シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
子どもに何度同じことを注意しても
言うことを聞いてくれないと
心配になっているお母さん。
お母さんのその注意する言葉は
本当に子どもに届いていますか?
聞き取れていますか?
耳の聞こえの検査などでは
全く異常がなくても、稀に
聞き取れていない場合があります。
音は聞こえているはずなのに、
聞き取れない。
そんな症状を起こすものがあるんです。
APD(聴覚情報処理障害)と
いわれるもので、耳の働きは正常なのに、
脳の処理に何らかの支障があって
上手に聞き取る処理ができないことで
生活に不便な状況を引き起こします。
先生から、集中力がないと言われたり、
友達から、話を聞いてる?って
注意されたり、
グループでの話し合いに参加できないなど
本人も気をつけているつもりなのに
周囲に指摘されることで
コミュニケーションに苦手意識を
持ってしまう子もいます。
社会に出てから、
指示を間違ってしまうことが
多くなってミスが重なることで
気づく人もいます。
口頭での説明だけだと、
理解できないけれど
板書や印刷物があれば
内容の理解ができることも多いです。
静かな場所なら問題ないけど
人混みだと、聞き漏らす事が多いなど
同じ聞き取りにくさでも
個人差があるのが特徴です。
脳の働きに支障があると言っても
言葉の処理のためには
複雑な作業が組み合わされています。
聞きたい情報を選び取って注意を向け、
そこに集中し続ける力、
逆にいくつかのことに同時に注意を向ける力、
すぐに、注意を切り替える力も必要です。
言葉の知識の語彙力も必要です。
情報を一時的に記憶に留めておくことや
不要な情報と重要な情報を
見極める力や、推測する力なんかも
必要です。
こんなに複雑な処理を
瞬時に脳は行なっていますが、
人によってその能力やバランスが
違っていることから、
言葉の聞き取り力に
差が出てしまいます。
APDの背景には、
発達障害、認知機能の偏り
心理的要因、脳損傷などが
考えられます。
本人の不注意だとか
聞こうとしていないとかと
決めつけないで、
もしも、気になる点がある場合には
一度APDであることも考慮して
診断してもらってください。
万一、原因が見つかれば、
対処法が見つかります。
脳の特性に合わせて、
対処していくことで、
生活の質は向上させる事ができます。
子供を責めるばかりでなく、
何か困っていないか気にかけてあげましょう。