コミナスブログ 子どもの発育と発達

子どもの口呼吸が増えています

投稿日:


シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。

口腔機能発達不全症って聞いたことがあるでしょうか?

近年の子どもに増えてきている
舌を中心とした口の周りの筋肉が
しっかり発達していない状態の事をいいます。

口腔機能発達不全症の子どもは
普段、口の周りの筋肉の緊張性が低いので
口が開けっぱなしの口呼吸になっています。

あなたのお子さんはどうでしょうか?

子どもが口呼吸かどうかを確認するには、
テレビを見ている時や、寝ている時などに
口を開けていることがないかで見分けることができます。

ポカンと口を開けている姿を見かける。
食事を食べる時くちゃくちゃ音がする。
丸呑みであまり噛んでいない、
よだれが多い。

このようなお子さんの様子が見られたら、
要注意です。

口呼吸の子どもは、歯並びに影響が出たり、
発達、発育状態にも影響があって、
いろんな問題につながるケースが多いことがわかっています。

いっときの風邪や、鼻炎などの
鼻づまりといった原因がある場合もあるので
その場合は、早めに受診し改善したほうがいいです。

けれども、そうでない場合の
口呼吸には注意が必要です。

本来、鼻から外気を吸い込むことで、
鼻の粘膜のフィルターを通ることで
ウイルスなどが入らないようになり、
適度な温かさと湿度を持った空気を
取り込むことができるわけですが、
口呼吸ですとダイレクトに喉の粘膜に
ばい菌も付着しさせてしまいます。

乾いた空気も取り込まれやすく、
粘膜などが炎症を起こしやすくなります。


また口を閉じて、
食事を噛み続けることができないので、
口を開けて噛む状態や、
丸呑みということも起こります。

普通であれば舌は使わない時は
上顎にくっついた位置で固定されています。

この舌によって、歯が内側から
外側の唇の内側に押された状態になって
歯並びが整うのですが、
口が開いたままだとその圧迫がないので
歯並びも悪くなって、顎も発育しません。

『口を開けてないで、
ちゃんと閉じていなさい』って
子どもに注意した経験がある人も
いるかもしれませんね。

でも、この口呼吸は
そう簡単に治らないんです。

注意すれば、その時は口を閉じられても、
気づくといつの間にか
ポカンと開いてしまう。

子どもも閉じなくちゃとわかっていたとしても
うっかり戻っちゃう。

実は、赤ちゃんの時から
口の機能を育まずに大きくなって
しまっているので、
口の力が使えていない状態ですから
閉じ続けるには訓練が必要です。

これまでのどこかで、
口を使ってこなかった経験が
今に繋がっているはずです。


口呼吸を改善するには、
そこからやり直すしかありません。

舌の力、口の機能を育むためには、
段階的に獲得する必要があります。

生まれてすぐの赤ちゃんには
授乳の姿勢、寝かせ方、抱っこの仕方から
注意しなくてはいけません。

大人でも上を向いたまま、
物を噛んだり飲んだりできますか?

噛みにくいし、
ごっくんと上手に飲み込むことが
できませんよね。

赤ちゃんがおっぱいを飲む姿勢は、
お腹の中にいる時のように
丸まった姿勢であることが重要です。

体の中心部に、力がしっかり入ること
口の筋肉に緊張が入り、
しっかり飲み込むという機能を
獲得していく必要があります。

授乳の時、背中が伸びている状態
首が反っている状態で授乳していると
口の機能は正常に発達できません。
顎が上がっていてはダメです。


まだ、あなたの子どもが
授乳期の赤ちゃんならば、
すぐに、口の機能獲得を意識した
抱っこをこころがけてみてください。

正しい舌の位置で正しく飲み込むことを
身体が獲得するには
この授乳の姿勢が大事です。

離乳期になると、
スプーンを使うようになりますが、
口腔機能が弱い子、
たとえば、ASDのお子さんなどでは
ヨーグルトをスプーンであげる時に
唇でスプーンを挟むことができずに
スプーンを引き抜いた後を見ると
ヨーグルトが残っていることがあります。

スプーンの中身を、上の唇で
こそぎとることができていないのです。

スプーンで食べ物を口に入れてあげる場合でも
上唇を使って捕食するように意識して
与える必要があります。

離乳食の与え方は
食べる量などに目がむきがちですが、
大事なのは、口の中でちゃんと食事を
動かし、咀嚼し、飲み込めているかという
機能の面を確認することが大事です。

赤ちゃんは、産まれる前から
指しゃぶりをしてたり、
羊水を飲み込んで、
食べ物を食べるための練習をしています。

それは、誰も教えなくても
生きるための準備をしているのです。

生まれた後から、外からの影響を
受けざるを得なくなりますが
本来は、自分の力で段階を追って発育、
発達していくもの。

赤ちゃんが、爪で顔を引っかかないように
手に手袋してしまったり、
洋服で隠してしまったり、
手を舐めるのが汚いからと
おくるみして手足の運動を妨げてしまったり
親が良かれと思って配慮したことが
全て、この口の機能の育みを
阻害していると気がついてほしいと思います。

赤ちゃんは、自分の発達のために
必要だからそうするのです。

任せて、それを充分やれるようにしてあげるだけで、
赤ちゃんは自分なりの発達を獲得していきます。

もしも、今、お子さんが口呼吸だとしたら、
慌てないで、時間がかかってもいいので、
口の機能を取り戻すことを意識していきましょう。

 

口を閉じなさいって繰り返し注意するよりも
風船を膨らましたり
ストローで水をぶくぶくして
口を使った遊びを取り入れても
楽しんでみてもいいと思います。

今からでも、間に合います。
お子さんの呼吸確認してみてくださいね。

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