シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
あなたは、この頃忘れっぽくなってしまったと
感じることはありませんか?
私の年齢ですと、ちょっと他のことをやり始めると、
その前にやっていたことを、忘れてしまうことが
多くなってきます。
今日は、ワーキングメモリ―について考えてみます。
ADHD児は、このワーキングメモリーが低い場合があると
言われます。(低いからといって、発達障害であるというわけではありません)
ワーキングメモリーとは、
何かを覚えておきながら、違うことを考えても、
覚えておいた内容を忘れない能力のこと。
ここで、簡単なテストであなたのワーキングメモリー力を
調べてみましょう。
テストに答えを記入できる紙とペンを用意してください。
まず、次の5つの単語を覚えてください。
セロリ 鬼滅の刃 コンパス
歴史 おたま
覚えたところで、単語を手で隠して声に出して言ってみます。
繰り返し言えるようになったら、単語は隠したままにしてください。
では、問題です。
【問題1】 思いつく、野菜の名前を10個紙に書き出してください。
(制限時間2分以内)
【問題2】 最初に覚えた5つの単語を、もう一度
紙に書き出してみてください。(制限時間2分以内)
さあ、何個覚えていられましたか?
このテストは、あなたのワーキングメモリー力を使って
その力の様子をみています。
点数をつけてみます。50点満点です。
【問題1】 回答数×2点
【問題2】 回答数×6点
それぞれの点数をたして、合計点を計算してみてください。
あなたのワーキングメモリー力は・・・
0~10点 …低い
11~20点…やや低い
21~30点…普通
31~40点…やや高い
41~50点…とても高い
いかがでしたか?
この力が衰えると、
「用事のために、キッチンに来たのに、
あれ?何しに来たんだっけ?」とか
「洗濯物をたたんでたら、煮込み料理をしていたことを
忘れて焦がしちゃった」
なんていうことが増えてしまうのです。
このワーキングメモリーは、生まれつきの脳の機能です。
これを、鍛えて向上させていくことは、
今のところ難しいといわれています。
ここで、助けになるのが、長期記憶です。
ある課題を行うための、知識や方法を長期記憶として
定着させておくことで、その課題を克服でき、
開いたワーキングメモリーを別の情報処理に使うことが
できるということです。
長期記憶に情報を定着させる方法としては
何度も、繰り返しその課題を行う。
他の人に教える。
定期的にテストして確認するなどがあり、
前回お伝えした習慣化もその一つです。
子どもが今どのくらいワーキングメモリーの
力があるのか、大まかに判断する方法として
私が日常使っている方法をお伝えします。
それは子どもが発する言葉の数を観察します。
『ママ』『ブーブー(車のこと)』など、いわゆる1語文
『ママ、来た』『これ、ナイナイ』など2語文
このように会話で出てくる、言葉数をワーキングメモリーの
目安として考えます。
何か、指示を出すときは、これと同じ数か、一つ少ない数で伝えます。
2語文が出はじめてきた2歳の子どもに
『出かけるから、早く朝ごはん食べちゃってね、公園に靴はいていくよ~』
これだと、指示としては伝わりにくい。
覚えておく言葉数が多く、ワーキングメモリーで、
処理できる範囲を超えてしまうので
『?』
指示が伝わらないということになります。
この場合できるだけ、2語文までで、大事な事を具体的に伝えます。
『〇〇を、食べようね』
前後のことは、その食事中には関係のないことなので、
タイミングを見て必要な時に伝えます。
関わる大人が子どものワーキングメモリーを意識すると、
声掛けの仕方が、具体的になり、整理されて、
無駄な指示出しが少なくなります。
大人の指示出しが減ると、
子ども自身が考える時間が増えてきます。
このような、時間は、子供の成長にとって
重要だと考えています。
さらに、長期記憶にとどめようとするなら、
目に見える形で伝えると効果的です。
絵や、写真を使うなどの方法や、メモに書き留めておくなどが
できるようになると、断然生活がしやすくなります。
脳のメモ帳が小さい部分を、実際のメモ帳や、
長期記憶の場所を使って補うわけです。
私も、大事なことをずっと覚えておくのは苦手です。
実際の手帳や、スマホのメモ帳を頼りにしています。
もしも、子どもがワーキングメモリー力が低いかもと思ったら
その子に合わせたサポートの方法を探してみましょう。