コミナスブログ 支援者の心構え

あなたが教える正解は、子どもの経験にはなりません。

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シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。



先日、小学生に珠算・暗算など教えるお仕事をしているお友達から

こんな話を聞きました。



『問題の難易度が上がるときには、間違えてしまうことも

あるわけだけど、そのことをとても嫌がったり、

検定の練習で、制限時間内に終わらせることができないと

次に練習するのを嫌がる子供が増えているように思えるんだよね。』



『一昔前の生徒は、できなくても当たり前だと

淡々とやっていたように思えるけれど、気のせいかな?』



『こんなに臆病な子どもが、社会に出てから大丈夫なのか心配で・・・。』


これは、私も近年感じるところです。


失敗や注意を受けることにとても敏感な、

完璧主義に近い子どもは、確かに多くなっている印象です。



中でも、ADHDやアスペルガーの特性がある子どもは、

特にこだわりや感覚の課題から、失敗や注意されることに、

傷つきやすい場合があります。



自分が知らないこと、出来なかったことを

過去に何度も注意を受け、心の傷として抱えてしまう

経験の方が多い子の場合は、自分に自信を失っています。



何かやりたいと思っても、上手にできなかったら、

また心に傷がついてしまうので、そのことを恐れてしまい、

最初からやらないでおこうという選択になってしまいます。



乳幼児の頃に、親から完璧を求められることが増えたり、

失敗を怒られたり、自分がやろうとすることを制止されたりを

繰り返し経験していると、身動きが取れなくなります。



仮に、大人も、上司から、同じようにされたとしたらどうでしょう。



自分のとる行動の一つ一つに、

『それはこうやるんだ』『それは、やってはいけない。』

『何でそんなことするんだ、どうしてできないんだ』

『まったく、もう~ (あきれ顔される)』

そんな毎日だったとしたら、動けなくなりますよね。



しかも、子どもの生きている社会は、大人より狭いですから、

今、この場所での自分が全て。

周りには全く別な考え方もあるなんていうことをしるよしもありません。


そして、逃げ出すこともできないのです。

子どもは、経験が足りないのですから、

できないことが多いのは当然のこと。



一度経験すればできるようになる子もいれば、

何度やってもできない子もいるのです。



たくさん経験を重ねることが、

子どもを大きく成長させていくと思います。



そこで、気になってることがあります。



大人が子どもにたくさん経験させようとしてしまうことです。

(それはいいことでしょ?)

ちょっと混乱しますか?



子どもに関わる場面を見ていると、よくあるのが、

すぐに正解を経験させようとしていることがあります。



『パンツはこう履くんだよ。』

『水が入ったコップはこう持たないとこぼれるからね。』

こんな感じです。

丁寧に見本を見せてくれたりします。


時には、落としても割れないプラスチックのコップを用意して、

『投げたら割れちゃうからね。気をつけて持ってね。』

なんて、教えている場面があったりします。



とても、丁寧で、わかりやすいような気がします。


もしも、それができなくても、コップは割れないし、

こちらも、まだできないだろうと思っているので、

失敗しても、

『大丈夫大丈夫。もう一回やってみようね。』なんて

やさしく教える余裕があるわけです。



これは、子どもの経験を増やしていることにはなりません。

子どもが自分で考えて、試行錯誤することそのものが

経験だと思います。



パンツを履くことも、どこの穴に足を入れるのかわからず、

(あれ?なんか動きずらいな』と間違いに気がつく。



陶器やガラスのコップにお水を入れて

こぼしてしまって、床が濡れることを知る。

中身が減ってしまったショックを味わう。


コップを誤って落としたら、割れてしまうことを見て、

ものが壊れることを知る。

これは、自然の摂理、条理を知る経験です。



『少なくなっちゃって、悲しいね。』『壊れちゃって、残念だね』

『こぼさないで運べて、うれしいね』など

大人は、子どもがその時に、感じたであろう感情や状況を、

言葉にして、子どもにフィードバックすることで、

一緒に経験を共有します。


そして、何度も何度もやりなおしていくうちに、

できた!という瞬間があります。


そのような経験の繰り返しから子どもは、見守られていることや、

自分でできる、大丈夫という喜びや安心感を育てていきます。


失敗も、出来ないことも、できるようになるまでの、

ステップで、いづれ少しずつできるようになることが、

体験できると、達成できる自分に自信がついていくので

物事にどんどん挑戦しようとします。


いきなり、成功法を教えることは、

それができないと、認められないし、褒められないので、

途中の試行錯誤の部分はすべて失敗に感じてしまいます。

大人が子どもに経験を用意して与えなくても、

子ども自身が、自分に必要な経験は自然としていきます。



それを、大人がむやみに手出しせず、見守って、

子どもが助けを求めたら、その部分をお手伝いするという

気持ちで関わるといいと思います。



誰かが全部正解を教えてくれたことをやれたからといって、

あなたはワクワクしますか?

あなたが、してほしくないことは、子どもにもやらない事。



子どもへの関わり方で迷ったら、自分だったらどうされたいかを

想像すると見えてくると思います。






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