シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
今日は、夏日で、本当に外は暑さが厳しいです。
先ほど、近所のお母さんが、赤ちゃんを抱っこして、
スーパーの袋を片手に歩いているのを見かけました。
まだ、うちの娘と同じくらいの、
20代半ばの若いお母さんでした。
赤ちゃんを授かって、初めて親になったお母さんたちは、
「はじめてちゃんと関わった子どもが我が子」という
人が多いのではないでしょうか?
それなのに、本当に、お母さんたち頑張っていますよね。
えらい!
年の離れた兄弟がいて、ずっと、お世話をしていたとか、
親戚の子や、近所の子どもとの関わりの中で、
赤ちゃんに接してきたという人も、実は少ないと思います。
以前小学生の子どもに、『ちょっとこの子と遊んでいてくれる?』と
3歳の子どもを頼んだ時にも、もう、どうやって声をかけていいのか、
何をして遊んだらいいのかわからないという感じでしたから。
そのくらい、赤ちゃんと接するのが、特別な事になっています。
少子化で、特に、今は乳幼児が施設で過ごすことも多く、
地域の集まりもあまりないし、
下手に声かけると犯罪に結びついてしまいそうで、
積極的に関わる機会もないことでしょう。
それでいきなり、女性なんだから、お母さんなんだから、
『赤ちゃんのことは全てわかってるでしょ』って
ベテラン扱いされて、子どもの全ての責任を
任されるような感じになっていませんか?
それなのに、不安ばっかり、失敗ばかり、
そんな私は、ダメなお母さんなんて思っていないでしょうか。
私は、初めての子どもを出産する前に、
看護師として、乳幼児にも関わっていましたし、
それなりに、保育技術も学んでいましたから、
少しは、このプレッシャーに耐えられてきたかもしれません。
それでも「お母さんなんだから、365日24時間がんばってね」と
いわれているようなプレッシャーは重いものでした。
しかも、いまは常に近くに見本になる人や手伝ってくれる人は
ほとんどいない人がほとんどです。
産後のわずか数か月でも、誰かが手伝ってくれればラッキーな環境です。
実は今、保育園や幼稚園、発達支援施設などでも、
先生たちに子どもについて学んではいるものの、
実際に深く関わるのは初めてという、若者が多いのが現状です。
特に、こういった施設は、近年急激に数を増やしたこともあって、
とにかく、資格があるというだけで、育児未経験で
雇われているのが現状です。
初めの数年間は、お母さんになったばかりの人と同じように、
子どもに深く関わるのが初めてという先生もいるのです。
真面目な人ほど、子どもを育てる立場になったことで、
子どもをしっかり育てないといけないという責任感を感じています。
その責任感からか、最初に子どもと関わる段階から、
「大人の言うことを聞かせなくては」
「○○をできるようにしなければ」
「ちゃんと、今のうちにしつけないと」と考えてしまいがちになる人がいます。
時に、自分の思うようにならないので、大きな声を出して指示したり、
怒ったり、叱ったり、小言を重ねたり、怖い顔で威嚇したりして、
まるで監視するかのように子どもをみているような保育(育児)を
してしまう場合が出てきます。
この状況は、子どもにとってとてもよくないです。
だから、焦らないでください。
女性だから、お母さんだから、保育士、幼稚園教諭だからって
それでうまく子育てできちゃう人がいたら、
誰も苦労しないですよね。
子育ては、そう簡単なものではないし、
できなくて当たり前、
不安や悩みが多くて当たり前なんです。
私も、5人の子育てをして、
保育園でもたくさんの子どもに関わりましたが、
まだまだ、悩みはつきませんし、
とても、子育てに自信はもてません。
確かに子どもを何人か育てたり、
保育士などは保育の現場にいますから、
子どもと関わる経験を重ねて、
いろんなタイプの子どもの対応方法を修得はできます。
ですから、できれば、乳幼児教育者は
多くの実践ができている状態であることが理想だとは思います。
でも、だからといって、もう、何年も子どもに関わっているから
『子育てのことなら任せて!』って
言える人ほど、私は、信用できませんね。
子どもとの関係も、人間関係です。
そう、簡単に育て方のパターンがあるわけではありません。
子どもには個性があるし、こちらだって変化してます。
常に、その間には悩みも出てきたり、
分かり合えないこともあったり、
すごく、共感しあえることがあったりということが起こるものです。
だから、育児って探求していくところが楽しかったりするんですよね。
経験値よりも、子どもと関わる一瞬を
それだけ、真摯に見きあえるかが、
育児には大事だと思います。
どんなに、たくさんの子どもと接してきた
お母さんや、ベテラン保育士であっても、
子どもの気持ちに思いをはせることもなく
日常を流れ作業のように、同じ対応の繰り返しているのでは、
保育(育児)が上手とは言わないでしょう。
どんなに、自分が未熟でも、なりたてでも、
子どもを同じ人間同士として、
お互いを大事にする気持ちで関わることができれば
みんな、素敵なお母さん、先生になれると思います。
そんな人に対して、子どもは信頼を寄せてくれるし、
そこから、育児ははじまるのです。