石鍋てるみです。
先日、谷川俊太郎がお亡くなりになりました。
確か、先月だったか
高3の娘と一緒に谷川俊太郎さんの
詩の話をして詩集を読み返していたところでした。
学校でも、国語の先生と
好きな詩について話をしてきた娘が
話題に出したことがきっかけでした。
娘は、絵本の
『もこ もこもこ』のことを
友達が知らなかったということに
驚いて私に話しかけてきました。
うちで、この絵本はあったし
通っていた保育園の先生も
よく読み聞かせをしてくれていたので
みんなが知っているものと
思い込んでいたようです。
私もこの絵本は読み聞かせることが多い絵本です。
何度読んでもそのたびに
子どもたちも喜ぶし
反応も面白いのでつい困った時の
『もこ もこもこ』頼みという感じで
使わせてもらっています。
その後、Eテレの高校講座の番組で
インタビューを受けているのを見たり
何かと、谷川さんの話題が多い日々での訃報でしたので
本当に娘と二人してショックを受けました。
絵本「スイミー」などの海外の名作の翻訳を
多く手がけたことでも有名な谷川さん。
歌の歌詞にもその名前はよく出てきています。
短い言葉の中に押し込まれている思いの深さが
読み手側の状態によって変化して
心の中に深く刻まれていくのが
詩だと思います。
以前、私がファンのASKAさんが
2019年に35年ぶりの書き下ろし散文詩集
『ASKA書きおろし詩集』を発売した時に
谷川さんと対談することがありました。
その様子はYouTubeで何度も拝見しました。
この時に、死生観について
語る部分があるのですが
詩人であるお二人が
死をどのように捉えて生きているのかを感じたと同時に
自分の死生観を考えさせられました。
谷川さんは、言葉のインフラについても
考えを述べられていました。
SNSでも多くの言葉が使われ
たくさんの言葉を発信している割には
言葉の意味が薄っぺらになってしまっているというのは
考えさせられました。
過剰な情報化がすすんでいる中で
いろんなことを知っているつもりになっているけれど
本当の自分の中身について感じることもなくなって
空虚になっている人が多くなっていると
私自身感じています。
言葉が少ないほど
本質を語れるということもあると思っています。
92年間という人生で
本当に一つ一つの言葉を大切に扱ってきた方だと
尊敬しています。
もう一度、ゆっくり詩集を読み返して
谷川俊太郎さんの思いを
少しでも追体験したいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。