シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
緊急事態宣言について、31日までの期限を
6月20日まで延長する方針を固めたと
ニュースがありましたね。
今日の午後、政府対策本部で
決定されるようですが、
多くのことで、
予定の変更をせざるを得ない状況が
繰り返されています。
やろうと思っていた予定が崩される、
行く末がどうなるのかわからない、
こんなことで、大人まで気持ちが
不安定になっています。
子どもが、予定通りにいかない時、
思い通りにいかない時
強い癇癪を起こすことがあります。
きっと、
今の大人が感じている感覚と同様のものが、
強く表面化している状態だと思います。
特にASDの傾向を持つ子どもはその特性から、
些細な日常の変化で過度な不安に襲われてしまったり
パニック状態になってしまったりする場合があります。
変更の大小に関わらず強い不安感に襲われてしまうのです。
「いつも、保育園に行く道が、工事中で通れなかった」
「ブランコに乗ろうとしたのに、他の子が使っていた」
「遠足の予定だったのに台風で中止になった」など、
予定していたものが突然変更されてしまうことって
必ずありますよね。
普通の子どもは、時間をある程度要したとしても、
どこかで「まぁ、しかたないか」と受け入れ、
気分を切り替えることができます。
でも、ASDの子どもは、これがなかなか上手くいきません。
周囲の状況を構わず、パニック状況が続いてしまい、
集団に支障を起こしてしまうほどになってしまうのです。
外から見たら大したことがなくても、
本人の頭の中は真っ白でパニック状態になっています。
「ちがう道でも行けるから大丈夫だよ」
「次の順番まで、待てば乗れるよ」
「明日は行けるから、大丈夫だよ」など声をかけても、
一度起きた癇癪はなかなかおさまりません。
こんな時、本人は大きな挫折感、
不安感というネガティブな感情が
一気に心に沸き起こって
自分で整理がつかない状況なのです。
そんな最中は、人の言葉は受け入れる余裕がないのです。
自分の予定通りに行いたいという気持ちが強すぎる。
準備をしていた通りでないと、
すぐに他の方法が探せず混乱している。
変更した内容が失敗するのではないかという不安感が強い。
人の指示、新しい情報が、たくさんあってわからない。
まさに、コロナ禍の今の社会の中で
混乱している私たちと同じ状況と似ていませんか?
通常は、物事を俯瞰したり、
代替となる方法を見つけ出す力があったり、
次のアクションを不安がありながらも
チャレンジする勇気を持っているので
自分の精神状態のバランスを調整することができます。
ただ、自分に心の余裕がなくなったり、
自分にだけ執着する考えに縛られてしまうと、
感情は自分本位に、暴走してしまいます。
心に余裕、余白をなるべく多く持っていくことが、
感情コントロールには重要です。
今日のアドバイス
心の余白つくりを意識して行動する
ASDの子は、変更された内容がイメージしにくく,
それが記 憶に留まりにくい状況があります。
「何が起こるんだろう」
「この先どうなっていくんだろう」と
常に不安を持 っていて
落ち着かなくなっていることがあります。
少しでも、心に余裕を持ってもらえるには
どのように配慮したらいいでしょうか。
行動1
一日の予定、物事の段取りを可視化する。
毎日の予定一日のスケジュールは、
子どもが分かるイラストや写真などを使って、
目に見えるところへ掲示します。
子どもがそこを見れば、思い出すことができ、
目から情報を入れることで、耳で聞き流すよりも
理解しやすくなります。
ずっと、覚えておく必要がないので、
脳のワーキングメモリーに余裕を持たせることができます。
少し大きくなったら、
今日の予定を一緒に考えて作ったりしてみます。
行動2
子ども自身がやるべきこと、必要なことに時間を使う。
過剰な情報は、心の余裕を奪います。
物音、室内の装飾、過剰な品物、急な指示出しなど、
子どもに受け取れる情報量はできるだけ減らしましょう。
また、本当に子どもが、今自分でやる必要があることに
集中して取り組める環境を整えます。
着替えをしている途中に、
「○○ちゃん、来るときコップ持ってきて!」と
思い立った幼児を頼んだり、
「着替えたら、お散歩に行くからね」と伝えたり、
一見見通しをつけられるように配慮しているつもりでも、
子どものリズムには早すぎる指示だったりします。
乳幼児期の脳は、未熟ですが、敏感です。
小さな刺激でも、それをじっくりと五感で味わいながら
育つ時期です。
その場で、子どもが今取り組んでいることや、
他の人が変わってあげられない事を優先して、
時間を使います。
静かな、安心できるシンプルな環境の中で、
自分を楽しむ時間をつくることで、
心に余裕が生れます。
行動3
急な変更、トラブル時の準備・予習をしておく。
もしも、外出する予定がある場合、
外出の内容や、子どもの年齢、忍耐力
記憶力などによって、
予定を伝えるタイミングを調整します。
2.3日前から、伝えても我慢できる子なのか、
行けるとなったその日に話した方がいいのか、
前日の夕方くらいに話したほうがいいのか、
その都度伝えるタイミングに意識しながら、
調整します。
予定が変更になる可能性が想定される場合は、
事前にどのように予定が変わる可能性があるか
変更になった場合は、どうするのか
行動をしっかり伝えておきます。
それでも、子どもの興味の強さの違いで、
癇癪を起こしてしまうこともありますが、
多少の変更は、受け入れてもらいやすくなります。
少し、大きくなってきたら、もし、こんなことがあったら
どうするのかを一緒に考えて決めるということも
練習していきます。
転んで、けがをしたときはどうするのか。
困ったときは、だれに伝えればいいのか。
伝える方法はどうするのか。・・・
子どもが、一人になったときに起こりうるケースで、
一緒に対応方法を増やしていくことで、
いざというときに、
不安で心がいっぱいになってしまうことが減らせます。
今回は、ASDの子どもへの配慮を中心に、
いくつか挙げてみましたが、
自分の感情のコントロールを上手にするために、
心に余裕をつくることは、
すべての人に共通する大事なスキルだと思います。
自分の機嫌は、自分でとること。
人間関係、コミュニケーションの基本だと思います。
自分の心に余白を作っておくことで、
急なトラブルが、入ってきても
冷静に処理することができるようになります。
毎日、自分の心に余裕を与える事、
やさしくすることを意識して行動することで、
つくることができると思います。
今こそ、大人にも大事な事だと思います。