シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
知り合いのピアノの先生が、先日こんな話をしていました。
『教室の生徒さんの中で、不登校の子が増えている気がするんだよね』
『学校に行っていないのに、習い事に来ててもいいのかな?』
『何だか、複雑な気持ちになる』
通わせているお母さんにもいろんな思いがあるようです。
『学校にさえ行けていないのに、習い事に行くなんて非常識?』
『家庭以外の、居場所がここしかないから通っていてほしい』
『この習い事をきっかけに、不登校を克服させたい』
【毎日楽しく小学校に通ってほしい。】
親ならだれもが、そう願うでしょう。
義務教育は必ず受けるべき、学校に行って当然だと思うのが
ほとんどの親の考えですね。
「小学校に行きたくない。」子どもが突然そんなことを言ったら
ビックリしますし、困りますよね。
まして、学校に行きたくないのに、習い事には行きたいと言いだしたら、
どうしたらよいのかわからなくなってしまいますよね。
特に、原因がない場合は、もっと困りますね。
本当に、そのような子どもが増えているのかは不明ですが、
コロナ禍で、家庭内で自粛期間の生活で
学校に行かなくても学習ができる経験や、
新しい生活様式で、集団行動を避けたことで、
人間関係でストレスを感じていたと気づいたことも
少なからずあるのかもしれません。
子どもが学校に行けない姿をみているのは、ツライものですよね。
不登校段階での初期には子どもも、
本当は行かなくちゃと思っているけれど、
行けないという時期があってツライのです。
学校には行けなくても、習い事に行けるということは、
家族以外の社会とのつながりがあるということなので、
悪いことではないと思います。
習い事も本人が楽しくて行けているようであれば、
自己肯定感を高めるきっかけにもなるので、
大事な居場所でしょう。
そんな場合は、「習い事はどんなところが楽しいの?」と
子どもの気持ちに寄り添った声かけをして
日常会話が増えてくると、
ネガティブな感情も話してくれるようになるでしょう。
習い事に通えていることや、上達していることなどを認められることで
【自分はできる!】という気持ちになって、
学校へ行くという自信につながることもあります。
もう1つ、習い事に行ける理由としては
単にずっと通っていて先生に馴染んでいるから、
一人になれるから、など習い事の内容には興味は薄いけれど、
別な理由で、そこに行くことが安心ということもあるかもしれません。
その場合でも、そんな場があることは、子どもにとって必要だと思います。
けれども、習い事自体が、自己肯定感に結び付くきっかけになることが
薄いかもしれません。
子どもの本当に興味のあることや、得意とするものを
一緒に見つけていく働きかけが必要かもしれませんね。
どちらにしても、
親が、学校に行かなくてはいけないという観念を一度取り払って
子どもと関わり直すことが必要だと思います。
不登校問題は勉強の遅れよりも、親として恐いのが、
社会からの孤立、引きこもりになってしまうことでしょう。
暗いニュースの陰に、不登校問題が重なっているという
印象が、その不安を駆り立てます。
その不安も捨てましょう。
子どもが笑顔でいられる時間を増やすことに専念してください。
子どもが社会とつながりを持てるようになるには、
自分自身を大切に思えて、存在していていいと
感じられているかどうかが大事になります。
そのためには、
お母さんとの信頼関係があること
家族の中でありのままの自分を出しても安心して過ごせていることが
第一歩です。
『学校に行きたくない』と、言っている子どもの言葉に、
『よく話してくれたね、お母さん嬉しいよ』といえる
信頼関係から作り直してください。
何か不安や、居心地の悪さを体感しているはずです。
まずは、心を安心させ、あなたが味方だと伝えてください。
焦って、先に進もうとせず、少し赤ちゃんの時期の方向に
関わりを戻してみてください。
1人で社会に出ていくことに不安が見られるようなサインがあるうちは、
どんなに身体が大きくなっても、子どもに甘えさせてください。
甘えを受け入れられると、自分は愛されていると
感じられるようになり、余裕が持てるようになります。
子どもが、自分を大切にできれば、
不安にも向かっていく力が出てきます。
習い事だけでなく、地域の行事に参加したり、
コミュニティ参加・経験を増やしてあげてください。
そして毎日、一緒に身体を動かす時間を作りましょう。
学校と連絡を取りながら、子どものペースメーカーになって
お母さんも一緒に並走していきましょう。
あくまでも、子どもの意思、ペースに合わせて進もうと
意識してくださいね。
学校に行くという目的ではなくて、
子どもの気持ちを整えることを目的にしてみてくださいね。