シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
赤ちゃんがいるお家には、バンボはありますか?
バンボは3ヶ月頃、
首のすわった赤ちゃんから
座らせることが可能だと宣伝されています。
まだおすわりができない赤ちゃんを
じっとさせておく方法はないかしら……
そんな娘の悩みから、
南アフリカ共和国のおじいちゃんが、
作り始めたのがバンボの誕生だとか。
早くから周囲を見渡せるので、
赤ちゃんの知的好奇心を満たしてあげられると
評判になって、日本でも人気になっています。
やっと、首が座った赤ちゃんが
この椅子に入れられて
丸く前屈みに座っている姿が
とっても可愛く見えて、
つい、写真を撮りたくなります。😊
離乳食が始まる5ヶ月頃や、
お母さんが一緒にお風呂に入る時に
ちょっと座らせたいと思うのがきっかけで
使い始める人も多いようです。
でも、子どもの発達支援をする立場からいうと
バンボは使わないでほしいと思います。
今すぐ、使うのをやめてほしいくらいです。
この補助具は、あくまでも大人の都合のものです。
このバンボから抜け出てしまう時には
ベルトもありますよって
宣伝していますが、自分が赤ちゃんの立場だったら
拘束具としか思えません。
自分でお座りできない赤ちゃんに
このバンボを使うことで
本来の赤ちゃんの育つべき筋肉、バランス感覚
骨格の成長など全てにおいて
不自然な発達を促します。
座れないのは、座るために必要な
機能がまだ備わっていないからです。
だから、
座れないから座らせてはいけないという
シンプルな考えでいいんです。😌
座れない時期に、離乳食を始めるのも
時期早々だと考えています。
安定して座ることができなければ
胃腸はしっかりと働けません。
消化、吸収の機能も未熟な状態です。
姿勢が正しくなければ、咀嚼機能も
しっかりできません。
まだ、食べる段階ではないのです。
自然に自分の速度で、
順序よく力を鍛え、学習していくことができて
初めて、一人座りができるようになるのが
通常の発達の順番です。
それを、物を使って、
腰や背中を支えて転ばないように
補助してしまうことは
子どもへのサポートではありません。
自分の身体のバランスを取るという感覚を
マスターできないようにしてしまっています。
前屈みになるのを立て直そうとする
背骨を伸ばそうとする筋肉ばかりが
強化されていきます。
その発達過程が抜けた状態で
成長していくことで
手先の不器用さや、過敏性の高まり
内臓機能の低下などといった、
先々の問題へと繋がっていくのです。
人が歩行するまでの間に
たくさんの運動機能
感覚機能を作り上げていく必要があります。
月日が経てば、歩けるようになるという考え方は
あっているようで、実は間違いです。
正しい姿勢、健康な歩行機能を獲得するには
それまでの積み重ねが重要なんです。
生まれた直後から、
その積み重ねは始まっています。
補助して座らせて、
早くから周囲を見渡せるようにすることよりも
腹ばいで、床、自分の手といった
見える範囲をよく観察することから
好奇心を自分から広げていくことが
大事なんです。
もっと、遠くを見たい、
高いところを見たい
後ろも見たいって好奇心が湧くから
自分で動き出していく。
意欲も育ちます。
これが、その子のペースで
進んでいく発達のスピードです。
これができるように
大人は環境を用意すればいいのです。
余計な補助具は不要です。
目が離せなくて、大変な時期もあるでしょう。
でも、それがいつまでも続くわけではありません。
子どもが自分で学んでいるんだと
見方を変えてみることで
困ったと思われる行動も
違って見えてくると思います。
子どもの行動を制限せず
のびのび動いてもらってください。
それが、一番子どもの発達にとって
自然でいい状態です。
これを知ったバンボ活用者は
それでも使うか、よく考えてくださいね。
子どもの育ちようは、親の関わり次第です。