シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
一時期、セミがうるさいくらいに鳴いていたのに、
少し聞こえなくなってきました。
セミと言えば、思い出すことがあります。
長男が4歳くらいのときだったか?
玄関先に子どもが集まって、何やら騒がしいなと思ってみてみると、
長男が一匹の弱って飛べなくなったセミに、
虫メガネを使って、焼いていて、
ジージーと逃げるセミの姿を見て、喜んでいたのです。
この子はなんて残酷なことをして、笑っているのか、
異常なんじゃないかって
一瞬怖く感じたことを覚えています。
でも、次の瞬間、自分の幼いころも結構、
同じように虫を殺したりして遊んでいたことを思い出し、
冷静になったという経験があります。
小さい子どもは、ダンゴムシや、アリを踏みつぶしたり、
集めて水につけちゃったり、
平気でかわいそうな事をしてしまうものです。
そんな事をしている姿を見てしまうと、私が一瞬そうなったように
子どもの将来のことまで不安を感じてしまう人もいると思います。
特に、親自身が、このような経験をしなかった人の場合は、
特に不安になるかも知れません。
大きくなったら、人を傷つけても平気な人になるんじゃないか、
犯罪者になっちゃうんじゃないかとまで考えてしまうかも。
でも、乳幼児のこどもは、
そういうことをしても平気な時期なのです。
命というものの存在をまだ理解することはできていません。
動く虫は、動くおもちゃと同じ感覚で、
見ていると思っていいと思います。
ですから、やめさせようと、子ども教える時に、
まだ、命の尊さを説いて理解させるのは、難しいのです。
かといって、そのままやらせておくということも、
違うと思います。
この頃は、難しい理由を言い聞かせるよりも、
遊びで、むやみに生き物を殺してはしてはいけない事を
しっかり教えておく必要はあります。
弱いものをいじめたり、
傷つけることはいけないことだという事は、
当然な事として、毅然と対応していけたらと思います。
大騒ぎしたり、強く否定するように、親が激しく反応すると、
かえって、子どもは楽しく感じてしまい、エスカレートする
事もあります。
注目行動として学習してしまうのです。
やってほしくない行動には、毅然と、落ち着いて、
それはダメなことだとはっきり示しておきながら、
あえていつまでも注目し続けない事が
長引かせないコツかも知れません。
理解が進んできたら、
『そういうことをすると、ママは悲しい気持ちになるよ』という、
人の気持ちも伝えると、子どもの思考も広がってきます。
命を感じることができるのは、
小学校低学年くらいからといわれています。
それまでに、不器用ながらも多くの生物と関わっていくなかで、
そこに、命が存在していたということに、気づく時が来ます。
きっとあなたにも、あったと思います。
子どもの発達を信じて、乳幼児期はたくさんの生き物と
触れ合う機会を作ってください。
いろんな生き物のキャラクターが出てくる映画なども
想像力を広げるので見せて、感想を語り合うのも
いいと思います。
まだ、生と死を実感としてとらえられなくても、
経験しておくことで、命の存在が実感できた時
その子なりに考えるきっかけになると思います。
虫を殺す姿をみても、過剰に心配しないで大丈夫です。
あの時、将来を心配した長男は、
やさしい青年になってくれています。