シンプル児アドバイザーの石鍋てるみです。
例年、梅雨入りのニュースが聞かれる時期なのですが、
今年は遅くなるようですね。
雨の日が続くと、洗濯物は乾きにくいし、
外に行くのも面倒になりがちです。
自宅で映画を観たり、ゲームをしたりしていても
コロナ禍だから、雨だからという理由をつけて
外に出ないことを許しがちです。
私は、健康のために散歩をしているのですが、
雨だから行けなくてもしかたないとか、
都合のいいように利用してさぼってしまいます。(反省)
つい雨の日には「雨のためにできないこと」ばかりに
目が行きがちですが、雨の日にしかできないことがあります。
雨の日は、非日常を感じられるとてもいい機会。
楽しまないのはもったいない。
子どもにとっても
脳の発達を促す絶好の機会です。
雨の日を楽しんで、子どもの脳を育てましょう。
脳の発達には、五感を養うことがとても大事です。
色んなパターンの刺激に触れられるように
工夫してみましょう。
今日のアドバイス
いつもと違うことを意識してとりいれる
発達に凸凹がある子どもは、
いつもと違うことを受け入れにくい特性があったり、
感覚過敏・鈍麻の特性を持っていたりで、
日常生活で苦労してしまう子どもが多いです。
そんな子でも、いつもと同じ決まったルーティーンの中で
安心して過ごすことばかりでは、
発達を促す関わりとしては不十分ですし、
いつも場所にいられるわけではありません。
その子どもなりに、小さな冒険を繰り返して
その苦手さを狭めていく経験は必要です。
子どもが自然に楽しくその経験ができるのは、
好奇心から起こる行動を上手く使う活動。
それが、遊び。
とにかく、子どもが自然と動くこと、
楽しめることが遊びのいいところです。
ちょっと遊びにいつもと違う環境を取り入れるだけで、
子どもの遊びの内容は全く変わってきます。
この、環境を変えてみることが、遊びの広がりをつくり、
子どもの発想も変わり、使う機能にも変化を起こします。
ちょっとでも、いつもと違うを入れてみると
子どもの反応が変わって、違う面が見られるのも
楽しい発見です。
今日は、雨の日の例を考えてみます。
いつもはお家で遊ぶことが多いと思いますが
あえて雨の日にしかできない遊びを
工夫してみましょう。
子どもが、うれしくなるような、わくわくするような
声掛けが、子どものやる気を起こします。
「雨だから今日は〇〇できないから、△△しようか」といった
ネガティブな言葉かけから始めることはNG。
「雨だから今日は〇〇してみようか!」といった
ポジティブな表現に変えて楽しく誘ってみましょう。
子どもが、嫌がらない、苦痛を感じない程度を見ながら、
新しいことに触れていきます。
ここは、無理してアクティブになることを求めないで、
あくまでも、子どものペースに合わせます。
よい印象で終了できる範囲で行いましょう。
音を怖がったり、水に触るのもイヤという子は
そのことを受け入れてあげて時間を過ごしてみてください。
窓を開け、雨が降るのをゆっくりみるだけでも
充分です。その感覚に集中できるようにします。
雨音を聞く(聴覚)、雨に濡れた景色をみる(視覚)
雨で立ち上る自然の匂い(嗅覚)、
雨の冷たさや雨粒の強弱(触覚)など、
五感を使って雨を感じることができます。
外に出たがる子どもであれば、散歩に行きましょう。
お気に入りの傘、レインコートや長靴を着用するのも
いつもと違う感じを出すアイテムです。
濡れる事、汚れることは気にしなくていいように、
帰宅したらすぐ、お風呂やシャワーができるように
準備しておくことがポイントです。
あとは、子どもの後を一緒に見守りながら
遊びましょう。
レインコートに直接ぶつかる雨の感触や、音を楽しむ
水たまりや雨水の流れを飛び越える
花や葉っぱについた水滴を落としてみたり
カタツムリやカエルに出会うかもしれません。
たくさんのいつもと違うを経験します。
慣れてくると、だんだんと行動が広がってきます。
滑らないよう注意しながら歩いたり、
水たまりを飛び越えたり、自然に運動面でも
経験量が増えます。
こういったことが、
子どもの脳を活発にしていくきっかけになります。
雨の中を、傘もささずに遊びに没頭できるのは、
子どもの時期しかできない特権です。
特にこの時期の雨は、寒さもないので、
濡れることも安心です。
慣れたら、台風の中ちょっと外に出てみるのも
刺激的です。(安全は確認してくださいね)
こんな体験をしてから、絵本や映画で雨のシーンをみるのと
体験なしで見るのでは、全く想像の世界が変わってきます。
体験した経験と合うような、絵本を見たりすると
会話がすすみます。
私は、子どもの保育園が夏休みの時に
田舎で雨の夜道を子どもと散歩に出かけました。
しーんと、車も時々しか通らない真っ暗な道を
歩いただけなのですが、
その時の経験がずっと心に残っているようで
今でもトトロの、雨の中でバスを待つ
サツキちゃんのシーンをみると
その時の、不安な怖いような気持ちが蘇るそうです。
こんな風に、小さな経験であっても、
子どもの記憶に感覚は記憶され
情緒を育くんでいきます。
いつもと違う経験は、工夫次第で取り入れられます。
そしてそれが、子どもに多くの変化を起こします。
いつもと違うことを受け入れやすくなったり、
怖いけどやってみようという勇気も持てるようになります。
これは子どもだけにおこる変化ではありません。
大人の私たちにも大事なことです。
あなた自身も、一緒に小さな冒険、チャレンジを
意識して取り入れてみてくださいね。
今度雨が降ったら、
あなたも、ゆっくり、雨を感じてみませんか?
きっと、新しい体験ができます。