石鍋てるみです。
子どもを育てていると、
他人に迷惑をかけないようにとか
お友達に優しくしましょうねと
教えることって多いと思います。
おもちゃの取り合いが始まると、
「お友達に貸してあげようね」
電車の中ではしゃぎ始めると
「みんなに迷惑だから静かにしようね」って
言い聞かせますよね。
教えていることは正しいし、
そう配慮できるように育って欲しいものです。
人はもともと優しい気持ちや
人と仲良くしたいという気持ちを持っているもの。
でも、その気持ちが自然と他人に向くようになるには
自分自身が満たされていなければ
表現できないものでもあります。
人への優しさは、優しくするべきだから
やってあげようと頭で考えてできるようになることが
いいことではありませんよね。
自然とそうしたいと思ってやってしまうのが
本来の優しさの表れです。
おもちゃを貸すことだって、
自分が飽きるまで遊び込んだ経験がなければ
人に気持ちよく貸してあげようとは思えません。
思い切りはしゃぎまわった経験がなければ
肝心な場所で自分を抑えることはできないもの。
頭でこうしなくてはいけないと
意識して行動することはできても、
どこか自分の本当の気持ちを押さえ込んでいるので
フラストレーションが蓄積していきます。
その場では、いい子が演出できても
そこで溜まったフラストレーションは
どこかで発散されるようになります。
自分の心を守るために
自然とそういった行動が現れてくるのです。
それは大人の見えないところで
お友達を叩くことかもしれません。
ママを困らせるような
わがままを言うことかもしれません。
子どもが小さいほど、
「あれやって!」「これがしたい!「これは嫌だ!」って
自分の気持ちを満たそうとする言動を隠しません。
だから、大人にはわかりやすいチャンスの時です。
この要求をできる限り愛をもって応えていくことで
子どもの心の器をいっぱい満たして
あげることができます。
子どもによっては、器がものすごく大きな子もいるし、
小さいコップくらいの子もいます。
でも、器にもっと入れてちょうだいって
わかりやすく伝えてくれる
チャンスの乳幼児期にいっぱい埋めていけば
その後は安心です。
まず、子どもの心をたくさん満足させることが
人への思いやりを持つ子にもなるし
自然と優しい心が溢れ出るようになるものです。
正しさをいきなり教え込むことに
こだわらないで、
どうやったら自分の気持ちを満たし
自分に優しくすることができるのかという方法を
教えてあげましょう。
自分がして欲しいことを、
人にどうやってお願いしたらいいのか
自分が困った時に
どうやって助けを求めたらいいのか
そんなことを小さい頃には
しっかりと教えてあげることで
自分で自分を満たすことができる大人になれます。
私は自分に優しくする方法を誰からも
教えてもらってきませんでした。
人には優しく、自分には厳しくっていう
感じで生きてきたと思います。
この歳になって、少しずつ
自分にも優しくできるようになってきました。
自分を厳しく評価する気持ちが減っただけで
人生が楽に楽しく変わってきたと思います。
人はいつからでも、
変わることができると思います。
同じような人がいるのなら、
意識してみて欲しいと思います。
きっと今より楽になると思います。