コミナスブログ 支援者の心構え

子どもを学ぶことから育児は始まる

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シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。


グレーゾーンの子どもが抱える悩みは、

一見何でもわかっている普通の子だと

大人が誤解することから始まります。


その大人の見方と子どもの態度・行動が合わないと

「わがままな子だ」「できるくせにやらない」

「わかっているのに、言うことをきかない」

「反抗的な子だ」「じっとしていなくて、手がかかる」

とにかく、困った子だという風に大人が感じてしまいます。


どうにかして、大人が思っているように

子どもに行動させなければならないと思い、

しつけ、教育と称して、

子どもに関わっていくことになります。


発達に凸凹がある子どもは、

大人が勝手に思い込んでいる普通という中に

修まらない特性を生まれつき持っているだけですから、

そんな大人のアドバイスは、自分を否定され、

(自分を信じてはだめだから人の言うことをききなさい)

(苦手を直さないとだめだ)と

常に言われているようなものです。


この状況は子どもの心に、

劣等感・反抗心などの二次障害への種をまくことになります。






お友達をすぐ噛んでしまう子がいるとしましょう。




あまりにも、頻回に噛んでしまうので、

大人は困り出します。



噛んじゃダメだということを言ってきかせようとする大人。

噛んでしまった時に、相手に向かって謝ることを教える大人。

だめでしょ!と言って、強く大声で叱る大人。

とにかく、その子から目を離さず、噛みはしないかと見張りをする大人。

いろんな対応がはじまります。



このような対応も、一歩間違うと、

子どもの自由を奪い、束縛してしまうことになります。



噛みつきをやめさせるという問題行動だけに集中して

とにかく、それをやめてほしい、

噛まない子どもになってほしいと思うので

このような対応がはじまってしまうのです。



そこには、噛んでしまう子どもの気持ちへのアプローチがありません。

子どもがどう感じているのかを知ろうとする大人がいません。

初めから、この子は悪いことをする子という先入観をもっていて、

子どもの力を信頼していません。

そのような、大人の言うことを子どもがきこうとはしないでしょう。



また、大人の思い込みだけで行動しているので、

対応に裏付けや、評価がありません。


専門知識、想像力・俯瞰力がないために、

子どもが改善しないことを子どもの問題だと決めつけて、

大人側に問題があるかもしれないという考えに及ばず、


いつまでも同じ対応を繰り返しています。



気がつくと、数か月も同じ方法を

くりかえしていることさえあります。

支援している、教えているはずなのに

噛みつきが続く場合は、その方法が間違っています。


こんな子どもに対しては

目に見えない特性が隠されているかもしれないと

観察してみましょう。

感覚の過敏性や、視覚優位・感情のコントロールの苦手さ、

相手の気持ちが汲めないなど

特性や程度は子どもによって全く変わるので

常に、新しい気持ちで観察することが必要です。


噛みつきは、他の子どもに危害を与える行動なので

特に問題行動として目についていたわけですが、

よく観察すると、この子どもの生活のしずらさは

他の多くの場面で見られているはずです。


どうして、噛みつくという行動が起こっているのかを

子どもの立場から見ていくことが重要です。




その場面の直前だけではなくて、もっと前の行動が

噛みつきの引き金になっていることに気づくこともあります。

(イライラ落ち着かない・うるさくて集中できない・疲れているなど)

その行動の後に理由があることもあります。

(例えば、そうすると注目してもらえるなど)




子どもなりに、必ず理由があるということを意識して

大人がフラットな見方で観察と判断を行うことが

子どもの問題行動の解決には早道です。



周囲からは問題行動と見えても、

それは子どもなりの正しい反応をしているだけなのです。



子どもなりの理由には、定型発達の人にとっては

理解しにくいものもあります。

ですから、子どもをありのまま見るための引き出しを増やすために

子どもの世界、発達の凸凹の世界のことを

支援者は学んで行く必要があるのです。




子どものありのままを否定しない力を

まず大人が持とうとすることが、

子どもを支援するには必要な態度だと思います。



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