コミナスブログ 子どもの発育と発達

言葉を話せるよりも前に大事な事

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シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。



発達の遅れを心配するきっかけとして、

言葉の遅れがあります。



母語のベースがだいたい固まり、

初めての言葉(初語)を話し出す時期は

生後おおむね1年くらいだと考えられています。

意味のある言葉が育っていく過程は、

最初は『ママ』『パパ』など、単語ひとつで話します。



その数がだんだん増加し、

やがて『ママ、きた』、『わんわん、かわいい』など、

ふたつの単語(二語)をつなげて話せるようになってきます。



初語から二語で話すまでの期間は、

だいたい半年〜1年後くらいのことが多いと思います。



すでに、このあたりで、

「1歳前後で単語が出てこない、2歳で二語を話せないといった、

相談が増えてきます。


私は、「この段階で『遅い』とか『異常だ』と捉えるのは

まだ早いですよ、様子を見ましょうね」とお伝えすることが多いです。



発達には個人差がありますが、その中でも言語発達の個人差は

とても大きいと感じます。

生後9カ月で話した子いれば、1歳6カ月〜10カ月くらいで話した子もいて、

どちらも『おおむね1歳』と考えてよい範囲です。



(発達の段階を示すときに『おおむね』という言葉がよくつかわれますが、

それほど、感覚的な表現しか表せない、線引きがきちっとできないため、

見る人によっても判断に差が出るものなのです。)




そして、進み方も人それぞれ違っていて、

初語が遅くて、心配された子でも、

しゃべり始めたら短期間に語彙を広げて、

一番のおしゃべりさんになる子もいます。



このように、言葉の発達ではスタート時期も、

ペースもばらばらなのが当たり前なのです。



言葉の発達を見ていくときに、

言葉(表出言語)だけをみていくわけではありません。

対人関係や伝えたい気持ち(伝達意欲)、

理解言語、発声など、総合的にみていくことが必要です。


たとえば、理解言語。

言葉を発していなくても、

言われていることを分かる力がちゃんとあるかどうかを確認します。



大人の簡単な言葉を理解して、それに応じる力です。

『ちょうだい』と言ったら持っているものを渡してくれる、

『ポイして』といったらゴミ箱に捨ててくれる、などです。



このような、理解言語が獲得できていると思われる場合は、

2歳半過ぎくらいまでには話す言葉もついてくると思われます。



注意が必要なのは、獲得できていないと思われる場合です。


発達に課題を持つ子どもの中には、とてもおしゃべりが上手なのに、

一方的だったり、人の話をきけないとか、

1.2.3…と数を言うことはできるのに、

『みかんを3個とって』というお願いに、

みかんはわかっても、3個というのが分からないで

間違えてしまうこともあります。



数を唱えているのと、実際の数の概念が

つながっていない場合があります。


このように一見、言葉巧みに話している子どもは、

理解もしていると勘違いしてしまいがちです。

また、他人の言葉に無関心ということもあります。



ですから、発達の遅れの有無にかかわらず、

全ての子どもに言葉の発達を促すサポートは重要だと思います。

言葉は、繰り返し単語を言わせたり、

練習して獲得するものではありません。


子どもの言葉の発達を促す方法をお伝えします。




本の読み聞かせ

自分でもあまり読まないし、本は苦手という方もいるでしょう。

それでも、子どもには、簡単な絵本には触れさせてほしいと思います。



まだ絵本をじっと読めない乳幼児の頃は、渡しても

噛んだりなめたり、投げちゃったり、やぶっちゃいます。


でもそれは、興味がないわけではありません。

そのうちに、絵本のページをどんどんめくりはじめ

「めくる」という行為を楽しみはじめます

この時は満足できるまでめくらせてあげてください。



そのうち、そこにしかけ絵本を加えてあげると、

めくったページの変化に、また違う反応を示したりします。



この時期の本は、丈夫に作られているボードブックや布絵本。

小さな手でも持てる小ぶりなものが持ち運ぶのにも便利です。

物語の筋が追えなくても、気にしなくて大丈夫です。


この時期の絵本は発達で言うと「共同注視」という、

一緒に同じものに注目することや、

他者のペースに合わせられるかどうか
が見えてきます。

また、リズムのある音や、心情を表す言葉などの

擬声語(オトマトぺ)がたくさん出てくるのも子どもは大好きで

同じ言葉の繰り返しを楽しみます。



この時期のおすすめの本としては、

『いない いない ばあ』『くっついた』『だるまさんが』

『かおかおどんなかお』・・・。



本が苦手な大人でも、簡単な内容なので、

一緒に本の世界を楽しむスタートにできると思います。



絵本の読み聞かせというと、つい物語を選びがちですが、

たとえば自閉症スペクトラムの子は、図鑑が好きな子も多いです。



必ずしも、本の内容や、理解を目的することはないし、

本の全部を読まなくてはいけないわけではありません。



子どもの興味にあわせて、「かっこいい名前だね」

「ここは青いんだね」「これ連結するんだって!」と、

一緒に楽しんで語りかけすることが大事です。



同じ本しか見ない、電車の本しか読まない、

もっと幅広く多くの作品を知ってほしい

読み聞かせる自分が飽きてしまった

と思ってしまう場合もあるようです。



でも、その子にとって、まだその本から学べること

・得られる楽しさが多いのでしょう。

同じものに触れる、同じ反応が得られる安心感も

そのひとつかもしれません。



子どもの興味に合わせて、ゆっくり見守り、

何気なく『こんなものもあるよ』って違うものに

自然と触れさせていくといいと思います。

赤ちゃんの頃から本に馴染んでいけると

成長の段階で書物からの学びが自然とできる人になります。



もちろん、毎日絵本を読むのはしんどいときもありますが、

大人でもおもしろいと思える絵本や図鑑もあります。



かわいくて楽しいオノマトペでの表現、美しい日本語での表現を、

絵本作家さんたちの言葉を借りて口にしてみてください。

童心に戻れる感覚を子どもと対話しながら、

一緒に楽しんでみてください。



子どもの話をきく

言葉を話してほしいと願うあまり、大人がたくさんしゃべったり、

単語を教えようと、カードで練習させている熱心な方もいます。

確かに、それも一つの方法ですが、

子どもの表現したいという気持ちを受け取って

よく聞こう、理解しようという体制を作っておくことが

大事だと思います。



たどたどしく語られる言葉に、待ちきれず先走って理解し、

子どもが言い終わる前に言いたいことが分かってしまうのが

近くにいる大人です。



何か、取ってほしいという様子を察知しただけで、

はい、と取って、手渡してしまうのです。



子どもが、何か伝えたいというそぶりがあったとき、

勝手に解釈しないで、まずよく聞こうと待つようにしましょう。



そして、その状況に応じた、表現を言葉にして伝えていきます。

『なあに?』(まだ、言えないでジェスチャーだけ)

『あの、おもちゃをとってほしいのね。』

『はい、どうぞ』(取ってあげる、または抱き上げて自分で取らせる)

『あかい、くるまだね』

子どもの思いを汲んで、共感する言葉をきかせていきます。


子どもは、自分の言いたいことが伝わることに、

自信を持ち、言葉にする楽しさを体験します。

このようなかかわりが、伝達意欲を高めます。

もっと、自分の思いを伝えたいという気持ちから、

言葉で表現するようになるのです。



しゃべらなくても、伝わるし、困らなければ、

話さなくて済んでしまいます。

話す必要性がなくなってしまいます。



しゃべっても、聴いてくれない、伝わらない、

どうせわかってくれなければ、

話さないようになります。




大人が気持ちの良い言葉を使う

子どもは、しゃべる前に、

たくさんの言葉の種を頭の中に植え付けていきます。



日常の生活に繰り返される言葉を、

様々なシチュエーションとともにつなげて

どんどん吸収していきます。


子どもの周りで聴かれる言葉が、その子に刻まれていく言葉です。

思考は言葉でつくられているといわれます。


雑な、悪い言葉が刻まれると、

その子はその言葉にあったものの考え方になります。



けして、上流社会の方々が使うような言葉を使う必要はありません。

人が聞いて、嫌な気分になる言葉や、悪口、

そんな、マイナスの言葉にはできるだけ

触れない環境が望ましいです。



まずは、子どもに近くにいるあなたの言葉を

きれいな、やさしい言葉を意識して話すようにしましょう。

子どもが話し出した時に、

同じような言葉を使うようになっているはずです。

今日のアドバイス

言葉をたいせつにつかう


子どもの言葉の発達を見るとき、

話しだす早さや、言葉数に惑わされず

心の中の言葉を大切に育てていくことを

大切にしてほしいと思います。



そして、言葉は、自分自身をつくり、

人との関係性をつなぐ大事なツールだと

意識して大切に使える子どもを育みたいと思います。



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