石鍋てるみです。
雨の日が続いています。
乾燥した空気がしっとりして
足のカサつきが落ち着いてきて
ありがたいです。
昨日、榊原郁恵さんの記者会見を
拝見しました。
とても、丁寧に周囲の方々に
配慮されたお話で、あたたかい記者会見でした。
故人 渡辺徹さんのことを
時折面白おかしく思い出を振り返る場面もあって
本当に、すっきりしたお気持ちで
お見送りできたんだなと感じました。
一方、ただ悲しみだけに苦しんでいる方もいます。
夫をがんで看取りを経験した奥様のお話です。
彼女はギリギリまで、衰えていく夫の姿を
受け入れられず、なんとかすれば
回復して以前の元気な姿に戻れるはずだと
ありとあらゆる治療法を探しては
必死になって取り入れ、
看病を続けてこられていました。
看取った後も、自分が至らなかったからではないか
こうしたらがんにならなかったんじゃないか
これから、自分はどう生きていけばいいのか
そんなふうに、嘆いている姿を見せていて
今にも、後を追ってしまいそうで
見ていられないそうです。
人を看取る時、
たくさんの学びを受け取ることができます。
人は必ず死を迎えます。
それを止めることはできません。
死をどうやって受け止めるのかは
人の考え方しだいで、その経験を活かすも殺すも
厳しいようですが、その人次第なんですよね。
当事者が乗り越えていくしかない問題です。
自分の死への観念が、
死にゆく人への想いと重なります。
死を人生の敗北と捉えるのか
ゴールと捉えるのか、
旅立ちと捉えるのかによっても
全く違ってきます。
そして、看取った方の人生を振り返ることで
自分の今の生き方を見直すことができるはずです。
その人が、どんな価値観を持って生きてきたのか
大事にしてきたのかを想像することで
自分のこれからの生き方のヒントを
たくさん得ることができます。
現代は、人を看取る機会がなくなっています。
特に、コロナ禍では、益々その機会が奪われています。
死を身近に感じること、愛する人を看取る機会を
もっと多くの人が経験できる社会になって欲しいと思っています。
もうひとつの仕事。
『保険外看護サービスコミナスサポート』も
可能な限りご自宅での介護、看取りを
サポートしたいという思いから立ち上げたものです。
私も、義父をちょうど一年前に看取りましたが
あの時の気持ちを再び思い出しました。
亡くなっていくことは悲しいのだけれど
どこか、肉体は離れても
いつも、そばで私たちを見守ってくれることは
変わらないという安心感があって
どこか明るい気持ちだったのを覚えています。
家族がみんなで、義父のベッドを囲んで
笑顔で ピースサインをしている写真。
これを見ると、その翌日に
息を引き取ったとは思えないです。
義父も意識は不鮮明だったはずなのに
微笑んでいるように見えます。
この看取りの時間があったから、
私は自分の人生を見直し
実際に行動を起こすことにつながりました。
今週末は1周忌。
この1年間家族みんなが
父の思い出話を笑顔で話せること、
そして、自分たちが前向きに頑張ってきたことを
報告できることを楽しみにしています。