シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
私の知り合いが働いている
お店でのことです。
スタッフが一人、精神的な病で欠勤となり、
その分のシフトのしわ寄せが、
残った彼女たちにくるため、
勤務時間が延長されたり、
休みがとれないと
困っているということでした。
彼女に、そのスタッフがそうなった理由の
心当たりを聞いてみました。
すると、店舗での売り上げ成績を
個人別に毎月張り出され、
売り上げが低いと
店長が、みんなの前で励ましたり
(ダメ出し?)するそうで、
そのスタッフは、
今年入社した新人に負けて
しまっているのだそうです。
たぶんそのことで、
先輩としての自信を失ったり
思うように売り上げが上がらない事に
悩んでいるのだろうとのことでした。
私が、若いころは、
こんな話はよくあったものです。
仲間同士、競い合って
その組織の成績を上げていく方法です。
でも、その時代は、
成果をあげることで報酬がアップしたり、
役職を与えられたり
モチベーションをあげる何かを得ることが
支えとなって頑張れていたのかもしれません。
でも、今は報酬も上がることは期待できないし
仕事に打ち込んで成果をあげるよりも、
自分にとって大切な物が他にある人が多い時代。
数字で、他人と自分を比較されることに
意味を見出せないのだと思います。
高学歴であれば、高収入であれば
幸せな人生を送れるといった
時代は終わっています。
子どもの世界も同じです。
テストで高得点をとること、
偏差値をあげることを
他人と比較して、一喜一憂することに
意味を感じられない時代になっています。
学校の成績だけで、比較されることに
違和感を感じる子どもが
苦痛を感じています。
(まだまだ教育現場は
この古いやり方を捨てきれませんから。)
学校に行けない、適応できないのは、
そんな心に感じる違和感が、
不安を強くさせて起こっている現象でしょう。
彼女の職場では、先に関わったお客様に
他のスタッフが声をかけることは
禁止されているようです。
売上成績に関わることなので、
横取りするようなことは
するなということでしょうか?
そんなことより、
組織全体での売り上げアップに、
スタッフ全員が協力しあうこと、
苦手なところは得意な人が手伝ってあげたり、
どのスタッフもすすんで、
お客様に気持ちの良い接待を行える
自由な空気の中で楽しく仕事した方が、
結果はよくなるのではと感じるのですが・・・。
少なくとも、この数年働いたキャリアのあるスタッフの
心をくじくことなく、欠勤するような事態は
避けられると思います。
子どもの世界でも、
わからなければ、わかる子にきくことができ、
わかる子も、気持ちよく教えてあげるというような
関係づくりをもっと意識していくべきだと思います。
人のために、自分の力を分け合う経験することで
きっと、自分自身の成長を感じられると思います。
『人に頼らず、自分の力でやりなさい』といった
寂しい教育はやめてほしいものです。
自分ができることを、シェアしていく心、
目的に向かって協力し合う心が
今からの時代は特に求められてくると思います。
子どもにも、自分だけが得をする、
成果を上げる、ということを教えるよりも、
自分ができることを周りに与えることを
教えていきたいと思います。
『他人と比べるのではなく、
自分の成長を、自分自身で比べることができる』
そんな人を育てていきたいと思うのです。