シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
あなたは、小さいころの記憶はありますか?
どのくらい小さいころまで振り返ることができますか?
幼稚園の年中さん頃?小学3年生くらい?
全然覚えてないな、小学5年生くらいのことなら何とか覚えてる。
聴いてみると人によって全く違います。
覚えている内容も、実は、親から繰り返し聞かされていたことを
あたかも、自分が覚えていたことのように
勘違いしているケースもあります。
中学生の同窓会などで話していて、
自分が記憶していたことと、友だちが記憶していたことが
同じ事象でも、全く違うように記憶されていたことで
誤解が解けたり、記憶ってあてにならないな
なんて実感したこともあります。
ある事柄を、こわれたレコードのように、
繰り返し、リピートして、同じことを何度も考えに巡らせていると
それが、記憶として刷り込まれていきます。
それも、自分からみた視点での思い込みも加わって、
それが絶対に正しいという形に変えて
刷り込まれていきます。
特に、自分にとってショッキングな出来事は、
自分は悪くないのに、相手のせいでこうなったと
過大に自分を被害者側に立たせて記憶してしまうこともあります。
逆に、自分が悪かったから、相手にこんな行動をさせてしまったんだと
過大に自分を、加害者側に立たせて記憶してしまうこともあります。
この両極端な記憶の刷り込みが強いと
同じような出来事にあったとき、
このことを思い出してしまい、苦しい感情が湧きあがります。
そのたびに、同じ思いをくりかえしてしまうのです。
もしも、自分を苦しめている記憶があるときには、
それは、自分の記憶の刷り込み方に原因があるかもしれません。
被害者側だったら、加害者側に立ってもう一度
見直してみると、楽になるかもしれません。
自分で刷り込んでしまった、記憶は、
気がつくことで、変えていくことはできます。
やっかいなのは、
自分が意識しなくても刷り込まれている記憶です。
自分でも、意識できない深い部分に刷り込まれているので、
自分には気づけない、治しにくいという
難しさがあります。
生きづらさを感じてしまっている人の中に
親に愛されていないという記憶で
大人になっても苦しんでいる人がいます。
他人からみれば、そんなことはないだろうと
思える親子関係であっても、
深く掘り下げていくと、この問題に行きついてしまうケースは
少なくありません。
生まれてきて、一番最初に体験する母親との関係で、
愛されていないという記憶が子どもに刷り込まれてしまうと
その先の人間関係や、社会との関係を、
安心して築いていくことは困難になります。
この愛されているという感覚を、
しっかりと生まれてすぐに刷り込まれたかは、
その子の人生に大きな影響を与えます。
ですから、絶対に自分が愛されているという感覚は
その後の人生には重要になるのです。
子どもが意識しない生まれたての赤ちゃんの頃から
気持ちのよさ、安心感を感じることで、
それは記憶の奥に刷り込まれ、潜在意識に取り込まれていきます。
成長して自意識が芽生えてくると、前半にお伝えしたように
事象を自分勝手にジャッジして、記憶に刷り込むことが起こります。
親は愛情のつもりで働きかけたことを、
そのまま受け取れる子もいれば、
逆に重荷として受け取る場合も出てきます。
どうしたらいいのでしょうか?
私は、この潜在意識の特徴を利用して、
子どもが産まれたらすぐに母親の愛情を言葉と表情でしっかりと伝え、
刷り込んでいく事だと思います。
『母親が、子どもを愛するのは当然でしょ。
わざわざ言わなくても通じるはず』と思うかもしれません。
でも、やはり、思いは見えないのです。
母親になったばかりには、産んだ子どもに愛情を持てない
その子どものタイプによっては、かわいく思えない
なんていう人もいます。
それは、母親のあなたに刷り込まれた記憶がおこす
感情の問題なので、しかたのないことだとまずは、自分を許しましょう。
そのことで苦しむことはありません。
母親が、子どもにどのくらい愛情があるのかは
計れませんし、見えるものではありません。
だからこそ、愛情を伝える方法を実践すれば、
あなたの愛情の度合いがどのくらいであっても
子どもの潜在意識にあなたの愛情を刷り込むことができるのです。
今日のアドバイス
子どもが眠りにつくとき、朝目覚めるときに
『ママ(おかあさん)は、〇〇ちゃんが大好きだよ。』という。
言葉をかけることは大事です。
自分や相手が、聞き取れなくてもわからなくても、
見えなくても、毎日、身体のどこかに触れながら伝えましょう。
大好きって、ギューッと抱きしめたり
好きな本や、歌を唄うことを加えたり
してもいいですが、『大好きだよ』と言葉・表情でしっかり伝えます。
寝る前、起きてすぐというのもポイントです。
潜在意識への入り口が開いているときで、
刷り込まれやすいのです。
3歳くらいまでは、できれば毎日、そのあとは回数が減っても
小学校の低学年くらいまでは、意識して行うといいと思います。
言葉かけのポイントは、
子どもへの評価を言葉にしないことです。
『良い子の〇〇ちゃんが大好きだよ。』
これを刷り込んでしまうと、
子どもは良い子でないと好きになってもらえないと
思い込むようになります。
ただ、お母さんはあなたのことが『大好きだよ。』『大切だよ。』
『あなたがいてくれると嬉しいよ』と言えばいいのです。
どんなところが好きかなど理由はいりません。
極端に言えば、
本当に『大好き』と思えないときでも、
『大好き』と伝え続ければいいのです。
思いは見えませんから、見えるところを変えてしまえばいいのです。
これを、赤ちゃんのうちに続けて行うと、
子どもの心の根っこに
根拠のない自信が芽生えてきます。
不思議と言葉にしたお母さんにも、
子どもが大切だという気持ちが湧いてきて
愛着を感じるようになってきます。
母親と子どもの愛着関係は、
産んだから自然と芽生えるものだけでなく
愛情の表現の積み重ねで始まっていくと思います。
この関係が、子どもの人生の土台になります。
衣食住の安心はもちろん大切ですが、
この言葉かけを追加することでもっと土台は安定します。
できる時だけでも、取り入れてほしい方法です。