シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
赤ちゃんが寝返りをする瞬間って
可愛いですよね。
途中何度も挑戦している姿を見ると
もう少しだよ、頑張れ〜って
言いたくなります。
赤ちゃんの運動機能の発達は、
頭から体の下の方向に向かって進んでいきます。
目、首、肩、腕が動かせるようになって
それが、背中・腰に達すると
で切るようになるのが寝返りです。
赤ちゃんが自らできる初めての移動運動です。
この寝返り。
最近特に気になっているのが、
どうも、寝返りの姿勢が悪い子が
増えたということです。
本来の寝返りは、仰向けでは顎を引き、
腰を回転させ、横向きになってから
少し首を伸ばし
寝返るという感じです。
それが、仰向けの姿勢から、
頭を反らし身体を伸ばし、
反り返るような形で
寝返るような姿が
見られるようになりました。
赤ちゃんの反り返りは
脳性まひの症状のひとつとして
挙げられていることでもわかるように、
なんらかの原因が脳に異常を起こし、
運動機能に障害が生じている状態を指します。
反り返りは脳性まひだけでなく、
破傷風、急性脳症、核黄疸、発達障害の兆候の
ひとつともいわれます。
ということは、程度に差はあるものの、
脳の伝達に異常が起き、何らかの運動機能に
不都合が起きているサインだということです。
けれども、反り返るような寝返りの姿があっても
現在、検診などでは
他に目立った問題がなければ、
様子を見て大丈夫と言われてしまうことが
多いと思います。
確かに、脳性麻痺や他の病気につながる
所見がなければ、日常元気であれば
そのまま成長していくので、
問題視しなくてもいい程度のことだと
捉えることもできます。
けれども、多くの赤ちゃんを見ていると、
このような赤ちゃんの中に、
その後、何らかの発達の課題が
起きてくるケースがあることは否めません。
四つん這いのハイハイができず、
ずり這いや、座った形での移動や
片這いだったり、
ハイハイしないうちにつかまり立ちしたり
という変則的運動発達を辿る可能性が高まります。
言葉の遅れ、不器用さ、
じっと座っていられない、
バランスが維持できない、転びやすい
ボール遊び、縄跳びが苦手など
しばらく経ってから
発達に課題が出てくることがあります。
人の運動機能は、脳の神経伝達が正常であれば、
定型を示しながら、成長していくものです。
やはり、大きな異常と言われなくても、
定型以外の姿を見せている場合は、
どこかの伝達が違う回路となってしまっていると考えて、
修正や補正を行っていく必要があると
考えています。
反り返った形の寝返りの場合は、
屈筋群の筋肉が上手く育っていない
可能性があります。
生まれて間もない赤ちゃんは、
手も握り込んで、
身体を丸めて、ぎゅっと縮こまっている姿が
思い浮かぶと思います。
この期間に、屈筋群が育ち、
地球の重力を感じながら
力を中心に働かせ自分の体幹を
育てていきます。
今、反り返った寝返りが増えたのは、
この期間に、身体を伸ばす刺激環境が
増えたせいだとも考えられています。
手足をダランとさせたまま
縦抱っこしてしまう
首を後ろに反らせた形で
移動してしまう
傾斜をつけたラックに寄り掛からせるように
寝かせたままにしてしまう。
そんな日常生活では
ほとんど、赤ちゃんの収縮の力は
使わなくてもすんでしまう
ことが多いのです。
そして、次の発達段階の
伸筋郡の発達の段階がきた時に
そちらが優位に働いてくるので
身体を進展させることで
腹ばいになるためには
反り返る寝返りをするという姿に
なるのです。
この姿が見られた段階では、
収縮の筋肉の運動が
うまく育っていないと考えて
しっかりやり直してあげる必要が
あると思います。
この時すでに身体を縮めることや、
丸める運動を嫌がる子も
多いかもしれません。
仰向けで、自分の足を掴むとか
舐めると言った姿も
見られないという子もいるかもしれません。
同じ方向しか見ていないとか
目で動くものを見つめ続けるという
姿もないかもしれません。
遊びの中で、そのような動きや、
腹ばいでのタミータイムを増やしたり、
左右バランスよく身体を動かすこと
何かを掴んで引っ張るなど
意識的に体幹を使うような運動を
増やしてみてください。
そのまま、様子を見ていても
いつか歩ければいいと
考える人もいるかもしれません。
けれども、それまでの過程の
赤ちゃんがしっかりと
四つん這いのハイハイができて
それをたくさん経験することが
その先の発達のステップとして
重要なポイントだと考えています。
ですから、ハイハイまでの
前段階に不定型な姿が見られているなら
その部分にはアプローチして
解消してほしいと考えています。
一つ一つ段階を積み上げることで
その先の発達は頑丈に積み上げられていくからです。
大袈裟だと考える人もいるかもしれませんが
少しでも気にかけてくれる人がいてくれたら
嬉しいです。