石鍋てるみです。
古本屋さんで買い物があるというので
一緒に出かけた時のことです。
レジを待つときに、中学生くらいの男の子が
一つ前に並んでいました。
少し脇に位置したところに
お父さんらしい男性が
一緒に立っています。
ただ、一緒にいるだけではなくて
なんか様子がおかしい。
会話を聞いていると
(大声なので聞こえてしまうのですが)
ものすごく怒っている。
「なんで、それを買いに来たのに
他のも持ってんだよ〜!」
「店のカード忘れたのか?!」
「小銭くらいもう出しとけよ!」
中学生は、下を向いてもじもじして
答えようとしていますが
お父さんは聞こうともせずに次々に捲し立てるように
ダメ出ししています。
いざ、レジの順番になると、
その支払いの様子をジーッと
後方からチェックしています。
「早く、金出せよ!」
「モタモタしてないで!」
「並んでいる人に迷惑かけるから、用意しとけっていっただろ!」
聞いているこちらが
気持ちが滅入ってしまいます。
(もはや、迷惑なのはお父さんあなたですけど)
中学生になった子どもが
親が思うようにできないからといって
公然とダメ出しするのはどんなものなんでしょう。
子どもの気持ち、立場になったら
こんなふうに言われたくないはずなのに。
親だから、子どもを思って口出ししてしまう。
人様の迷惑になるようなことはしないように
しっかりと教えたいという気持ちなのでしょうか?
それにしても、これは親の憂さ晴らしとしか
見えませんでした。
買い物に同行され、いちいち指示をされ
自分はダメだと言われ続けているこの子は
一体自分をどう感じているのか?
(早く、この父親を乗り越えて
ギャフンと言わしてやれ!)
過剰に子どもをコントロールしたがる親は
劣等感の塊の中にいます。
そうでもしないと、自分の立場が
維持できないわけです。
弱い立場の人を服従させることで
安心してしまうのでしょう。
そして、何より暇。
子どもの悪いところを見つけるのが趣味なの?って
言いたいくらいの人もいます。
親自身は自分のやるべきことは見つけられず
子どもに期待をかけ執着します。
この矛先を向けられた子どもは
たまったもんじゃありません。
陽気の強い子は、
反抗を表に出します。
陰気が強い子は
反抗を内側に向けます。
自分を守るためにはそうすることが
一番だからです。
ここまでの人でなくても
子どものためだからという理由をつけて
子どもをコントロールしようとする時って
結構多いことだと思います。
子どもの意見をはじめから
失敗すると決めつけて
失敗しないような方法へと
促していこうとすることだったり
どちらを選んでも、親の思い通りになるように
選択肢をコントロールしていたり。
その場は、無難にことが済んでいくように見えても
子どもにはその親の気持ちの裏側が
感じ取れているものです。
こうしておけば、親は喜ぶだろう。
こっちを選んだ方が、褒められるんだろう。
(本当はやりたくないけど)
こんなふうに、本当の自分の気持ちに嘘をつく習慣が続くと
自分というものがわからなくなるし、
嘘つきの自分のことを好きになるはずもありません。
親から見たら、不器用で
見ていられないことであっても
子どもが自分に正直にやってみる経験を
奪ってはいけません。
子どもに「こうしなさい」って
もしも、言っている自分に気がついたら
その時に言わないことを意識して言葉を飲み込みましょう。
あなたが変われば、子どもは自分で考えて
やろうとする力を持っています。
コントロールしなくても
子どもは自分で自分をコントロールできる存在です。
信じてあげましょう。
明日は成人の日。
自分で自分をコントロールできる力を備えてこそ
成人と言えると思います。
親の意見に振り回されてばかりの子どもは
ただ歳を重ねただけ。
ちゃんと成人になれるように
育児をしていきたいものです。