シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
外を散歩すると、
キンモクセイののいい香りがしてきます。
この香りを嗅ぐと、秋がきたなと
感じます。
このキンモクセイも香りについて調べてみると、
β―イオノンなど、リラックス効果のある成分が
含まれているそうで、
ストレス解消に効果があるようです。
更に、食欲を抑えたり、活性酸素を減らしてくれたり
抗炎症作用があったりといった
美容や健康にもよいようです。
ずっと嗅いでいたいので、
一本、テラスに置いてみようかな?
とりあえず、落ちている花を
拾ってきてしまいました。
良い香りがあると、生活の空間の雰囲気が変わりますよね。
あなたは、どんな香りが好きですか?
香りに対する感覚は人によって大きく異なります。
このキンモクセイの香りも、誰もが、
自分と同じように良い香りと感じない場合もあります。
今は、新型コロナでマスクが欠かせないので、
いつもよりにおいを感じにくく
なっているかもしれませんが、
マスクを外してみるいろんな
香りがあることに気がつきます。
特に現代は室内の芳香剤や、柔軟剤、洗剤などにも
必ずと言っていいほど、人工的な香りがつけられていて
いますから、敏感な人には迷惑なこともあるようです。
こういった製品に含まれる人工的につくられた
香りの化学物質によって、『香害』という、
健康被害が起きていることも知られています。
通りすがりの人から漂ってくる香水に、
体調を崩したり、衣服からの香りにさらされて
化学物質過敏症という深刻な病気になる人もいます。
発達障害の特性を持つ場合、嗅覚過敏によって、
苦痛を感じている場合もあります。
こんな人の場合は、今のマスクの生活は
いつもより、落ち着いていられているかもしれませんね。
生まれたばかりの赤ちゃんは
大人とほぼ同じレベルの嗅覚を持っていると
考えられています。
新生児はほとんど目が見えなくても
嗅覚は鋭いので、
生後数日が経つと、ママと他人のにおいが
嗅ぎ分けられるようになります。
生後数日でも、
赤ちゃんはママに抱っこされることで安心し、
ママに愛着を示すようになります。
それが分かるのは、
お母さん以外の他人に抱っこされると、
においの違いで気づいて
泣き出してしまうようなときです。
うちの子も、粉ミルクの種類を変えると、
飲む前に、においで違いに気づいていたのか、
なかなか飲んでくれないこともありました。
このお母さんの匂いを認識することは
生物としてはとても重要です。
乳幼児期には、なるべく、香水や、
衣服の柔軟剤などの匂いを纏うことは、
あまりおすすめしません。
赤ちゃんが、お母さんの匂いをかぎ分ける
邪魔になってしまいます。
いつも変わらないお母さんの自然な臭いを
しっかりと認識できるようにすることで、
子どもはその香りで安心を得られるからです。
あなたも、ふとした時に嗅いだ香りから、
懐かしい思い出がよみがえったという経験は
ありませんか?
においは、潜在意識に眠っている記憶と
密接につながります。
においを感じ取る脳の中枢である大脳辺縁系は、
顕在意識ではなく、潜在意識をつかさどっているので、
においをかいだ時、潜在意識にすっと入り込み、
眠っていた記憶を呼び覚ますといわれています。
ですから、愛着を形成する乳幼児期に、
いつも変わらないお母さんの匂いを
感じていることが、お母さんとのつながりを
潜在意識に刷り込む大事な記憶になるのです。
この匂いの記憶が、お母さんの暖かさとリンクすることで、
安心感をずっと思い起こすことができます。
嗅覚の敏感期は3歳から5歳くらいにかけて
といわれています。
外で遊んでいても、葉っぱの匂いや、
花の匂いを嗅ぎ始めるのは、
4.5歳児くらいから見られてくる印象です。
匂いへの概念が作られていく過程で
いい匂い、嫌な臭いを区別します。
食品が腐敗していないか、食べる前に確認したり、
ガスのような危険な香りを察知するという
危険回避にも嗅覚は重要な役割を果たします。
現在は、香りを香りでごまかすような商品や
マイクロカプセル技術などで、
24時間匂いを維持するような商品もあります。
化学物質にずっとさらされて、
現代人は匂いに鈍感になっているといわれています。
個人的には、むやみに匂いをつけることは、
あまりお勧めできません。
『香害』も当然気になりますし、
自然な臭いをたくさん経験して、
敏感にかぎ分ける力や、それに伴う情操も、
乳幼児期には育てたい力だからです。
今、新型コロナにかかった人が、
嗅覚障害の後遺症で苦痛を感じている方がいます。
匂いが分からなくなるというだけで、
生活に大きな障害が起こることがわかります。
嗅覚はたくさんの情報を得ている大事な器官です。
嗅覚は、脳に影響を与える重要な器官です。
子どもには、わずかな自然の香りの変化に
気がつけるような感性を育ててほしいと思います。