シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
子どもが不登校や、うつ病などになってしまうという
問題がクローズアップされたのはいつからでしょうか?
今では、小学生のおよそ10人に1人、中学生になると10人に2人が
抑うつ傾向にあると言われています。
10代の前半くらいから多くなり、
小学校の高学年では男の子、中学生に入ると女の子に
増えてくる傾向にあるようです。
うつ病はひきこもりや不登校、非行などにつながる場合もあります。
子どものうつ病の原因はわかっていませんが、
子どものうつ病は周囲の環境(勉強、友人関係、家族関係、近親者の死など)に
大きく影響を受けるようです。
今回は、子どものうつ病引き起こさないために
私が大事だと感じていることをお伝えしようと思います。
生きていく間には、環境の変化や、人間関係のトラブルなど、
避けて過ごしていくことはできません。
そして、それは、楽な事ばかりでないし、
辛く大変なことがあることを
親は充分にわかっているはずです。
親の育児のタイプはここで2つに分かれます。
だからこそ、失敗やトラブルを小さいうちに経験をたくさんさせて、
自分で考えて乗り越える力をつけていこうと思うタイプ。
だからこそ、子どもが傷つかないように、
しっかりと守ってあげなくてはいけないと思うタイプ。
どちらも、子どもを愛しているからこその発想です。
このような違いは、親自身の観念の違いから生まれます。
親が体験してきたことや、感じてきたこと、
それまで、親の心の奥に入り込んでいる思い込みが、
子どもへの関わり方として、表れてきます。
例えば、失敗することはよくない、
けんかをしたら、よくない
勉強はきちんとしなくてはいけないなどの
観念が強い場合、その観念を子どもに植え付けようとしてしますから、
しつけという名のもとに、このように子どもをコントロールしてしまいます。
これが、いきすぎると過干渉や過保護の状態になります。
昔は子どもの養育は、主に母親が中心でしたが、
今は、父親の方も育児に積極的な家庭も多く、
母親が2人いるような状況で、子どもの数も少ないですから
子どもへの干渉が意識しなくても過剰になっている場合もあります。
危ないことを予知すると、先回りをして
危険を回避してしまう、
お友だちとトラブルになれば、解決するために親が介入してしまう
間違いを起こさないように、指示出しが多くなる。
このような養育環境は、子どもの決定権は奪われ、
トラブルが、なぜ起きたのか、どのように解決するのかを
学ぶ機会を奪ってしまいます。
つまり、『生きる力を奪っている』のです。
乳幼児の期間はいつでも親と行動しますから、
子どもの方も親の言うことをきいているうちは
安心、安全なため、居心地の悪さはありません。
ただ、小学校に入ると突然一人の時間が増え
そして、心も成長して複雑な思考も働くようになります。
失敗や、思い通りにならない経験を初めて体験することで、
解決する力がない子どもは、無力感を感じ、自分はだめなんだと
追い詰められていきます。
親に打ち明けようとしても、
失敗している自分、勉強についていけない自分、
友達とうまく付き合えない自分は、
親の持っている観念に逆らうことになっているので、
だめな自分という感覚をさらに強くし、相談することもできません。
特に、ADHDの特性を持つ子は、
親の観念を揺らがすような行動を目の前で繰り返してしまいます。
当たり前の枠からはみ出ないように、
周囲の人間が注意を払うことが増え、
結果、過干渉になってしまうこともあります。
ダメ出しばかりが増えていて、子どもの自信を奪っていきます。
このようにして、子どもの心が壊れていってしまうのです。
私が子育てで注意してほしいことは、親の観念を押し付けない事。
親がこうあるべき、普通はこうであるという思いは、
あくまでも、親自身が感じる思い込みに過ぎないことだと
自覚することが大事だと思います。
これを意識しないと、子どもをその枠に囲い込んでしまうようになって、
子どものやることに干渉するようになるからです。
子どもが何歳であっても、過度な干渉はおすすめしません。
小さい頃から干渉しすぎると、一見しつけはうまくいくかもしれませんが、
行動するときに親の顔色をうかがたり、
自分の思い通りに動くことを抑えてしまう子どもになってしまいます。
どんなに小さな子どもでも、何もわからない未熟な人として扱うのではなく、
自分の人生を自分で決めていく力を持っていると信じて、
そのための見守り、サポートをしていくことが育児であって、
うつ病から子どもを守る為にも大切だと私は思います。