シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
保育園への親御さんからの意見の中で、
外遊びをもっとたくさん取り入れてほしいといった
希望をいただくことがあります。
ある研究では子どもを持つ親にアンケート調査が行われており、
85%の母親が
「自分が子どもの頃よりも自身の子どもが外で遊ぶ時間は短くなっている」と
回答したそうです。
今のお母さんの年代は、私よりもずっと若い世代ですから、
その方たちが、このような意見を持っているということは、
私の子どものころに比べたら、さらに、子どもの遊び時間は
減少していると考えてもいいのかもしれません。
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都市化や少子化が進むことで、子どもの遊ぶ場所や遊ぶ仲間、
遊ぶ時間は年々減少しています。
また、この研究では、
安全上の理由から子どもを屋外で遊ばせないようにしているという
母親も多くいるという結果もあって、
交通事故や犯罪を心配する親が増加しているという背景も、
子どもの外遊びを減少させているのでしょう。
確かに、幼児教育の場で子どもの遊び場を補償してあげないと
一日の中で子どもが『思い切り遊ぶ』という時間は
無くなってしまっている気がします。
そんな、幼児教育の現場をみてみると、
子どもが本当の意味で遊べているか、疑問が湧いてきます。
決められたカリキュラムで一日が構成されているところも多く、
習い事のような活動や、製作の時間、歌の時間、
自由遊びの時間など一日の流れが設定されている施設が多いです。
遊ぶ場所も、クラスや、年齢ごとにどこで遊ぶのか決められていたり
散歩は、曜日が決められているなんていうところもあります。
集団で過ごす場所ですから、ある程度の制限は出てくると思いますが、
この状況を当たり前と思うのか、そうでないと思うのかで、
子どもへの遊びに対する関わりは大きく変わってきます。
子どもの遊びを、大人がコントロールしようとすることが、
すでに子どもにとって本来の『遊び』ではないと思います。
子どもにとっての遊びは、もっと、自由で、利害関係がないものでしょう。
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そこには、「静かに』「安全に」「仲良く」「上手に」というような
目的はそもそもなく、
ただ、楽しいからやっているというようなものだと思います。
今日のアドバイス
子どもの遊びの時間を干渉しない。邪魔しない。
子どもたちに何をやっているときが、
『楽しい?』『幸せ?』と聞くと
「遊んでいるとき!」という答えが圧倒的に多く返ってきます。
あなたも、子どもの頃、友だちと遊んだ時間や、
好きな事に夢中になった時間をよく覚えている、幸せだったと
思い出すのではないでしょうか?
生まれてきて、ただ自分の思いのままに
やりたいことに夢中になる時間を可能な限り多く経験できることが、
幸福感を実感できる方法だと思います。
子どもは、遊びの中でたくさんの学びを得るといわれています。
例えをあげてみても、
心身共に成長すること、社会のルールを知ること、
制限や平等を知ること、自分の行動をコントロールできることを知ること
自分自身を知ること、問題解決思考を養うこと、
喜び、悔しさ、恐怖などたくさんの感情を体験することなど
遊びを通して得られることは、数え切れません。
けれども、そのために、遊ばせるのではないはずです。
子どもを干渉せず、開放し見守っていれば、
じゃれあう子犬のように、遊び始めるはずです。
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親からみたら乱暴に見える、はしゃぎあいでも、
そこには子どもなりのルールや手加減が発生していたり、
問題をそれなりに解決しようとしたり、
競争したりたくさんの学びあいが起こっていることに気がつきます。
子どもたちだけの遊びの世界を大切に見守ってあげたいと思います。