シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
春先からは、花粉症や鼻炎などで、
症状で辛くなる子どもが毎年増えてきます。
理由も不明なまま、蕁麻疹が体中に突然出てしまったり、
肘の内側や、首回りなどが、血だらけになってしまう
子どももいます。
抗アレルギー薬を、毎日飲んで予防している子もいます。
3歳児までに何らかのアレルギー疾患を持っている割合は、
およそ4割という状況ですから、
アレルギー症状で困っている子どもが多いことが分かります。
原因としては、子どもの周辺の環境の変化なども
挙げられていますが、ここ数年では、
腸内環境が問題視されています。
腸内細菌の異常がアレルギーの発症を起こすことが、
たくさんの研究から明らかになってきました。
私たちの身体には、生まれつき、免疫を強めるリンパ球と
免疫が行き過ぎないように抑えるリンパ球があって、
両方がバランスが取れていることで、
ひどいアレルギーにも悩まされずに生きています。
アレルギーを発症する人は
免疫を抑える方のリンパ球(ティーレグ)が少ないため、
免疫反応の抑制が効かずアレルギーを発症すると考えられています。
ですから、この、ティーレグという、リンパ球を増やすことができれば、
アレルギーを抑える可能性があるのですね。
ウイルスや、アレルゲンなどの外敵から身を守るための
免疫細胞の約70%が腸に集まっています。
腸内環境を整えることで
免疫細胞が正常に働きやすい環境にすることができます。
生まれつきアレルギー体質だしとか、
アレルギーの家系だからとあきらめる前に
まず腸内環境の改善にチャレンジしてみませんか?
今日のアドバイス
腸内環境を整える生活をする。
この腸内環境は、生活習慣・食生活に大きく影響されます。
これらが大事だということは、色んな所で聞いていて、
ご存じの方も多いでしょう。
腸内環境は、毎日の習慣で整えられます。
単発で身体にいいことをやったとしても、
毎日コツコツと継続することができないと
腸内環境をいつもベストな状態にすることはできません。
これが、けっこう難しいのですよね。
習慣化することが重要なのですが、
新しい習慣つくりにチャレンジする前に、
どうすれば、腸内環境を整えられるかのポイントをお伝えします。
現在のところ、ティーレグを増やすのに関わっているのが、
酪酸菌と考えられています。
よく耳にする乳酸菌ではなく、酪酸菌です。
酪酸菌を多く含む食材を食べ、
酪酸菌のエサとなる食物繊維をたくさん取れば、
腸内で酪酸菌を増やすことができます。
① 酪酸菌が増える食べ物を食べる。
酪酸を多く含む食物・・・ぬか漬け、ナチュラルチーズ、納豆等
酪酸菌のエサとなる食べ物・・・水溶性食物繊維を多く含む食品
海藻(わかめ、めかぶ等)、
穀類(オートミール、そば、ライ麦パン)、
野菜(ゴボウ、納豆、アボガド、ニンジン)など
ヨーグルト等の乳酸菌も酪酸菌を増やす効果がありますが、
乳酸菌自体は通過菌なので取っても腸内で増殖しません。
すぐに便で排泄されるので、毎日取り続けることが大事です。
②適度に運動をする。
運動も酪酸菌を増やす効果があります。
健康のためには、必ず運動は必須ですね。
③ 就寝前の3時間の食事はしない。
どうしても、夕食が遅くなるというご家庭もあるでしょう。
そのような場合は、消化の良い食べ物を、
軽めに食べるようにしましょう。
寝る前には、胃の中が空になっているのが理想です。
消化には、たくさんのエネルギーが使われます。
消化にかかる負担を軽減することで、
睡眠の質をよくすることができます。
そうすると、寝ているうちに
成長ホルモンがたくさん分泌されて、
さらに脳や身体によい影響が与えられます。
最近の研究では、アレルギー症状の出現に、
食事の摂取時間が影響していることも
わかってきました。
本来、身体が休むべき時間に、食べ物をとることが、
アレルギーを引き起こす要因になっているという
研究結果があります。
夜食をいっぱい食べてしまう、
寝る間際まで何かを食べてしまう習慣がある場合は
やめてみることをおすすめします。
3つ、重要ポイントにあげてみました。
腸内環境を整えることは、
幸福感をもたらすセロトニンや、
やる気を起こすドーパミンがつくられる過程での
重要な役割も担っています。
腸内環境が乱れると、これらの神経伝達物質の産生が低下します。
腸内環境を整えておくことは、
子どもの脳の発達にも、とても重要なことなのです。
うちの子はアレルギーだからしかたないとあきらめる前に、
もう一度、家庭でできる生活習慣を見直して、薬に頼らず、
アレルギーを自力で改善するように挑戦してみてください。