シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
あなたは、子どもに【ダメ出し】することはありますか?
危険な行為や、人を傷つけるような行為を見た時には、
当然,『ダメ―!』と大声で叫んでしまうこともあるでしょう。
命を守るという本当に大事なことですから、
とっさに出る【ダメ出し】は、言ってしまって当然ですね。
こんな理由の【ダメ出し】であっても、
このまま言って終わりだったとしてら、
ちょっと中途半端。
子どもが、次はどうすることがいいのか、
理解できるまで、支援することが大事になります。
今日は、命にかかわること、人を傷つけるようなこと以外で、
毎日子どもに【ダメ出し】していないか、考えてみましょう。
思春期に入って、『やりたいことがない』
「自分の意見、考えが分からない、言えない」とか
「人目がすごく気になる」とか
「自分には何もできない気がする」などの思いを抱えて、
自分の道が見つけられないで苦しむ子どもがいます。
その子たちの多くは、
頑張り屋さんで、はたから見れば、
何でもできる能力があるのにと思うような子ばかりです。
でも、ある傾向があることに気がつきます。
それは、お母さんが子どもへの【ダメ出し】が多いこと。
そして、子どもは、【ダメ出し】に応えようと
頑張ろうとする、期待に応えられる気質を持っていること。
子どもがやろうとしたことを、
お母さんに『そんなことやっちゃだめでしょ』
『まだ、無理、危ないからやめときな』と
禁止され、否定されることを、
ちゃんと受け入れて言う通りにしたことで、
お母さんが喜んできれた、認めてくれたという経験をして、
子どもが喜びを感じるというサイクルを作り出します。
特に、乳幼児にとっては、見放されたら生きていけませんから、
本能的にお母さんは絶対的な存在です。
とにかく、小さいうちは、
最終的にはお母さんの言う通りになるしかないのです。
お母さんも、無意識に子どもをコントロールしようとします。
このサイクルは、お母さんの『ダメ出し』が多いほど
強化されていきます。
そんな風に、繰り返す中で学習した子どもの中でも、
特に敏感な子どもは、自分の思いが出てきたとき、
行動したとき、お母さんの反応を確認します。
そのちょっとした表情、態度から、
否定や禁止のメッセージを
読み取って、お母さんが喜んでくれることをしようとします。
それは、その場にお母さんがいなくても、
このサイクルが当たり前に働くようになります。
いつも【ダメ出し】され、言いなりになる、
考えにあわせることで
お母さんに守られた居場所をつくりあげます。
この思考パターンが、小さいころに出来上がってしまうと、
ほぼ、無意識にお母さんに対してだけでなく、
あらゆる人間関係にもこのパターンが使われるようになります。
全てにおいて他人の意見で行動するようになってしまい、
人の反応を気にしたり、
自分の考えで行動することができなくなってしまうのです。
そして、思春期の自分を見つめる時期に入ると、
そんな自分はだめな存在だ、
人に認めてもらえない自分は価値がないと思って
悩み苦しんでしまうのです。
そんな自分に気がついて、治そうとしても、
今度はお母さんへの罪悪感で、
それさえもできなくなってしまうのです。
我が子に、こんな苦しみをさせたくなければ、
今からあなたの言動を見直しましょう。
今日のアドバイス
子どもに【ダメ出し】はしない
あなたが、子どもにダメだと言いたくなったとき、
5つでもいいので、心で数を数えましょう。
そして、【ダメ出し】の言葉を言わないという練習です。
できたら、
『お母さんだったら、こうやるなぁ』 (例として一つの好ましいモデルを示す)
『こんな方法もあるよ』(外部からの情報を提供する)
『〇〇しちゃったけど、どうだろうね』 (結果を自身で評価してみる)
こんな風に、好ましくない行動であっても、
改善できる方法を考えられるように
失敗しても大丈夫という自信をつけていけるような
サポートができると理想です。
もっと余裕ができてくると、
どうして、子どもをダメだと感じているのか、
自分で振り返ってみることができます。
そこに、あなた自身の課題が見えてきます。
子どもへの否定・禁止の多くは、
あなたの中にある劣等感、こうあるべきというような思いを
子どもに向けているものです。
このことは、もっと深く心を学ぶ必要が出てくるのですが、
子どもを、自分のはけぐちにしていないか、
子どものために教えてあげているんだという
気持ちになっていないか、
自分が満たされていない部分があるのではないか
そんなことに気づいていくことができます。
そのことを癒していくことで
人としての成長につなげていくことができます。
子どもは、あなたを成長させてくれる存在です。
【ダメ出し】は、子どもを否定することです。
子どもの気質が違って、思い悩む方向に向かない子もいます。
そんな子は、強い反抗心を非行・暴力など外に向けることが多いです。
いづれにしても、子どもへの否定からは、
良い結果は得られません。
そうはいっても、親も成長過程ですから、
つい、子どもに口出ししたくなるのが親心。
本音は、注意したい気持ちばかり浮かんできて、
親としての立場も守りたいという気持ちになるでしょう。
完璧でなくても、少しでも減らす、
【ダメ出し】しない練習を意識することから初めてみてください。
子どもの心を守るために時には
親の本音を隠す練習も大事だったりするものです。