シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
今回は、子どもの噛みつきについて考えてみます。
保育園でも、子供の噛みつきは1~2歳頃に多く起こります。
小さい歯でも、思い切り噛まれると大人でもかなり痛いものです。
お友達を噛んでしまうトラブルは、その時だけでなく、
その後繰り返し起こってしまう傾向があります。
何故か、同じ子ばかり噛んでしまうこともあります。
くっきりと歯形が残ったり、傷になったりするだけに、
相手の親への対応に悩んだり、自分の育て方が悪いのかと
落ち込んだりするお母さんもいます。
あんまり、続くと困ってしまいますよね。
自我が芽生え、他人との関わりが増えてきたこの時期は
成長発達の過程で、自然と噛み付きや、ひっかきなど
手が出ることも多くなります。
でも、それは「自我」や「他人との関わり」が成長している
“しるし”だともいえます。
でも、1~2歳になればどの子も噛みつくわけでもありません。
あまり噛まない子も、噛みつきをまったくしない子もいます。
ですから、やたら噛みつくという子の親は「どうして?」と悩んだり、
相手の親の手前、きつく叱ったりしがちです。
噛みつきをする子としない子の違いは何なのでしょう?
子供の噛みつきの原因は一般にこのように言われています。
○言葉の代わりの意思表示として
自分のやりたいことや他の子への関心が芽生えてくる時期だけど、
まだ言葉のボギャラリーが少なく、うまく自分の思いを伝えられないため、
噛みついてしまう。
○攻撃の手段として
おもちゃの取り合いやケンカの時、攻撃の手段として噛みついてしまう。
〇その他
小熊や子犬みたいに、じゃれ合っているときの親愛の情として、
興奮して、嬉しくて噛みつくということもあるようです。
生まれつき、噛むという行動をとりやすい子どもと、
そうでない子どもはいるように思えます。
これは、理由はなく、ある意味本能に近い気質の問題が大きいと感じます。
人間も動物です。生まれたばかりは、動物的な要素が強い子もいて、
危険な時に攻撃としてかみつく手段をとる子もいるのです。
ほとんど、反応で無意識なので、理由を語っても、
直ぐには治るというわけにもいかないのです。
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本当に止めて欲しいときは、真剣な表情で目を見ながら「ガブはダメ!」と
その直後に一言注意します。叩く必要はありません。
噛みついてしまった後、すぐに時間がたたないうちに、
その時に真剣に伝えます。
また、噛みつくような状況を事前に避けるような環境を整え、
噛まずに済んでいる時に噛まなかった行動を認めていきます。
子どもの様子をよく見ていると、噛む前触れがわかったります。
噛みそうになったら、ほかの遊びに誘うなどして気を反らしてみてください。
瞬時なのでむずかしいですが、意外とわかってくるものです。
グレーゾーンの子どもは、言葉の発達が遅れていたり、
自分のテリトリーに何かが入ってきた刺激に
反応してしまいやすい傾向を持っていて、
噛みつきが長引いてしまうこともあります。
今日のアドバイス
噛みつきなど他害行為には、注目しない。
お友だちを傷つけてしまうことには、どうしても
大きな声で注意をしたり叱ったりしてしまいます。
子どもによっては、この大人の反応自体が
楽しいものとして感じてしまうこともあり、
注目してほしい表れとして、さらに繰り返してしまうこともあります。
やってほしくない行動には、その場で真剣に『いけない!』と
声を荒げず、淡々と注意をします。
オーバーに反応してはいけません。
そのことで、いつまでも騒ぎ立てることはせずに、
切りをつけ、子どもの意識を違う方に向けます。
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言葉の理解や、発語が増えてきたときには、
気持ちの代弁、噛まれた子の気持ちなど言い聞かせてもいいですが、
そのあたりの認知が未熟な場合は、噛んではいけないということだけを、
しっかりと、繰り返し伝えます。
そして、噛まなかった時を見逃さず、
『それでいいんだよ、よく我慢できたね』と、できているときの方に
たくさん注目して認めてあげてください。
噛むような環境を避けるように、配慮しながら、
噛んでしまう前によい行動を促せるようになると
噛むという行動が減ってきます。
チャレンジしてみてくださいね。