シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
子どもと関わるときに、まず私は自分の名前を言って、
『よろしくね』って、あいさつします。
人見知りの強い子は、黙り込んで、お母さんの陰に隠れたり、
警戒心丸出しで、にこっともしてくれない子もいます。
でも、相手が赤ちゃんであっても、自分からあいさつします。
『ほら、ご挨拶しないと!』とお母さんに促されても、
すぐにできる子は少ないです。
みんな、初対面の時は、相手がどんな人なのか、
探ってくるのは、本能として当然です。
とにかく、繰り返し顔を会わせ、
子どもに受け入れられない事には、
良いかかわりは始まりません。
そうして、少し受け入れられて、
始めてその子の保育、子育てができます。
そのあとからは、関わりの中で、
子どもが信頼できる身近な大人になれるように、
関わっていきます。
子どもにとって、多くの大人を信じられる環境にあることが、
その場においての安心につながります。
この信頼関係を厚くすることをおろそかにしていると、
子どもは、どんなに良い指導も受け入れてくれないですし、
そもそも、ちゃんと話をきいてくれません。
自分が、好きな人、信じている人の話だから、
従おうという気持ちが芽生えるものです。
信頼関係つくりには、大人のほうから
「あなたと仲良くしたいと思っているよ」と
表現していくことが大切です。
信頼関係をつくらなくちゃなんて、意気込まなくても、
大体は、子どもに興味を持てば自然と行動に出るものです。
仲良くなりたいから、同じものを見て、共感しあったり、
微笑みあったり、スキンシップをしてみたり、
自然とそんなコミュニケーションが重なっていくものです。
大人の方から、積極的に仲良くなる方法で、
私が、よく乳幼児に使う遊びがあります。
それは、くすぐりっこや、追いかけっこ。
くすぐって、一緒に笑いあったり、
ハイハイで、追いかけたり、
そんな風に、一緒に遊んで、一緒に笑いあうことで、
距離が一気に縮まります。
仲良くなると、『もっとやって!』っていう感じに
近づいて、子どもからしかけようとしてきたりします。
「うれしいね」「楽しいね」「もういっかいやる?」など、
言葉で表現したり、子どもの要求に応えたり繰り返すことで、
だんだんと、子どもに好感を持ってもらうことができます。
子どもが、抱っこを求めてくれば、すぐに抱っこしてあげる、
泣いたら、近寄って声をかけ、慰めるなど、
人として当たり前のやさしさを持った対応を
素直に繰り返すことで、
子供は自分が受け入れられていると
満たされた気持ちになることができると思います。
子どもが、何かにチャレンジしてできて、うれしいとき、
その信頼している人に認めてほしくて、
『ねえ、見て!』『見てた?』『できたよ!』と
言っているかのように、目線を向けることがあります。
その時、すかさず、ほほえみを返したり、うなずいたり、
『できたね!嬉しいね』と声をかけたりして、
共感することで、子どもは見守られているという
安心感ができて、また、いろんなチャレンジをしていきます。
この、信頼関係からの、安心感が、子どもの成長を促します。
乳児の時はとにかく、子どもの要求は簡単なものが多いですから、
面倒がらずに、できるだけすぐ応えてあげればいいのです。
甘えさせてはいけないとか、難しいことは何も考えずに、
とにかく、子どもに応え続けてあげてください。
乳幼児期において、達成しなくてはいけない課題は、
【信頼関係の構築】です。
これが、その後の育児の基本となります。
どんなに、ベテランの保育士でも、優秀な親でも、
子どもに、信頼してもらえなければ、
何も教えることも、通じ合うこともできません。
時々、大きな声で命令したり、
『○○しないと、~してあげないからね!』なんて
脅して、言うことをきかせている大人もいます。
子どもは、そばの大人に見放されたら、生きていけませんから、
その場は従おうとします。
ただ、これは子どもが本心から従いたいと
思っているわけではないので、
子どもが、自立できる力を備えた時に、
多くは反発を受けることになります。
親子関係のように、長期にわたってその関係が続くような場合は、
特に、このような脅しで従わせるようなことは
避けなくてはいけません。
子どもに、嘘をつかない大人であること、
信じてもらえる大人になることが、本当に大事だと思います。
どんな人なら信用できるのか、自分に置き換えて考え、
そのような、人になれるように、自分を磨いていきましょう。