シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
赤ちゃんが、成長の段階で一人で遊べる時期になると
お母さんとの会話で、こんな話を耳にします。
「一人で勝手に遊んでくれるようになって助かります」
「もう少し一人で遊んで欲しいんですけど・・・」
こんな風に、少しでも子どもが離れてくれると
助かるという気持ちが言葉にあらわれています。
毎日、家事に育児に忙しい時に、
子どもが機嫌よく一人遊びしてくれていると
本当に助かりますよね。
この間に、家事を済ませたい、
自分の用事をやってしまいたい、という気持ちから、
ゲームやテレビを便利に使ってしまったり
子どもの見守りがおろそかになってしまう場合があります。
慣れてきてしまうと
いつのまにか、親が見守ることをせずに、
子どもを一人きりに、ほったらかしてしまうこともあります。
この乳幼時期は、愛着形成で大事な期間です。
一人で遊んでいたとしても、
お母さんとのつながりは感じられる状態であることは
忘れてはいけません。
子どもの一人時間をしっかり保証してあげることは
そのまま、ほっといて、自由にさせておくことではありません。
かといって、あなたに余裕ができたときだけ、
子どもの一人遊びの最中に話しかけてしまうと、
せっかくの集中が途切れさせてしまいます。
子どもに配慮して、距離をとることが求められます。
子どもが求めた時に、あなたが応えられる状況が理想です。
今日のアドバイス
子どもからの発信に対して、リアクションをかえす
一人遊びの間にも、子どもがパッと目を
お母さんに向けることがあります。
こんな時、お母さんが知らんふり、
どこにいるかわからない状態だったらどうでしょうか。
きっと、不安な気持ちになったり、
残念な、寂しい気持ちになってしまうでしょう。
子どもは、うまく言葉で言えない時期でも、
(見て!できたよ)(ねえ、ママ見てる?)
そんな言葉を発信しています。
この、行動に反応を返すことが大切です。
これが、人間関係の始まり、
コミュニケーションを学ぶチャンスなのです。
「できたね」「みてるよ~」と声をかけてあげてください。
ニコッと笑顔を向け、うなづくだけでもOKです。
そうすることで子どもは安心して、遊びに集中できます。
赤ちゃんが一人遊びを始めたばかりの時は
そばで見守るようにし、
安心して遊べる環境を整えましょう。
そして、少しづつ慣れてくると、
子どもは自分からお母さんのそばから少しの間離れ、
すぐに戻るといったことを繰り返します。
こうしながら、だんだんとお母さんから離れても
遊べるようになります。
不安を感じやすい性格の子どもは、この時期が長い子もいます。
子どもが気づかないうちに、
ママの姿を見失ったという経験がある子は
「またいつかママがいなくなるのでは」と感じ、
一人遊びに集中できなくなる子もいます。
子どものペースに合わせて、焦らないで
自分から離れられる距離、時間から慣らしていきましょう。
いつでも、戻ることができる、
見ていてくれていると理解できれば
安心した経験が重なって、離れることができますし
お母さんを信頼することができるようになってきます。
そうすることで、一人の時間を無理なく延ばしていけて、
少しずつお母さんが見えないところにいたとしても
安心して遊べるようになります。
この、安心している、守られているという感覚を持てているかが
その後の子どもの心の成長に大きく影響していきます。
親が実際にそばにいなくても、
いつでも見守ってくれているという感覚は、
子どもの行動を、良い方面に向かわせます。
自分が信じている人が、見ているという意識が
感情、行動をコントロールする力になります。
逆に、同じ一人遊びを好む子どもであっても、
いつも親が子どもの遊びに関わらないのが普通になっていて、
見てもらえない、反応が得られない「遊ぶ=ひとり」となって、
親に対して「あきらめ」てしまっている場合があります。
この場合、自分には、誰も関心を持っていないという感覚を持ち、
孤独感が強くなって、自分本位な行動をとりがちになります。
また、ゲームやテレビのような受身でずっといるような活動は
自発性を失います。
自分が何をしたいのか、わからないというような、
無気力さを生み出します。
子どもが、あなたの近くにいるのは、
乳幼児の時期だけです。
この時期に、子どもに関心を持って、
子どもの行動にきちんと反応を返すことで、
親子関係は作られていきます。
この時期の心の育ちが子どもの人生の土台になります。
一人遊びの時期を大切に過ごしてほしいと願います。