シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
暖かい日が続いています。
日中、いつもよりも眠気を感じやすく、
身体がだるく感じやすい時期でもあります。
これは、自律神経の乱れからおこるもので、
春の暖かさから、身体の副交感神経が刺激され優位になることから、
リラックスモードになって、眠くなりやすいのです。
子どもたちも、この時期同じように、自律神経の乱れや、
環境の変化などで、睡眠問題が起こりやすくなっています。
睡眠問題とは、
寝つきの悪さ(なかなか寝床に入りたがらない、ねむれない)
不規則な睡眠リズム、昼夜逆転、寝起きの悪さなどがあります。
小学生になると、登校させるのに苦労したり、
日中の眠気が起こって授業中寝てしまうなどの悩みになっています。
「自閉症スペクトラム障害(ASD)」や
「注意欠陥多動性障害(ADHD)」などの
発達障害がある子どもたちの睡眠問題は、
一般の約2倍起こりうるといわれています。
睡眠は、脳の機能を育てるために、とても重要なものです。
なぜ発達障害のある子どもに睡眠問題が多いのかは
まだ、明らかになっていないようですが、できるだけ早く、
睡眠問題は克服したいですよね。
睡眠リズムを定着させるには、
睡眠システムを作っていく乳幼児期に正しい睡眠システムを
育ててしまうことが、一番簡単です。
一度、この時期に、睡眠システムを脳内に作り上げることで、
一生の土台が出来上がります。
ここで、誤ったシステムをつくると、治すのが非常に難しくなります。
この睡眠システムは、赤ちゃんの頃からの習慣化でできあがります。
まず、一般的な子どもの睡眠時間を確認しますね。
生後1日目から3カ月 14〜17時間
この時期の赤ちゃんは、昼夜関係なく3時間程度の間隔を空けて
まとめて眠るというよりも細切れで眠ることが多いです。
4カ月から11カ月 12〜15時間
この時期も、1日のほとんどを睡眠時間に費やします。
1歳から2歳 11〜14時間
1~2歳の子どもは、朝までまとめて眠れる子が増えてきます。
夜に10~11時間の睡眠、お昼寝が3~4時間程度が目安です。
夜の睡眠時間の過不足をお昼寝の時間で調整する感じです。
3歳から5歳 11〜13時間
夜たっぷりと睡眠をとることができれば、お昼寝を必要としない子もいます。
個人差はありますが、5歳くらいの子どもはお昼寝をしなくても、
夜まで元気に過ごせるようになることが多いです。
ただ夜の睡眠時間が足りないようなら、
お昼寝をして適切な睡眠時間を確保した方がよい時期です。
次は、どのようにしたら、良い睡眠時間を確保できるのか
具体的にお家でできることをお伝えします。
今日のアドバイス
子どもは早起きさせ、日光にあたる。
『早寝、早起き』というのは、何度も聞いていることでしょう。
どちらかというと、逆で、『早起き、早寝』で覚えてください。
いずれ、学校に行く生活になる子どもたち。
すっきり起きられる生活習慣を赤ちゃんのうちから作っていきます。
1 早く起こす。(遅くとも7時)
お休みの日でも、同じ時間に起きましょう。
朝起きたときは、最低10分程度、日差しが顔や身体にあたるように
窓際で過ごすことが大切です。
『寝るのが遅かったから、朝ゆっくり補おう』
という考えはやめましょう。
15時以降の昼寝もよくありません。
眠そうになったら、外に連れ出したり、
子どもの興味のある作業を一緒に行ったりして、
夜まで寝ないように頑張ってください。
2 朝食を食べる。
朝食は体内時計の安定と活性化に重要な役割をします。
眠っていた時に下がっていた深部体温を上げる役割もあります。
3 太陽の光を浴びる日中の活動を増やす。
よい眠りには、日中の外遊びや散歩など、
朝日や日光を浴びるようにすることが大切です。
4 夕食はなるべく早い時間に済ませる
19時までには食べ終わるように努力しましょう。
難しければ、最低でも就寝2時間前までには夕食を終わらせます。
夕食後のおやつや夜食は成長ホルモンの分泌を悪化させるので
食べない習慣をつくりましょう。
5 ぬるめのお湯でお風呂に入る。
熱いお風呂は交感神経を活性化し、
入眠困難の原因となるので避けます。
お風呂は就寝の2時間前までに入って、
体温が徐々に下がった状態で布団に入るように心がけます。
6 就寝前の同じ行動(ルーチンワーク)をする。
人は同じ行動をとると、気分が安定して、心がやすらぎます。
例えば、幼児には夕食後「お風呂」「歯磨き」「トイレ」
「読み聞かせ」「お休みの歌」などを毎日繰り返します。
具体的な就寝の準備をすることで、少しずつ「そろそろ寝るんだな〜」と
心の準備を促して、眠りの状態に切り替わっていくようにします。
7 眠くなったら、布団に入る。
《ぜんぜん眠くないのに、午後8時になったら必ず布団に入る》
《朝が早いから夕食後に時間をあけずに布団に入れる》
真面目なお母さんは、とにかく、布団に入れて、
寝かしつけようと頑張ってしまうことがあると思います。
少し前までは、寝かしつける事を重視した指導もあったかと思います。
でも、これは入眠困難につながるとわかってきました。
不眠症の大人でもそうですが、
布団に入っても「どうせ、すぐには眠れない」などの
否定的な気分がわくようになると、
「寝室や布団自体」=「そこで経験した不快感」が学習され、
最後には布団を見ると嫌な気分を抱くようになってしまいます。
寝なくてはいけないというストレスが、
さらに眠れなくさせてしまうのです。
このような事態にならないように
「布団に入っているのに、眠れないという時間を減らす」ことが大切です。
布団に入ったら、寝る以外のことはしないようにします。
(絵本を読んだり、動画を見たりはしないで!)
布団に入って20〜30分眠れない時は一旦布団からでます。
同じ時間に寝させたいけれど、子どもが眠くなさそうな時は、
静かで、やや暗い環境で、ソファーやクッションの上で過ごすなどの
工夫が必要です。
8 布団に入ったら楽しい出来事、良かったことを思い出させる。
寝る前に、日中に良かったこと、楽しかったこと、
嬉しかったことを子どもと一緒に見つけ出して、
その事を話題にして短時間話しましょう。
「ママは、○○ちゃんが大好きだよ」と毎晩伝えるのもいいですね。
布団の中で、つらいこと、悲しかったことなどを子どもが話し始めたら、
「朝起きて聞いてあげるから、安心して寝なさい」という
親からの安心感が子どもの睡眠の質を良くします。
良い睡眠時間を確保するには、
一日を通しての活動が大事になることが分かると思います。
定着するまで、大人が守るということができずに
断念してしまいがちです。
ここは、子どものために、頑張ってみましょう。
《寝る子は育つ》
昔からの言い伝えは、本当に正しいことが多いです。
私は、子どもと一緒に寝てしまい、朝一人早起きして
その一人時間を楽しみに充てていました。
今では、早起きで、自分の健康の維持に役立っていると思っています。
工夫してみてくださいね。