シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
先日、YouTubeで見かけた動画に
ちょっと、困ったなと感じるものがありました。
ご自分のお子さんの成長を
発信している動画って今の時代
多いですよね。
でも、時々これが当たり前になったら
怖いな。困ったなというものを時々見かけるんですね。
その一つの例をシェアしようと思います。
[子どもにYouTubeキッズを見せたら
どのくらい泣かずにいられるか]
機嫌が悪かった赤ちゃんに
動画を見せることで泣き止む様子や、
泣き止んで見ていられる時間を検証しています。
やっとお座りできるくらいの赤ちゃん。
ママがお座りさせて、視聴開始。
途中で寝転がったり、姿勢が崩れてくると
また座らせたり、クッションに寄りかからせたりして
ずっと、youtubeを流して見せるわけです。
かなり、姿勢の崩れもあるし、
体幹が弱い様子もあります。
泣かないどころか、じっと画面を見続けて
動きません。
結果この状態が30分以上続きました。
『育児の助っ人として
YouTubeキッズおすすめ』っていう
まとめでした。
子どもの発達を学んでいる人が見たら
本当に怖い状態が繰り広げられてました。
視覚的な情報ばかりが入って、
脳にはこの刺激が強化されている状態です。
赤ちゃんが、発信する感情も弱く
情報の受け身の状態が続きます。
しかも、観てる間、身体の動きがない。
頭の中だけで処理できる感覚ばかり育ち、
身体の感覚をうけない状態です。
おそらく、7、8ヶ月くらいの子でしょうが、
この先の発達はかなり先行き困難さが出てくると
想像できます。
運動面、言語面、感情コントロール、
コミュニケーション全てが未熟になることが
想像できてしまいます。
今の状況でも、腹ばいで長時間居られない、
腹筋が弱い、手足の動きが不自然など
ちょっとみても、わかるくらい発達の遅れ
非定型な進みが目立っています。
今からでも、この動画を見せることは
やめてほしいと思っています。
赤ちゃんは、本来は自分であちこちに刺激を求め
動き回るのが普通の姿です。
いろんなものに好奇心を持って
探索に行く時期があるのが
通常の発達過程では起きてあたり前。
自分の身体の動きの限界を感じたり、
危険だと感じたり、気持ちいいと感じたり
それを確認する行動が、
子どもはじっとしていないと言われる状態です。
子どもは、大人と違って
自分のエネルギーをコントロールすることが
できません。
先の見通しを持って、こうやると夕方疲れちゃうから
このくらいにしておこうなんて考えずに
今やりたいことに没頭し、
最大限までエネルギーを使おうとします。
こんな子は
外遊びから帰ってきたら
いきなりこてんって倒れ込んで
寝てしまうなんていう姿も
あるくらいです。
赤ちゃんが、じっと動かずに
いられる環境を作ることは
絶対にしてはダメです。
子どもが自由に動き回れるように
環境を整えること。
シンプルな育児の基本です。
この環境の中で赤ちゃんを
生活させることは
静かな虐待だと思います。
管理しやすいために、
本来の育ちを妨害してしまう行為です。
子どものためを思うのなら、
子どもを大人しくいい子に育てようと
しないでほしいと思います。
乳幼児期は、手もかかるし
目が離せないし、
大人はゆっくり自分のことなんて
やっている暇がないくらいだと思います。
大変な時期だというのも
よくわかります。
でも、ここをYouTubeに
任せてしまうことで、
親の労力をかけることから
回避する方法を選んでしまうと
その先、育児で大きな壁がくることを
覚悟しないといけません。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、
親の手抜きは子どもに必ず伝わっています。
親がこの時期に子どもとの関わりを
怠ってしまうことで、
子どもも、親をそのように扱うようになります。
期待しない、信頼しないというように・・・。
泣いて要求を伝えようとすること
悪戯ばかりすること、
そんな困ったと思えることの一つ一つが
子どもの発達を育んで、親との信頼を育みます。
きちんと親に受け止めてもらえるとわかれば
むやみやたらに泣いて表現することも
少なくなってきます。
泣き止ませたいなら、
YouTubeを見せて注意を逸らせるのではなくて
しっかりそれを受け止めてあげることが
解決には早いですし、必要なサポートです。
子どもに動画を見せて、機嫌を取らないこと。
親が子どもの機嫌を直せる自分になることが
乳幼児期の育児には大事です。
それでも、楽な方を選んでしまうかどうかは
あなたしか決められないことです。
子どものために、ここを頑張れるかどうかは
あなた次第です。