コミナスブログ 子どもの発育と発達

10歳までの運動経験が大事

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シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。



12月に入って益々寒さが増してきました。

新型コロナウイルス感染も広がりを見せていて、

外出することを控えているお母さんも多いことと思います。



いつもなら寒さに負けず外に出かけて

公園で走り回ったりできる子どもたちも

家の中で過ごすことが増え、運動不足になりがちです。





乳幼児期に運動不足になることは、

大人が運動不足になることと比較できないほど

大切な問題を含んでいます。



人間の神経細胞は成熟が早く

生後1年目から一定の機能は出来上がっています。



脳の神経細胞の数は、大人と同じと言われています。

けれど、その神経細胞同士は未だつながりあっていません。



ニューロンという樹状突起が伸びて、

シナプスという接続点をつくりながら

脳は発達していきます。



こうやって脳の神経回路が発達するのは10歳ごろまでで、

3歳までがもっとも発達していきます。



運動の神経回路も同様です。

この時期 (特に3歳までは)、

5感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)をたくさん使う体験を積むこと

つまり、運動することで脳は健康に育っていきます。





この大切な運動が不足してしまうことは

運動の神経回路が作られないことにもつながり

大人よりも重要期間だという意味があるのです。



お家の中で動画を見たり、知育アプリなどで

時間を過ごしてしまいがちですが、

そこで受ける刺激は、受動的で、使われる回路は一緒のルートです。





神経回路は使われない部分は切り捨てられていきます。

つまり、数がどんどん減っていくわけです。




いろんな回路を使っていく経験は、どんな子どもにも不可欠なのです。

とくに発達に偏りがあったり、遅れがある場合

運動面に課題があることが多くみられます。



じっとしていられない。

座って姿勢を保つことができない。

これらの状況は衝動性が高いといったことも原因とされますが、

実は運動機能が生まれつき未熟、個性的という原因があります。




生まれつき、筋肉の緊張性が低いお子さん。

赤ちゃんの頃から、身体の芯に力が入らず

抱きあげても、だらんとぶら下がるような体勢だったり

バランスが崩れると、寝転がってしまうなどが見られます。




機能的な未熟さがあるお子さんもいます。

その表れとして、

ハイハイをしない。身体の使い方がぎこちない。

触られるのを嫌がる。

自分の身体の感覚が、わかりにくく、予想がつかないため酷く怖がる。

見えていない部分の手足の位置などが把握しにくい。

高さを感じにくく、意識せず高いところから飛び降りようとする。

どこか動いていないと姿勢を保ちにくいなどがあります。


このように運動面の課題には様々な原因が考えられます。




幼児期以降になると縄跳びができない、スキップができない

球技が苦手など、より複雑な運動をする場面で

苦手な部分が浮き彫りになってきます。


この時期に出来ないことを無理に練習させることで

苦手意識が高まり、

運動嫌いになってしまうお子さんがいます。





そうなると、運動することで受けられる刺激を

減らしてしまうことにつながってしまい、

ますます、運動面での育ちが遅れてしまうという悪循環に陥ります。



そもそも、子どもは身体を動かすことが大好きです。

自由に身体を動かす楽しさがあれば、

自然とその子が持っている運動神経回路を増やしていくことはできます。


楽しんで、遊びながら

身体をいっぱい使える環境をつくってみましょう。



お家の中でもできることがあります。

いくつか例を挙げてみますね。



1 片足でどのくらい長く立っていられるか競争。

前の日より長くできたか、時間を計って自分の記録と競争してみるのも

楽しいです。目を瞑ってやってみたり、

足を反対にしてみたりアレンジもできます。



2 薄い紙を上から落として、キャッチする。

大きめの薄紙(ティッシュなど)からはじめて、

だんだん紙を小さくしても楽しいですね。



3 お盆でリレー。

お盆の上に物を載せて、落とさないように運びます。

載せるものを転がりやすいものにしたり、

お盆をお玉にしたり、アレンジしてもいいですね。




こんな風に、おうちの中でも工夫次第で

身体の機能を高める運動はたくさんあります。

子どもがやりたいと思う気持ちが大事なので、

楽しめる範囲でやってみてください。





これからの時期は、大掃除をゲームにしてもいいですね。

雑巾がけや、窓ガラスを拭くなどは全身運動です。





お母さんと一緒にやると、お母さんのダイエットにもなるし

一石二鳥かもしれません。


大きく身体を使う運動が育っていくことが、

その先の発達の手の器用さにつながります。




就学前のお子さんで

箸が上手く使えない、えんぴつが使えないというお悩みを

相談されることがありますが、

子どもの育ちには順番があります。



自分の身体が上手くコントロールできないと、

手先の器用さにはつながっていきません。


まず、じっくりと基本の部分を育てていくことを

おすすめします。



子どもに合わせた方法をゴールに持つことも視野に入れて

子どもが “自分できた”

を体験できるようにサポートしてあげたいと思います。











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