グレーゾーンの子どもへの対応 コミナスブログ

多動の改善に親ができること

投稿日:


シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。


落ち着きのない子、
じっとしていられない子は
集団生活の中では
注目の的になりがちです。

すぐ席を立ってしまうとか、
椅子に座っていても、
身体を揺らしガタガタ音を立てたり
キョロキョロ周りを見回したりして
迷惑をかけてしまうからです。


見守っていないと
教室を飛び出てしまうから
必ず誰かが傍に付き添いが
必要だという子もいます。

多動傾向の強い子です。

このような場合、
どうにかして好ましい行動に
改善しようと
親も指導者も必死になります。

椅子の工夫をしたり、
集中できるような環境を整備したり
見守り体制を整えたり、
子どもが集団の中で
迷惑行動を取らないように
計画し、指導していきます。

注意したり、叱ったり
することもあるでしょう。

こうやって子どもの困った行動に注目して
どのようにすれば、
ちゃんと授業中座って参加することができるのか
立ち歩くことがなくなるのかに
指導目的が向いてしまいがちです。

もちろん、それも大事な関わりです。

でも、それだけでは、
子どもの多動は改善できません。

目先に問題だけを
無くそうとするだけではなくて、
もう少し手前の段階への
アプローチを忘れてはいけません。

じっとしていられない
動きたくなってしまうのは、
その子にとって必要なもの、
居心地がいいものなのです。

だから、やってしまう。

どうして動かないことが
不都合なのか?

それはその子にとって
苦痛だと感じることだったり
気持ち悪いことだからです。

動かないことが苦痛になるのは
どうしてなのか?
その原因を解決するような
アプローチも並行して行うことが
必要になります。

現時点では、なぜこのように多動の強い子に
なってしまうのかははっきりしていません。

生まれつきの脳の発達の偏りが
関係していると考えられていて
育て方やしつけによって
起こるものではないと言われています。

生まれ持ったものだからといっても
そのまま自然に任せ
見ていることはできないでしょう。

やはり、その子が社会に出ていくためには
適応できる方法を探し、
可能な限り改善していきたいと思うのが
周囲の大人の気持ちです。

子どもを叱ることが増えると辛いですし、
少しでも、改善したいですよね。

もちろん、それができるから、
療育、教育があるわけで、
私も今までの経験から、
改善は可能だと考えています。

私が今まで関わってきた
多動傾向のある子どもたちの多くは
自分の身体のイメージを捉えられていない
という傾向がありました。

重心が身体の芯で捉えられない、
体幹がしっかりしていない子や、
手足の位置もイメージできていない子もいます。

日常生活の中で、自然と自分の動きを
コントロールできるようになるのが、
普通の子だとすると、
多動傾向のある子どもは
脳の機能が未熟なため、
その感覚を捉えるのには
余計に時間や経験回数が
必要な子どもだと考えています。

ですから、意識して感覚刺激を与える時間や
経験を増やしていくことで
脳の機能を活性化し、発達を促すことができると
考えています。

この自分の身体のイメージを
正しくできるようになって
思った通りに動かせるようになったり、
重さを克服できる筋力が
養われてくることで
長時間姿勢を保つことが安定し
椅子に座っていられるように
なった子もいます。

足をぶらぶらさせたり、
いろんなものにすぐ注意がふられることも
軽減した子もいます。

基本は、全て脳の神経回路を
好ましいルートに作っていくことだと思います。

それには、多様な刺激を受けることが必要で
それは、五感で感じるやさしく繊細な感覚から
積み上げていくことが重要だと考えます。

その刺激に対して
好ましい対応をするという繰り返しの中で
回路がしっかり出来上がってくるし、
刺激への耐性も出来上がってくると思います。

難しいことは、考えなくても
とにかく、
多様な五感を使う経験を増やすことが
多動の改善には重要だということです。

親ができることの一つ目は
多様な五感を使った経験を意識して関わる。

自然の風景、音、感触、匂い、味、
そんな経験を増やしましょう。

テレビ、ゲームなど
視覚優位な刺激ばかりを与えることは
その回路ばかりを強化します。

これは多動傾向を悪化させることに
つながっています。

そこでもう一つ。
デジタルデトックスです。

デジタルデトックス
親が真っ先に行うことができる
多動の改善策です。

そう言われて、どこまで実践できるかは
親の考え方次第。

子どものために、一緒に取り組むのか
子どもの問題だと子どもだけに要求するのか
改善は人任せにするのか。

いくら立派な療育施設で
定期的に指導を受けられても
子どもの生活のほとんどは家庭です。

家庭が変わらなければ、
絶対に子どもの改善は望めません。

でも、家庭で正しい関わりができれば
子どもは絶対に変わります。

厳しいようですが、
親が一緒に変わろうとしなければ
子どもの改善は見込めません。

実際、甘くないのです。

実際、家庭で続けるのは
大変なことだと理解しているつもりです。

ですから、家庭での関わり方を
保護者の方と一緒に考え
サポートできる存在になりたいと
思っています。

子どもの将来のために
親がじっくり関われるのは
乳幼児期しかありません。

少しでも、好ましくない行動があれば
その改善のために
悔いのないように関わって欲しいと思います。

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