと思います。
小さい子であれば
2つのうちの一個を選びとる経験だったり
やりたいことをやってみる経験が
自分が決めているという経験を増やすことになって
自分に自信がもてるようになってきます。
一人での行動が増えてきた時に
自分でやるべきことが決められるようになると
自分から進んで学び続けることが
できるようになると思います。
逆に、今は何もやらないっていうことも
決められると思います。
なるべく、子どもがやりたいと決めたことは
やれるように配慮することはもちろん
何も見つけられない子には
その時が来るまで様子を見ていくスタンスで
保育しています。
やりたいことがない子どもであっても
自分の気持ちに気づくことができれば
きっと好奇心は、戻ってくるはずです。
指示待ちの子どもから
脱却して欲しいと思っています。