シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
昨夜、14年間飼っていた犬が亡くなりました。
病気もあったのですが、もう老犬だったので、
最後の1ヶ月半は、いつもの犬小屋ではなく
家族の近くで見守られての時間を過ごしました。
この犬は、末っ子が1歳のときに
我が家にやってきたので、
末っ子にとっては、初めての命の看取り瞬間でした。
頭を持ち上げ、少し喘ぐような大きな呼吸をしたとたんに、
パタンと亡くなってしまう瞬間に立ち会い
瞬間、ショックからその場を離れてしまった彼女でした。
そのあと、命がどこにいったのか、
犬として幸せだったのか、
命が絶えることの意味を考えていたようでした。
もう中学生なので、いかなる理由があっても、
「命はかけがえのない、尊いもの、
自ら命を絶つことは絶対にいけないこと」と
教育の現場でも指導されていることです。
身近な人の死に触れる機会が、日常で減ってしまっているので、
日常に「死」について考えるきっかけは少ないです。
今回のことで、命の大事さ、はかなさなどを実感して
ゆっくりと、生きることについて話していきたいと思っています。
自分の命を大事にすることを実感できなければ、
他の生き物の命を大事にすることはできません。
それらを実感させるのは、幼児期、学童前期の家庭での
心の育み方が特に重要になってきます。
親はどのように関わっていけばよいのでしょうか。
今日のアドバイス
身近にいる命に気づかせる
5歳から7歳くらいの生命の認識レベルは
運動がある、食べ物を摂取する、成長するなど
目にみえる現象で、生きていると分かるといわれています。
乳幼児期は、動物から、命を考える機会を得ます。
自然の中で生き物の死に出会った時は、
「命の尊さ」を教えるチャンスです。
公園で遊んでいると、うっかりアリンコを踏みつけちゃった、
というような経験はあるでしょう。
その時、命への理解や心が育まれていないと、
「面白い」と、さらに踏みつけるような行動に
出る子もいます。
小さい子どもには、命の概念がありませんから、
そうであっても問題はない時期です。
また、他のものの感情などを
想像しにくい特性がある子どもの場合、
このような、行動が少し大きくなるまで
見られることがあります。
このような場面を見れば、
命について教えるチャンスだと思ってください。
『むやみに、虫を殺してはダメだよ、どうしてかというと・・・』
などとお説教をするのは、理解しにくいので、
「命」について心に何かを感じさせる会話を交わす方が
子どもの心には響くと思います。
たとえば、アリンコを擬人化してお話を作ります。
「このアリンコ、〇〇くんと同じように子どもかな?」
「きっと、お家でお母さんが帰りを待っているね」
「お母さんが、まだ帰ってこないって心配してるかもね」
「もし、もう帰って来なくなっちゃったら、お母さん、凄く悲しむね」
と、子どもを思う母の気持ち感じさせる
会話を交わしてみましょう。
アニメの、【みなしごハッチ】【みつばちマーヤの冒険】
【バグズライフ】など、虫を主人公にした物語などから
生き物の気持ちを想像したり、話し合ったりするのも
良いと思います。
動物を、飼育して毎日触れる機会を持ち、
お世話したり、動物の思いを、大人が伝えたりして、
交流を深めることで、心の中に命へのイメージが
膨らんでいくでしょう。
9歳以降くらいからは、動きがないもの、
目に見えないものなどにも
生命の概念が広がっていきます。
植物を大切にする気持ち、命がつながっていることも
理解できるようになってきます。
祖父母や身近な人の死に遭った時、
自分の命は多くの人の命をつないで、
「頂いたもの」である、ということを説明してあげましょう。
お父さんとお母さんから生まれてきたこと、
そのお父さんとお母さんは、
それぞれのおじいちゃんとおばあちゃんから生まれてきたこと、
誰一人欠けても、今のあなたが存在しないこと。
そんなことも、わかるようになってきます。
普段の生活の中で、草花に水をやり大切に育てる、
そして、その草花があることで、動物たちが生きられること、
地球が守られている事なども理解していきます。
日常の生活の中で、食事の時、ニュースからなど、
事あるごとに、家族で命あるものを大切に扱うことや、
命に触れて親子で考え、話し合う時間を持つことを意識すると、
考える機会が増えます。
そのことが、毎日を大切に生きていくことを
伝える事にもつながります。
感受性の強い、乳幼児期に、
たっぷりと自然を体感する機会、
たくさんの命に触れる経験を作ってあげてください。