シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
あなたは、子どもの頃
喧嘩をしたことはありますか？
私には四つ離れた妹がいるのですが、
小さい頃は取っ組み合いの喧嘩を
したことを覚えています。
あの時、親は何してたのかな？
最後にどちらかが泣くまでとか、
降参するまでは、
喧嘩をやめなかったと記憶してます。
だから、とことん二人が納得するまでは
喧嘩していたんだと思います。
時には、『もういい加減やめなさい！』って
注意を受けたことがあっても、
それは稀で、ほっとかれていた気がします。
だからと言って、いつまでも
仲が悪いわけではなくて、
すぐに、また遊び始めるわけで
後腐れがない単純な喧嘩でした。
先日、大学の児童心理の講師をしている方と
お話をしたのですが、
大学生で友人といざこざがあって
仲直りできないから
仲介してほしいということが
よくあるというお話をしていました。
どうやって、仲直りしていいのか
わからないというのです。
何かやってしまっても、
謝ればいいと思っていて、
でも、謝ったはずなのに、
なぜか、相手は不機嫌で
許してくれない。
どうしたらいいのか先生教えてください、
なんとかしてくださいという
大学生が生まれてしまう。
ちょっと困ってしまいます。
小さい頃から、みんなと仲良くすることが
よしとされてきて、
保育園などでも
ちょっとでも、喧嘩になりそうだと
大人が阻止してしまったり、
怪我を避けて、取っ組み合いの
喧嘩もさせない状況になってしまいました。
相手を泣かしてしまったら、
ごめんなさいって言いなさい』
『暴力はいけません、お口で言いましょう』
そんなふうに指導することも
当たり前になっています。
でも、まず大事なのは、
自分の感情に気がつくこと。
それを安心して表現できること。
その次に、相手が自分だったらって
置き換えて感情を想像できること。
そしてやっと、謝ろう、
ごめんねって言って許してもらいたい
自分も許してあげようなど
考えられるようになってくるのです。
謝ることができても
心が育っていなければ、
形だけの言葉になってしまいます。
本当に悔しい思いや、
やっつけてやりたい感情などを
経験する機会は無くなりました。
人に傷つけられる経験、
人を傷つけてしまった経験を
する機会がなくなって
一見平和な子ども社会に見えますが、
大事な心の学びが失われていると
思っています。
悔しくて、思い切り泣きたくても
泣くと怒られたり、
そのことで、大人が大騒ぎするので
陰でしくしく泣くような子もいます。
大人に、
『どうしたの？何があったの？
言ってごらん。
その子に注意してあげるから。』
そんな声かけを待って、わざと
大人の気を引こうとする子もいます。
大人が子どもの喧嘩に関わることで、
本当に子ども自身が解決できるはずの
成長の芽をとってしまうことになります。
大人に依存したり、自分を押し殺して
周りの人に迎合することを覚えたり
自分の軸がなくなってしまいます。
後腐れがない、喧嘩ができるのは
乳幼児期でしか経験できません。
思い切りその時の感情を心に刻むことで
相手への思いやりや、
本当にやってはいけないことを
実感していくと思います。
大きな怪我が予測できるような
場面では、適切なアドバイスは
必要だと思いますが、
子ども同士のいざこざ、喧嘩、
取っ組み合いは、当事者が納得し解決するまでは
見守ってあげるべきだと思っています。
悔しさ、憎しみ、無力感、
そういったネガティブな感情も
じっくりと味わうことも心の育ちには重要です。
子どもには、解決の力があります。
子どもの力を信じて、
自分で立ち直ったり、
気持ちを切り替えたりできる
強い心を育てていきたいと思います。
