シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
昨日は、子どもの虫歯予防に大事なことをお伝えしました。
虫歯予防というとまず頭に浮かぶのが、歯磨き。
お母さんから、なかなか歯磨きさせてくれない。
無理強いしてまでやらなくてはいけない状態に困ってしまうという
悩みをよく聞きます。
ちゃんと磨かないと虫歯になってしまうと分かっているけど、
嫌がってやらせてくれないと、心配になってしまいますよね。
口の中に、物を入れられるということは、
子どもにとっては不安な体験の一つです。
自分の口から取り込むものには、生き物であれば慎重になるのが当たり前。
特に、発達に課題がある子どもは、
普通よりも感覚に過敏性が高い場合もあって、
受け入れるまで抵抗が強くなることがあります。
歯磨きが受け入れられない原因として
◎ 口の中の感覚が過敏すぎる
口の中、周囲は普通でも特に敏感な部分です。
何か触るだけでも強い刺激、痛みとして感じ苦痛に感じてしまう。
歯磨きに対して『痛い』というイメージが強くなって、
逃げ回ってしまうのです。
◎ においや味が苦手
歯磨き粉のにおい、味が気持ち悪く苦痛に感じる。
子ども用のオレンジ味など工夫されているものほど
苦手な場合があります。
◎ 歯磨きの大事さ、必要を感じてない
なにも困ったことがないうちに取り組むことに意味を感じられない。
やらなかったら、どうなるのかの見通しが立てずらい。
こんな理由が考えられます。
口の中は、雑菌も増えやすいですし、大事な食べ物を取り込む入り口ですから、
このような理由があっても、口の中は清潔に保ちたいですよね。
今日のアドバイス
日頃からこどもの口の周りを意識してさわる
歯磨きの時だけでなく、日常生活の中で、
他人に口元を触られる機会を意識して関わります。
できれば、歯が生える前から、続けていくのが理想です。
すでに、その機会が過ぎてしまった子どもでも、
刺激になれるように繰り返していくことで、少しずつ
苦痛な感覚を我慢できる範囲が広がっていきます。
「ここまでは大丈夫」という安心感も同時に得られていきます。
苦手な感覚に慣らしていく工夫としての例を挙げてみます。
親のきれいな手で、赤ちゃんの唇や、口の周囲を触ったりして遊びます。
昔遊びの、にらめっこ、あっぷっぷなどは、
顔を触る機会をもつとてもいい遊びだと思います。
いきなり口元は嫌がる場合は、頬をやさしく押さえたりして、
少しづつ様子を見ながら、口元を触るまでに近づいていきます。
そして、口の中に指を入れ、歯や歯茎を触ったり、少し動かしてみたり
子どもが嫌がらない範囲までを繰り返し慣らしていきます。
子どもに、鏡を見せたり、お母さんの歯を触らせてみるのも、
イメージできるので効果的です。
そして、口の中にものを入れる時も
最初はガーゼなどの布で歯を拭くことからはじめ、
だんだんと歯ブラシへと様子を見ながら進めていきます。
歯磨き粉の、においや味が原因であれば、
無理に使わなくても大丈夫です。
刺激の少ない子ども用や、
飲み込んでも大丈夫なジェルなどある程度選択肢を絞ってから
子どもに「どれを使いたい?」と自分で選んでもらうことで、
チャレンジできる場合もあります。
時間をかけてでもいいので、嫌がらない程度を毎日繰り返していきましょう。
目からの情報処理が得意な特性を生かして、
歯磨きの動画や、絵本などを見せることで
歯磨きの大事さや様子を理解の手助けにします。
磨くということを、イメージするために、
汚れたお皿などを、歯ブラシでこすって汚れをなくすという
経験をしてみるのもおすすめです。
頑張って歯磨きできたら、ご褒美シールを貼ることで
頑張っていることが目で見てわかるようにするのも、
続けられるコツになります。
このように、家庭で他人に口の中を見せる事や、
触られることになれていく練習をしながら、
さらにおすすめしたいことがあります。
それは、歯が生える前から、歯医者に行くことです。
もちろん、子どもの歯を診てもらうことが目的ですが
はじめはお母さんの定期健診の時でもいいので、
歯医者の様子を一緒に体験して慣らしておきましょう。
場所や先生に慣れていくことで
歯医者でも、口の中を見せられるようになります。
そうすれば、しめたものです。
歯が生えはじめたら、
定期的に検診に行くことで、
日ごろの歯みがきに自信がないお母さんでも
この時に丁寧に汚れを取ってもらえます。
虫歯や歯周病などのトラブルが発生してから
歯医者に頼るのでは、子どもにも大きな不安と負担をかけてしまいます。
健康な歯は一生の宝です。
子どもの虫歯の発生の責任は100%親にあります。
歯医者を味方につけて、虫歯ゼロを目指しましょう!