シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
楽しいクリスマスも終わり、
子どもたちも冬休みに入りましたね。
持ち帰ってくる工作や、たくさんのプリント
机周りや、リビングに
体操着や靴下も散らばっていて、
ごちゃごちゃしているなんてことはありませんか?
どれが、今使っているものなのか、
大事なものはどれなのか、親もすぐに判断できない。
この頃、探し物が増えている。
そんな様子がみられていたら
子どもの頭の中も、散らかったお部屋と同じような
ごちゃごちゃの状態です。
私たち大人もそうですが、
住んでいる環境の状態は、
脳の中、心の中を表しているといわれます。
心がソワソワ落ち着かなかったり、
面倒くさいような、モヤモヤした心の状態では、
いつも使っている机の上だけでも
片付かなくなっています。
特に、発達の課題がある子どもは
どこにしまったか、覚えておくことが苦手。
すぐに忘れてしまったり
探していたものを見つけている間に、
興味があるものが目に入ると、そっちの方が気になって、
違うことに手を付けてしまう始末。
目に飛び込んでくるものが多ければ多いほど
集中力が途切れて、心が落ち着かない状態になります。
せっかくきれいに、引き出しの中にしまったとしても、
取り出すのも苦労するようでは
すぐにやりたいことに取り組めずにやる気もダウンしてしまいます。
子どもの過ごす環境を整えることで、
子どもの脳の中もすっきり整えることができます。
つまり、脳を整える方法。それは、掃除です。
あなたにも、実体験があるはずです。
足元の床を、雑巾で拭いただけでも、
何だか、心まですっきりした感じになりませんか?
これは、床についた汚れがとれると同時に、
そこにある、重い空気感も取り除けるから
すっきり感を感じることができるのです。
また、自分の好きなものに囲まれて、
汚いものや、不要なものが目に触れない
すっきりした空間は、心がさわやかになります。
子どもは特に感覚が敏感です。
部屋が物でごちゃごちゃしている室内の空気感は
どんよりと、暗く、重い感覚を受けます。
子どもと一緒に、この冬休みのスタートを
掃除からはじめませんか?
子どもは思うように動かないし、そもそもやりたがらない。
きちんとできてないから、結局やり直して2度手間。
教えながらやるのも、面倒。かえって、時間がかかる。
忙しい年末ですから、そんな声もあるでしょう。
でも、掃除には発達を促すための支援がたくさん含まれています。
ただで、支援が受けられて、しかも楽しく、
すっきり脳になれるなんてやらないのはもったいない。
子どもの脳をすっきり整えて気分よくするために
ちょっと頑張ってみませんか?
さっそく、効果があった方法をお伝えしますので、
興味があったらチャレンジしてみてくださいね。
1 汚れた状態の写真を撮る。目的を共有する。
今の状態のどこを改善したいのか、どうしてそれをしたいのか。
子どもに伝えていきます。
そして、お母さんと一緒に手伝ってほしいことをお願いします。
(命令ではありません。あくまでも本人の気持ちが大事です。)
写真は、掃除した結果を目で見て比べられるように残しておきます。
片づけが数日かかる場合でも、
その日に終わったところまでを写真に残します。
子どもが自分で掃除できたことを、客観視できることで
達成感が得られます。
2 子どもの興味のある所からはじめる。
子どもが好きなところから始めてみると効果的です。
車が好きな子は、おうちの車や、ミニカーのあるところなど
興味のあるところをきっかけにすすめてみます。
だんだんと、子どもが一番いる時間の長い場所に移ります。
子どもの大事なおもちゃ、本、洋服
他の部屋や、押し入れや引き出しの中からも
子どもの使っているものは全部一つのところに集めます。
3 カテゴリー別に分ける
一緒に、物の区別や、名前など振り分けていくと
意外にも、お母さんが当然知っていると思っていた
ものの名前や区分けができていないことを発見することがあります。
以前こんなことがありました。
ホッチキスをいつも使っている子どもに、
『ホッチキス持ってきてくれる?』とお願いしたところ
それがどれなのか、わからない子どもがいました。
『こうやって、カシャッて留めるやつだよ』といったら
今度はわかって持ってきてくれました。
わかっているだろうと、思いこんでいた私としては
反省させられた経験でした。
子どもによっては、
書くもの、切るもの、かぶるもの、貼るものというような
カテゴリーで分けるのも結構難しかったりします。
親が子どもの理解度を知ることにもつながります。
4 子どもにとって必要なものを子どもが選ぶ
子どものいるもの、いらないもの
使うもの、使わないものなどを選んでいく作業です。
明らかにいらないものは処分します。
ここで注意点があります。
子どもがいらないと判断したもののなかに、
今は、いらないけど、学校が始まったらいるものなど、
時間の見通しが苦手な子どもの場合、
それが、この先使うことになるものがあったりします。
そんな時は、そっと仮置きの箱にしまっておくようにします。
子どもの判断を否定はしません。
使う必要が出た時に、この時の判断のミスに本人が
気がつけるようにするためです。
もう一つの注意点は、
子どもがいらないものは、いらないものと親が割り切ること。
大事な人にいただいたものだから、けっこう高価だったからなんて
処分するのに親の方が勇気がいるものがあったりします。
でも、子どもが選ばないもの、必要がないものは
すでに、用済みで、使われることはないですし、
あっても、子どもにとって心が喜ぶものではないのです。
思い切って処分します。
この、【いる】【いらない】を決める練習は、
決断力、思考力を鍛える練習になります。
自分で決めるという、心の根っこを作ります。
5 置き場所を決める
子どもが取り出しやすく、しまいやすい状態で
物の位置を決めます。
よく使うものは、子供の目の高さの
上下20㎝範囲くらいにあると便利です。
また、視界にたくさんの情報が入らないように工夫します。
オープンラックに飾るようにおもちゃなど配置しても、
使わない時は、シンプルな布のカーテンや、
ロールスクリーンなどで見えないようにできるといいです。
6 飽きてしまったら無理強いしない。
集中が続かない、
最後までやってほしいけど達成できてないなんて
少し、イライラしてしまうこともあるでしょう。
でも、焦ってはいけません。全部終わらないのが当たり前。
少しづつ、すすめる覚悟で、最後のすっきりした部屋をイメージして
子どもと取り組んでいきます。
『今日はここまでできて、すっきりしたね。』
『きれいになって、おかあさんうれしいな。』
『ありがとうね。また手伝ってね。』
こんな声かけが、子どものやる気もアップさせ、
肯定感を上げていきます。
7 【汚れを見つけて拭く】を、やってもらう
汚れを見つけて、拭く作業は手と目の協調運動になります。
この【見ること】(視覚)、【手を動かすこと】(運動)という
脳の2か所の部分を同時に使う作業は、
発達に課題がある子どもが苦手な部分ですから、
脳のネットワークつくりに重要な刺激になります。
ぞうきんを絞ったり、ガラス磨きなどを
経験する中で、とてもいいトレーニングになります。
きれいになったところを自慢してきたら、
おおげさに、たくさんほめてあげてください。
8 最後は褒めて終わらせる。
そして、できたこと、頑張ったことを一緒に喜ぶ
ここまで頑張っても、最後に泣かせて終わりなんてことになったら
掃除は嫌なもの、苦痛なものというものになってしまいます。
きれいな状態を維持するためにも、そうはさせたくないですよね。
そこで、最初に撮った、汚れてた時の写真と、
きれいになった後の写真を比べてみます。
その場のすっきりした空気感も、一緒に感じます。
子どもの方が、きっと良い気分を実感していることでしょう。
一度、この感覚を体験して、繰り返すことで、
きれいな空間が、脳も心もすっきりすることを知ることができます。
成長したときに、自分から掃除ができる子どもになって、
脳を整える心地よさをコントロールできるようになることで、
日常生活が落ち着いて過ごすことができます。
乳幼児期では、教えるのも大変かもしれないですが、
お部屋の空気感の違いだけでも体感する経験は
ぜひ一緒に体験してほしいと思います。
2020年の不要なものは処分して、
新しい気持ちで2121年を過ごしませんか?