シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
消費者庁が27日に「洗たくマグちゃん」など
3製品の商品説明が景品表示法違反(優良誤認)に
当たると発表されました。
子どもにも安心、環境にもやさしいと
利用していたご家庭もあったでしょう。
私は実際に使用していたこともありますが、
効果は実感できていたので
個人的には、この商品が全く効果がなかったという
印象は薄いです。
ですので、今回根拠の裏づけには課題がありますが、
さらに、良い商品への改良、
消費者に正しく伝えていただきたいと思います。
ここで、「洗濯マグちゃん」よりも、
私がもっと問題視してほしいものがあります。
それは、空間除菌をはじめとする、
除菌効果をうたう商品の数々についてです。
空間除菌については、WHOや厚生労働省などの公的機関が
はっきり「非推奨」としています。
医薬品や医薬部外品として認められた商品はありません。
それなのに、どんどん商品が出されていく、売れていくのです。
人の病気を防ぐ効果はうたえないはずなのに、
「空間除菌」といういわばキャッチコピーで、
いかにも病気を“防げそう”なイメージを与える商品が
次々に出されています。
2011年に国民生活センターが行った調査で
「二酸化塩素による部屋などの除菌をうたった商品は、
様々な状況が考えられる生活空間で、
どの程度の除菌効果があるのかは現状ではわからない」と
結論づけられています。
厚生労働省は現在も
「これまで、消毒剤の有効かつ安全な空間噴霧方法について、
科学的に確認が行われた例はありません」としています。
現在でも、コロナ禍でもあるため、
街を歩けば「空間除菌中」とアピールされた店舗があったり、
空間除菌をうたう商品がドラッグストアの棚に並び続けています。
『空間除菌』グッズの位置付けは医薬品ではなく雑貨です。
感染予防の効果効能をうたうと法律違反になるので、
「ウイルスを99%除去できる」などといった宣伝文句で
感染予防効果があると思わせて、
消費者庁からはギリギリ怒られないように、
広告表現が工夫されています。
空間除菌グッズに空気中を漂うウイルスや細菌を不活化させる
一定の働きがあるのは本当です。
ただ、今回の「洗濯マグちゃん」のように実験室の条件下で
効果があったとしても、実際に使用される環境下で
性能を発揮できなければ意味がないわけです。
あの「クレベリンG(大幸薬品)」を用いた実験では、
空中浮遊インフルエンザウイルスの不活化の効果は
確認されなかったことでもわかります。
それでも、少しでも感染を予防する可能性があるなら、
空間除菌をやることはやらないよりはましだろうと
思うでしょう。
その心理が、このような空間除菌、
除菌グッズを買ってしまうことに繋がります。
使っていれば、安心するからです。
ただ、それは空間除菌に害がなければ
使用していてもいいと思います。
ここで知っておいてほしいのは、
ウイルスに影響を及ぼすのに人体にはまったく安全という
化学物質は存在しないということです。
短時間で空気中のウイルスを不活化できる濃度での化学物質は、
同時に人に有害である可能性があります。
実際に、空間除菌に使用される化学物質の分解生成物が
血中のヘモグロビンを酸化させ、
異常なヘモグロビン(メトヘモグロビン)を生じさせること、
空間に散布・拡散された物質を吸い込むことで、
気道の粘膜に触れ、呼吸器症状を起こした例もあります。
安全性を優先して濃度を薄くすると今度は効果が期待できません。
販売されている商品がウイルスだけを不活化し、
人体に害のない適正な濃度を維持できているのか疑問です。
本当に、除菌剤は必要ですか?
今日のアドバイス
あえて化学物質、薬剤は原則使用しない
噴霧型の除菌剤も、家具などの表面を除菌できても、
吸い込む、なめてしまう可能性があります。
乳幼児、特に喘息などの持病がある子どもには注意が必要です。
何でも、除菌することが良い事、安心という風潮がありますが、
コロナウイルス感染に対しての「不安ビジネス」ではないか、
本当にその商品を使用することが、安全に繋がるのか冷静に考えて
活用した方がいいと思います。
個人的には、除菌製剤は全く必要ないと考えています。
特に、身体の機能が未熟な子どもがいる家庭では、
化学物質を室内に撒くようなことは避けた方がいいと思います。
新鮮な空気に入れ替えること
室内をこまめに掃除すること、
水道水で絞ったきれいな布で拭き掃除をすること
個人で感染予防する行動をきちんと守り続けること。
こんな清潔な暮らしを日常送ることが
一番の安心だと思います。
化学物質・薬剤に頼らなくても、
健康でいられる自分であることを意識させることで、
子ども自身が、自分の身体に自信を持つことにもつながります。