シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
子どもの食事に関しての、悩みを受けることがありますが、
中でも多いのが偏食がある事についてです。
「食べられるものが極端に少ない」「同じものばかり食べる」
発達障害のある子どもたちが直面する大きな問題となります。
おうちでは好きなものに変えたりしてお腹を満たすことができますが、
栄養の偏りが不安になったり、
保育園などで、みんなと同じ食事を取るようになると、
食べられないものが多いと心配になりますよね。
自閉症スペクトラム障害(ASD)など発達障害のある子どもは、
限られた食べ物やお菓子しか食べないという
極端な偏食を抱えることがあります。
このように発達に凸凹のある子どもたちは、
感覚の感じ方が、他の人たちと違うことがあって、
それが「育てにくさ」につながったり、
周囲に誤解される原因になったりします。
食べ物の好き嫌いをするのはワガママと捉えられてしまいがちですが、
発達障害の特性によって引き起こされている可能性があります。
過敏さのあるお子さんは食べ物に対し単純な好き嫌いではない、
別の気持ちを抱いている場合があります。
偏食に関しての、感覚過敏の例を少し上げてみます。
触覚… 舌触りや、歯触りの触感が気持ち悪い。違和感がある。
温度が熱い、冷たいが、感じやすく苦痛みとして感じる。
嗅覚… 特定の食べ物の匂いが苦手。
視覚…初めて見るものは、想像ができなくて怖く感じる。
このように、味覚や口の中の触覚が過敏で、
どうしても食べられない状況になってしまうのです。
今日のアドバイス
人と自分は感じ方が違うことを理解する。
この、感覚の感じ方によって、偏食になることがあることを知りましょう。
そして、お子さんの偏食で悩んだときには、
あなたと同じ感覚で食事を捉えているとは限らないと理解しておきましょう。
「本当にその食材・料理を食べられないとダメなのか?
別の方法で解決できないか?」を考えなおしてみましょう。
偏食への関わりとして例を少し挙げてみます。
◎ 子どもの感覚の特性に応じて、給食の調理方法を変える。
固いものが食べられない子どもには、
食材をミキサーにかけたり、ふやかしたりして食感を軟らかく仕上げます。
反対に、軟らかい舌触りが苦手な子どもには、
具材を素揚げして、サクサクの食感にしてみます。
◎ 食事の提供の仕方を変えてみる。
色々な食材が混ざっているものは、食材ごとに分けて提供する。
(例:豚汁の中の、具を取り出して、大根、ニンジン、
こんにゃくなど、お皿にとりわける。)
暖かい方がおいしいと思われるものでも、適温まで冷まして与える。
カレーライスのように、ごはんが見えないようにかけてしまうのが
嫌な場合は、ごはんと分けて盛るか、別々に提供します。
◎ 見た目をわかりやすくする
盛り付け時苦手な色は底の方にして、好きな色が多く見えるようにする。
イラストなどを使って食べられる食材だということを示しておく。
作っているところを見せる。
こんなふうに、子どもに安心感を与える工夫をします。
子どもが食べられない理由を見つけながら、少しづつ工夫していきましょう。
食べることは、人間にとって危険と隣合わせな行動です。
自分の命を守る為、口にするものには注意深くなるのが本能です。
本人の資質として、食事への興味の強さ、
人が食べているものを信じられる子もいれば
初めてみるものには慎重になる子もいます。
無理して食べると拒絶反応から嘔吐をしたり、
トラウマになって食事自体の嫌悪感が増すリスクもあります。
ですから無理やり食べさせようと頑張らなくても大丈夫です。
満点の栄養バランスを目指す必要はありません。
食べてくれなかった食材でも、保育園や小学校の給食等、
仲の良いお友達が食べているのにつられて食べられてしまう、
なんてこともよくあります。
家庭の中では食べない物を食べさせることを目標にしすぎないで、
一緒に食卓を囲んで、食事が楽しいという気持ちを育てることを
大切にしてください。