シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
2.3歳の子どもが、
大人がいつもと違う行動をしたときに
とても抵抗するという場面を
見かけることがあると思います。
いつもお父さんが使っている
マグカップで、
お母さんが、コーヒーを飲もうとすると
『だめ！』とかたくなに許さなかったり、
お母さんの席に、お客さんが座ろうとすると
『ここは、ママの‼』って
主張して気まずい思いをしたという
経験をうかがうことがあります。
いつもと違うと言って、
道端で大泣きされてしまうと
確かに困ってしまいます。
こんなことに、強くこだわるのは
どこかおかしいのでしょうか？
これが、こだわりの強さという
発達障害の特徴ではないか？
などと、心配されるお母さんもいます。
確かに、そんなこだわりが
あらゆる場面で多すぎて、
日常の行動にとても影響が
出てしまう場合は
注意してみていく必要はあるでしょう。
けれども、これは、立派に子どもが
成長している証拠でもあります。
生まれてから2歳くらいまでは、
この世の中の情報を何でも
『触れて、見て、聴いて、味わって』と
とにかく、感覚を得ることや
そのイメージをため込んでいく時期です。
2，3歳くらいになると、
それを、整理していく時期に入ります。
比べて考えることができて、
これは同じ、違うとか、
これと仲間だとか、
いろんなふうに、
情報を整理する練習が始まります。
それまでに、経験したことを
自分なりに秩序を作ることで
世の中の成り立ちを納得していく段階です。
子どもなりに、
『これはお父さんのマグカップ』と
理解して整理したものを、
大人の都合で変えられることに
混乱してしまうので、
やり直したくなるので、
こだわってしまうという感じです。
この時期を過ぎれば、
自分の中で、他の経験も使いながら
自分の中にレパートリーの広がった
秩序を新しくつくっていくことができます。
だんだんと臨機応変という
対応が身についてくるのです。
子どもによって、
どこに、どのくらい秩序を持つことに
こだわる子かは個人差があります。
他のことは、こだわらないのに、
保育園に行く道にはうるさいとか、
おもちゃの置き場所だけは
うるさいとか、いろんな子がいます。
今、この子は秩序を大事にしている
時期だなと思って、
その気持ちを許せる限り
守ってあげてください。
子どもの、こだわりが強いのは
それまでの大人の行動が
こだわりを作ってしまいやすい環境を
与えているということもあります。
大人が、こだわりの生活している家庭では、
当然子どもも影響を受けます。
例えば、使う食器、座る場所、
出発の時間、通る道を決めていて、
常にそれを守っているような家庭では、
子どもも赤ちゃんの頃から
無意識にそれを吸収しています。
大人であれば、その時の状況で
変更できるので、
あまり不都合は感じないでしょうが、
子どもはそうはいきません。
もしも、この時期のこだわりを
減らしたいのであれば、
大人もそのこだわりを失くした生活を
取り入れていくしかないでしょう。
でも、それが気持ち悪いから
決めているのだと思うので、
この時期は子どもの表現を受け入れて
対応していくことしかないかもしれませんね。
とにかく、子どものこだわりは
成長の証です。
許せる範囲であれば、
付き合ってあげてください。
大抵は、徐々におさまってくるはずです。
あまりにも、それが長引いたり、
日常生活で支障が出てしまう場合は、
一度専門家に相談してみることを
おすすめします。
