シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
夏の暑さの中で、冷たいかき氷や、
冷たい飲み物をとり機会が増えますね。
発汗も多いので、身体が水分不足になりやすくなっています。
毎日、気をつけて、子どもに水分をとらせているはずなのに、
便秘になっている子どもはいないでしょうか?
水分をいっぱい補給しているはずなのに、
ただおしっこが増えるだけなんてこともありますよね。
食事や水分補給など気をつけていても、
便秘になってしまう子どもには、
もう少し積極的なアプローチが必要です。
方法をお伝えする前に、子どもの便秘について、整理しておきますね。
便秘と判断する時の目安として
・ 排便の回数が週3回より少ない
・ 便を出すときに痛がって泣く、または硬い便を出したことがある
・ トイレに詰まるような大きな便を出したことがある
・ うんちをするときに、痛がる
・ 痛みがあるため、トイレを我慢する
・ お腹を触ると、下腹部に便の塊のようなものがある
排便時に痛みを感じる経験をすると、
怖くて便意を我慢するきっかけになってしまいます。
また、うんちが溜まって直腸が広がることで
通常は便意を感じるのですが、
ずっと溜まっているとそのことに直腸が慣れてしまい
便意を感じにくくなってしまいます。
このようにして、悪循環に陥る子どもが増えています。
便秘状態を繰り返していると、
腸の周囲に古い便が付着して詰まっているのに、
その隙間を通れる分だけが排泄されている
便塞栓という悪化した状態になってしまう場合もあります。
症状として以下のようなものがあげられます。
・ 少量の硬いうんちが出ている。
・ 肛門、おしりの周りや、パンツにうんちが付着する
・ うんちがなかなか出ないのに、下痢便である。
・ 力んでいるのにうんちが出ない。
・ 最後の排便から1週間近く排便がない。
・ 少量の便がなんども漏れる
・ 口臭が臭い
・ げっぷが増える
便秘のサインを見逃さず、早めに対処して
排便=痛いこと
というイメージを与えないようにしましょう。
便の形状を判断する時に使うのが、
英国ブリストル大学のHeaton博士が1997年に提唱した
「ブリストルスケール」というものがあります。
これは国際的に使用されている基準になっています。
この段階の3~5の段階にうんちの形状があることが正常です。
目安にしてみてください。
便秘は腸内環境が悪い状態です。
腸には約6割の免疫細胞があるので、
免疫力が低下し、風邪やアレルギーといった症状も招きます。
また、脳腸相関といって、腸と脳は密接に関係しあっています。
胃腸症状と精神症状に相互関係があるわかってきて、
胃腸症状が原因となり精神症状(抑うつ、不安、パニック、イライラなど)を
引き起こすことがあるとわかっています。
ASDやADHDの子どもの治療として、
腸内細菌を整え、腸内環境を改善する方法も行われています。
腸内環境は子どもの健やかな成長・発達に関わります。
【たかが便秘。そのうち治る。】と思わずに
便秘をしっかり予防しましょう。
それでは、便秘予防にもう少し積極的に工夫できることを
いくつかお伝えします。
1 子どものお腹をマッサージする。
子どもを仰向けに寝かせて、足元に座ります。
人差し指、中指、薬指の3本をお腹の面にそえて、
反対の手で、少しお腹がへこむ程度にやさしく押しては,
離しを繰り返しながら「の」の字を書くように押してください。
おへそあたりからスタートして、
脇腹→あばら骨の下を横に通って、下へと
子どもが気持ちよくなるように繰り返します。
くれぐれも強く押さないようにしてくださいね。
行うタイミングは朝の方が、習慣づけにはいいかもしれません。
2 朝起きたら、お水を飲む。
胃・結腸反射を利用する方法です。
朝は、この胃・結腸反射が強く起こりやすいときです。
この刺激で、腸が活発に動き出します。
3 排便時の姿勢を見直す
洋式の大人用トイレを使っているようなら
便座の足元に、お子さんの足が少し持ち上がるような台を
置いてあげてください。
足を、下におろしたままより、少し足を上げると、
直腸がまっすぐになり、排便しやすいようです。
4 排便チェック表を記入する。
いつ便をしたか聞いても、はっきり覚えていない場合があります。
発達の特性のある子どもは、腸内環境を崩しやすいのに、
自分の身体の異常にも気づきにくいという面もあります。
便を自分で確認することは、自分の健康状態を見るうえで
大切なスキルになります。
トイレを使用するようになったら、
うんちが出た日にカレンダーにご褒美シールを貼ったり、
するのも、目に見えるのでおすすめです。
だんだんとうんちの形状も合わせて
確認できるように工夫しましょう。
5 食事に良質なオイルを取り入れる
エクストラバージンオリーブオイルを食事に取り入れてみましょう。
整腸作用があるオレイン酸が豊富です。
スープやみそ汁に入れるのも簡単にできるのでおすすめです。
6 運動する。
やっぱり運動は大事です。
その場で、ウサギさんみたいにジャンプするだけでも、
腸はマッサージされます。
また、和式トイレを使うときのようにしゃがむ動作も、
肛門周囲の筋肉や、腹圧をかける時の筋肉を鍛えられるので、
取り入れてみるといいでしょう。
7 胃腸をあたためる
冷たいものばかりとっていると、胃腸の動きは弱まります。
夏でもお腹に手を当てると冷たくなっている子もいます。
暖かいものを食べたり、おなかが冷えないように注意しましょう。
子どもの便秘予防には、大人の関わりが重要です。
『今日は、どんなうんちが出たのかわからない』という人は、
少し子どもの排便に注意を向けてくださいね。