石鍋てるみです。
いま、介護を苦に、
家族を殺害する事件が相次いでいます。
昨日は2022年、東京都内の自宅で、
寝たきりの状態だった92歳の母親を殺害した
罪に問われている男の裁判で
被告人質問が行われました。
被告人の介護の様子や
母親とのやりとり
経済困窮の様子などが
質問の回答から伺えます。
どんな理由があっても
殺人は犯罪です。
子供を犯罪者にしてしまうという
決断を母親がするものかと
考えてしまいますが
認知症も進んでいる状態では
良い判断ができるとは思えません。
介護者も、自分が仕事を辞めれば
生活が成り立たなくなるということは
考えられるはずですが
母親を思うが故に
一番大事なことはなんなのかの
見えなくなっていたのかもしれません。
要介護５ということで
実際は、介護サービスは
入っていたようですが
家族全体の生活問題まで
把握できた支援が行き届いていたのかは
疑問です。
もっと、誰かに相談していれば
状況は変わったかもという意見がありますが
実際に支援に関わっていた事業者はいますし
生活保護者も受けていたわけですから
ケアマネージャーや行政は関わっていたはずです。
どこか、仕組みの中で
欠点があるのではないかと思います。
申請しなければ、助けてと声をあげなければ
支援されないというのも
介護だけではなく、
どこにでもある課題です。
いろんな手当金なども
手続きしなければもらえないものが多いです。
情報を知らないとか
手続きに行けないとか
そのような人の中に
本当の支援が必要な人がいるものです。
高齢者の中には
介護認定を受ければ支援に
区分される人もいますが
自分が対象になっていることさえ知らずに
不自由な体で頑張って
生活している人もいます。
今回のケースで、
どのような判決になるのか
気になりますが、
同じような背景の家族って
たくさんあると思います。
これから、老老介護の問題も
ますます加速して起こってくるでしょう。
介護できる人も減ってきます。
単純に若い人が減るというだけでなく
介護することに耐えられる人材が
減るということです。
介護は育児よりも大変だと
個人的には思います。
育児は、先が見えます。
10年も経てば、10歳になって
徐々に楽になってくるという目安があります。
でも、介護は終わりが見えません。
介護する者にとっては
自分の嫌な部分も見せつけられ
心身ともに多くの忍耐力が必要です。
そして、仕事や経済的な負担、
自分の生き方にも大きく影響があります。
介護問題も家族だけで抱えるには
荷が重過ぎます。
早急に社会全体で支える仕組みを
整えてほしいです。
