シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
私は5人の子どもを育ててきましたが、
その最中に苦しく感じたのは、
自分の気持ちと折り合いをつける事でした。
自分さえよければいいという、
自己中心的な利己的な考えが
いろんな場面で何度も襲ってくるのです。
その思いを、自分でコントロールすることが、
なかなかできず、とにかく苦しいんです。
育児の最初、それを特に感じたのは、
産後すぐにやってくる睡眠不足。
とにかく、ゆっくり眠りたい。
さて、落ち着いたから、
やっと寝られると思ったのも束の間、
さっき、ミルクをあげたばかりの子どもが、
また泣き始めます。
かわいい赤ちゃんに対して、
『またか!どうして寝ててくれないのよ!』
こんな気持ちが湧いてきます。
(自分が疲れていて眠いから)
ただ、泣いているだけの子どもが、
自分を困らせようとしている存在に感じられます。
自分の思い通りにならないことに、
イライラが募ります。
そんな風に感じてしまう自分が悪い存在に思えて、
自己嫌悪に陥って、自分に自信がなくなります。
自分は子どもに愛情を持ててないんじゃないかと
思ったりします。
もう少し、子どもが育つと、
公衆の中で、お行儀の悪いことをしたりします。
しつけができない駄目な親だって思われる
という気持ちが湧いてきます。
『なんで、そんなことするの!』って言いたくなります。
子どもの行動が、自分への恥ずかしさ、
劣等感を感じさせるので、
子どもと一緒にいるのが苦痛になります。
逆に子どもが、みんなの前で褒められたりすると、
自分が褒められたように感じてしまうこともあって、
今度は優越感が湧いてきます。
子どもを立派に成長させたのは、自分だと、
うぬぼれの気持ちも湧いてきます。
本当に、自分の未熟な部分や、
嫌な部分が見せつけられます。
人としてこうありたいという自分の理想と
実際の自分の姿のギャップが
受け入れられないのです。
自分の利己的な気持ちに早く気がついて、
グッと利己的な気持ちを抑え冷静になることは、
子どもを自分の思いのままに
コントロールしないことに繋がります。
そして、今はまだ、
こんな風に感じてしまっている自分を
未熟な存在だと自覚することが、
子どもにも謙虚な気持ちを持つことになります。
子どもにも自分の間違いを伝えたり
子どもの本当の気持ちを守ることで、
人として対等になれると思います。
子どもも自分も個人として尊重することを
繰り返し練習するのが育児だと感じています。
まだまだ、子どもが成人になっても、
ちょっと気持ちが緩むと
すぐにこの利己的な自分が出てきます。
フリーターではなくて、
きちんと収入が得らえる仕事について欲しいとか、
〇〇高校を目指して、勉強してほしいとか、
心にやっぱり浮かんできます。
自分の思いと、他人の思いの両方を
大事にするバランスを学んでいくのが、
人を育てる事なのかなって思います。
子どもへの愛も、気をつけていないと、
自分への愛になっていることがあります。
自分の気持ちを、離れたところで俯瞰して見る
もう一人の自分を作っていくことが
育児をする親の課題だと思います。
直観的に思ったことを
すぐに行動してしまわないで、
離れた自分から一度見てみるようにする。
そんな、思考の癖を持つことで、
子どもを尊重して育てることができると思います。
愛を人に与えることで、
自分に愛を与えられるような人間に
近づいていきたいと思っています。
私が育児で心がけていることです。