シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
あなたは、今まで人生につまづいた経験はありますか。
大きな出来事でなくても、誰でも自分の思い通りに
いかなかったことがあるのではないでしょうか。
部活動でレギュラーになれなかったこと
受験に合格できなかったこと
自分が好きな人に思いが届かなかったこと
やりたかった仕事に就けなかったこと
人生には色んな事が起こりますが、
そんなことがあって今のあなたがつくられているのです。
そして、いつの間にか自分の中にこうでなくてはいけない、
こちらの方が正しいというような、考えを刷り込んでいきます。
みんな、自分の心に印刷してきた考え方が正しくて安全だと思っています。
でも、子育てが始まると、この考え方に合わない行動を子どもがとることで、
感情が揺さぶられる経験をします。
特に、発達障害グレーゾーンの子どもは、
一見何も他の子どもと変わらないのに、
行動が常識外れだったり、
その場にそぐわない反応をしてしまうことが多いです。
親としては、（どうして、こんなことができないのか）
（こうするのが当たり前だ）という
自分の当たり前、こうあるべきという思いとのギャップに
苛立つような苦しい感情をもってしまい、
子どもを叱ったり、親としての自信がなくしてしまうのです。
月に数回の療育機関に通っているお母さんから
『子どもへの関わり方のコツを教えてもらってやっているけどよくならない』
『行っても何をしているのかわからない』
『これでよくなるのかと不安になる』といった言葉をききます。
療育は、今の子どもの課題が直ぐになくなるといった
即効性のあるものではないですし、
結果が目に見えるものでもありません。
もちろん、療育的に発達障害の特性に合わせたかかわりを
実践することは大事ですが、それは、一つの手段で、
子どもがどのように受け止め変わっていくのかは子ども次第。
そもそも、他人を変えていくことはできないのです。
それよりも、大切なのは
子ども自身がお母さんにしっかり守られていると実感できる
安心できる場所をもつことです。
どんなに、良い療育を受けられても、
毎日近くにいるお母さんが、子どもを治そう、
周りから外れないようにしようと頑張っている場合は、
残念ですが、上手くいかないケースが多いという印象です。
子どもを今より良くしたい、
普通の子どもと同じように過ごしてほしいと思うのは、
今の子どもを全否定しているからです。
『あなたはこのままではいけない』と、ずっと伝えていることになります。
そしてそれは、お母さんの思う、
『普通の子になってほしい』『人から迷惑だと思われたくない』
ということだったり、
『親としての他人からの評価が気になっている』ということの
表れだったりします。
その思いは、言葉で言わなくても、目配せ、態度などから、
子どもは敏感に受け止めています。
子どもは、お母さんに見捨てられないように
お母さんに気にいられるために頑張ります。
愛情をもらおうとします。
それを繰り返すうちに、お母さんの思った通りの普通ができないと
自分が悪い子のように思え自己嫌悪に陥ります。
自己嫌悪が強く、いつも、お母さんの顔色を気にしている子どもは、
自分の心を開放することができません。
その結果、発達を伸ばすことができなくなります。
更に問題行動が増えてしまったり、
思春期には、全く言うことを聞こうとしないという結果になってしまいます。
子どもが、今のままの自分をお母さんは受け入れてくれるという
安心感を得ることが、その子の成長を促すための土台になります。
この部分をつくるのは、乳幼児期しかありません。
それ以降で築きなおすのは、とても労力が必要になります。
ですから、早いに越したことはありません。
ありのままの子どもを受け入れるために絶対に必要な事があります。
今日のアドバイス
お母さん自身の普通、こうあるべきという思い込みを捨てる。
あなた自身の思い込みは、あなたが生きやすいために学んできたこと。
こうでなくてはいけない、普通はこうあるべきという考えに
別の見方はないだろうかと考えてみましょう。
この思いを捨てることで、グレーゾーンの子どもの育児は
大きく変わってきます。
今の子どもをそのまま認められることで、
その子どもの発達の芽が伸びる環境が整います。
これができないと、グレーゾーンの子どもの子育ては特に辛く大変になります。
これができると、あなたの見る世界が大きく変わり、
親としての自分が成長するのが分かります。
あなたは、どちらを選んでいきますか？
