コミュニティーナースの石鍋てるみです。
今日は、映画の上映会に出かけてきました。
その映画のタイトルは
『30(さんまる)』
神戸市長田区にある
多世代型介護付者シェアハウスの
ドキュメンタリー映画です。
以前、知人から紹介を受けて
一度見たいと思っていた映画でした。

私がコミュニティナースとして
独立した時に思い描いていた日常が
この映画にはありました。
多世代交流が自然な形で生まれ
自分の得意なことを目の前の人に行うという
自然な働きかけが
周囲の助けになったり
人生を変えることにもなるということを
感じられた映画でした。
人が助け合うことを
当たり前にできたり
自分との違いを許し合えることができる社会。
そんな日常がだんだんと
なくなってしまった現代だと思います。
人の失敗を、知らない人まで
誹謗中傷する状態。
小学1年生に
「知らない人に声かけられたら
返事したらダメよ」なんて
教えるような社会。
もっと、人を信じること
おせっかいができる人を
大切にしたいと思える映画でした。
一つのシェアハウスの中だけの話ではなく
それが地域と繋がって
地域住民が家族のような関係性となって
安心感を持って過ごせている若者の姿もあって
この繋がりは独居暮らしの高齢者のためだけの
施設ではないことがわかりました。
ハード面もソフト面も
両方が素晴らしく
いろんな可能性を感じさせてくれる
場所だと思います。
私は、仕事やゴスペルの慰問などで
高齢者施設に伺うことがありますが
残念なことに自分が将来
ここなら入ってもいいと思える施設が
ありません。
管理する立場の気持ちがわかるので
当然、どの施設も懸命に運営していることは
理解できますが
制限のある生活というものが
やはり自分には受け入れ難い気持ちになるのです。
これは、保育施設、学校などもすべて同じです。
規則、ルールを守ることと
個人の自由な生活を守ることの
バランスは難しいかもしれません。
でも、この映画のような生活を送ることは
不可能ではないということが
分かっただけでも、
未来が明るく感じました。

超高齢化社会になる日本。
今の子どもたちには
高齢者とコミュニケーションをとり
生活するということは
必須のスキルになるでしょう。
20年〜30年後の働き盛りには
市場の多くは高齢者相手になるでしょうし
近所にも高齢者が増えるのですから
関わらざるを得ないわけです。
この映画はぜひ多くの人に
一度は観てほしいと思いました。