シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
昨日、祖父の病院の待合室で、
ちょっと嫌な気分になったことがありました。
突然、病院スタッフに向かって大声で
怒鳴り始めている男性がいたからです。
指示された時間に来たのに、いつまで待たせるんだ、
何のために、時間を決めているのかと
自分が待たされていることの苛立ちを、
看護師や受付の人に大声で訴えています。
静かな待合室で、大声でスタッフを威嚇するように
人前で怒鳴りつけている姿を見て、
残念に感じてしまいました。
どんな、理不尽な理由があったとしても、
怒鳴りつけて人のせいにしたところで
何が解決するのでしょうか?
何か、自分に不利なことが起きた時、
こうやって解決するしか方法を
学んでこなかったのでしょうか?
自分を大きく見せることで、
得した記憶もあるのかもしれません。
自分の状況をわかってほしい、
認めてほしいという気持ちも強いのでしょう。
一緒にいた妻と母親らしき人も
近くでその人の行動を見ているだけでしたから
きっと、今までもこのような行動を黙認してきたのでしょう。
つまり、暴力を肯定しているわけです。
言葉による他人へ暴力を目の前にして
親族がそれを阻止できないという
家族の機能不全状態が起こっています。
どんな理由があっても、
人の心や身体を傷つけてはいけないということは、
乳幼児期からしっかりと教えるべきことです。
子どもの暴力を見た時には、大人は毅然とした態度で、
暴力はいけないという一貫した態度を示すことは
重要な事だと思います。
しっかりした親ほど、このことを子どもに伝えようとするあまり
『ダメなものはダメだと、強く叱らなくてはいけない』と
厳しく関わってしまいがちです。
けれども、怖い表情で、
強い口調で怒るべきではありません。
その都度、強く叱りつけることが、
暴力を肯定させてしまう誤学習の
機会になってしまうのです。
親にこのように言い聞かされた子どもは、
同じように相手に暴言や暴力で自分の我を押し通そうとしたり、
逆に屈するようになるかもしれません。
子どもは、感情のまま人をたたいたり、
わざと人の困ることをして挑発するような
行動をとることがあります。
それは、成長過程で当たり前の行動です。
その事に、あまり過剰に反応しすぎずに、
一貫して暴力はいけないという態度を
冷静にとり続けていくしかありません。
行動をとってしまったら、
それはいけないことだとはっきり伝え阻止します。
親が子どもの暴力の徴候に気づくことがありますので、
間に合えば、暴力を使う前に阻止します。
軽く目で、合図を伝えるだけで、
抑えることもできるようになります。
そのような経験の中で自分で暴力に気づけるようになり
コントロールができるように育っていきます。
親に大事なのは、子どもを信じる気持ちです。
子ども自身が、暴力を使わなくても、
自分の要求を伝え、相手にも理解してもらう方法を
身につけることができると、信じる事です。
子どもが暴力でない方法で対応できたときほど
しっかりとその行動がよかったことを伝えていきましょう。
大げさにほめる必要はありません。
実際は、当たり前のことなんですから。
その行動のどういった判断がよくて、
その結果が良い方向になったということを
わかりやすく伝えていきましょう。
簡単に一回で学べることではなくて、
経験を繰り返し、我慢の力や広い視野ができてくることで
暴力を使わずに問題解決する力がゆっくり育っていきます。
昨日であった男性のような大人であることは、
本人が一番不幸せだと思います。
皆に心から愛される人間に育ってほしいと思います。