コミナスブログ 支援者の心構え

『悪い言葉』から学べること

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シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。

子どもは大きくなってくると

先生や親がいなくても子どもたち同士で

どんどん関わり合うようになります。


じーっと話を聞いていると、

中には驚いてしまうくらいの

言葉が飛び交うことがあります。


「お前!」「うるせー!」

「ばーか!」「はやくしろよ!』」

「やばっ」「○○じゃねー?」


お姉ちゃんやお兄ちゃん、

もしかしたら、親が使っているから

覚えちゃったのかもしれません。



テレビやYouTubeから、流れてくるので

覚えたのかも知れません。



流行語のようなものは、それを使うことで

流行にのって楽しい気分になったり、

勢いのある強い言葉は、

なんだか強くてカッコよく見せることができるので

使いたくなってしまうようです。

”新しい言葉を覚えたからとにかく使ってみたい”

”自分を強く見せて相手を負かしたい”


こんな気持ちが、『悪い言葉』を言ってしまう場面をつくります。




『そんな言葉は、使っちゃいけません!』と何度注意しても

こんな理由から子どもは、そう簡単にはやめないものです。

大人がそんな言葉を聞いた時、

子どもにどう対応したらいいいのでしょうか。



『悪い言葉』を使うことは、できれば避けたいところですが、

この時期に「悪い言葉」を知ることにも大切な意味があります。


特に、【相手を負かしたい、自分を強く見せたい

    相手に嫌な思いをさせてやりたい】

という気持ちで発する言葉の場合、

一瞬の爽快感、すっきり清々した気持ちを感じます。


この感覚を味わったままで、その場を終えてしまうと、

何か相手から非難を受けたり、自分の心がムカムカすると、

この一瞬のいい気持ちを、呼び起こしたくなります。



そして、また、『悪い言葉』を使い、

自分の優越感・清々した気持ちを体験することで

簡単に『悪い言葉』を使うという負のループにはまります。


大人になっても、この負のループから

逃れられずにいる人もいます。

言葉は不思議なもので、

赤ちゃんでも、耳に入ってくる言葉が

いい気持ちになる言葉か、

悪い気持ちになる言葉か感じられるくらいの

エネルギーを持っています。




言葉には、昔から言霊ともいわれるくらい

人の感情に影響する不思議な力を持っていると思います。


悪い言葉を使った後、その言葉は相手に向けたものであっても、

使った本人もそれ以上に影響を受けます。


『なんか言っている自分がいやな気持ちになる』

『言った自分が悪い人間に思える』

『言えば言うほど、自分が孤独に感じる』


こんな風に感じられるようになっているのです。

自分が嫌いになってくるのです。



発達の特性で、相手の気持ちの理解が苦手な場合があります。

そのような場合、実は自分の感情にも

上手に気がつくことができていない場合があります。





何か、不利益な場面があったとき、

反射的に自分を守る行動から、

覚えたカッコイイ、強そうな言葉を使って

相手より優位に立とうとばかりしてしまうこともあります。



これが、先にお伝えした負のループのはじまりです。

コミュニケーション上、問題となるのは当然ですが、


何より、怖いのは、そのあとの、

言葉による、いやな気持ち、自己嫌悪の刷り込みが

どんどん積み重なっていくことなのです。

育児では、絶対に避けないといけない二次障害です。



『悪い言葉は使うんじゃありません!』

『友だちがいやなことは言わないの!』と叱るだけでは

効果はありません。

今日のアドバイス

『悪い言葉』から受ける自分の感情に気づかせる



子どもが相手にむかつく、苛立った時に、

『悪い言葉』を言った時、(逆に言われた時も同じ)、

あなたは冷静に悲しい顔で子どもに近づきます。

(この少しの時間で、一瞬の清々した気持ちは冷めてきます。)

そして、相手を見るように促し状況を振り返ります。



相手が悲しい顔、さらに怒っている顔があったり、

すでにどこかに行ってしまったかもしれません。



そして『そんなことを言って(言われて)いまどんな気持ち?』

質問してみます。




『イヤな気持ち』なんて

言葉では言えなくても、表情がおどおどしたり、

何か落ち着かない様子だったり

そのあとも、さらに『うるせー!』とか言うかもしれません。

でも、この

今どんな気持ちかを感じる時間を持つことが重要です。



ここまでで終わってしまっても、

無理に答えるまで追及する必要はありません。

質問だけ、投げかけていくだけでOKです。



子どもは心の成長に応じて

徐々に自分で考えられるようになっていくからです。



何度も、繰り返すかもしれませんが、

自分の感情に気がつけるように、

繰り返し練習するしかありません。

”イヤな気持ち”と答えられた子どもであれば。

ちゃんと自分の気持ちが言えたね。ママうれしいよ。』

『あなたがイヤな気持ちになると、ママも悲しいから、

もう、言わないでね』

繰り返し気持ちを聞いて、あなたの気持ちをそのたびに伝えます。



また、子どもが自分の感情を、整理しやすいように

レッテルを張るサポートをします。





『怒って言っちゃったんだね』『むかついたんだね』

『バカにされたんだね』など、

子どもが悪い言葉を発してしまったのか

想像できるなら、感情を言葉に変えて表現してみます。

心のモヤモヤと、言葉を一致させていく作業です。



そして、その感情はみんなが持つものだということも

伝えていきます。



そして、もう少し先が考えられるようになったら、

次は、どんな行動をとれたらいいのか

考えていきます。



これらは、心の年齢に応じて、子どもの理解度によって

すすめていくようにします。


感情と言葉が一致して、

言葉を聞いて、感情が思いだせるようになると、

相手の感情を想像できる助けになります。



『悪い言葉』から受ける経験は

ネガティブな感情を学ぶ機会になります。


ただ、『悪い言葉を使うんじゃありません!』と

叱って教えるのではなく、

その言葉の周囲におこる感情の気づきをサポートすることで、

言葉の大切さがわかってくると思います。



自分の感情を理解できると、

相手の心を想像できるようになります。



そうやって負の感情をコントロールする方法を

少しづつ獲得することで

自然と『悪い言葉』は減っていきます。


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