シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
5月も半分が過ぎました。
梅雨の時期になって、天気もすっきりしない日が続いています。
さらに、今年は新型コロナウイルス感染症のため、
社会の状況が落ち着かない状況です。
あなたの子どもは、いつもと変わらず元気でいるでしょうか?
『なんだかいつもと違う感じがする』と感じたら、
一度、様子を観察してみましょう。
・朝起きられない
・登園・登校したがらない
・食欲が湧かない
・不機嫌になりやすい
・いつもより甘えてくる
・これまでしていたことができなくなる
・夜眠れなくなる
・めまいや頭痛を訴える
こんな様子はないでしょうか?
もし、心当たりがあれば、【五月病】かもしれません。
五月病は、大人だけがなるものではないのです。
全部の症状がいっぺんに現れるということはありません。
上の症状の中で、ひとつでも当てはまる行動があれば、
注意深く様子を見守ってあげてください。
【五月病】は正式な病名ではありません。
新年度に入ってちょうど5月の連休が終わった頃、
先にあげたような症状があらわれることを総称して【五月病】と呼びます。
怠けているような印象を持つ症状もありますが、
もちろんそうではありません。
小さい子どもは、調子が悪くても言葉にできないでしょう。
周囲の大人が気づいて、早めに対応することが大事です。
今日のアドバイス
生活は、子どものペースにあわせる
焦らせたり、頭ごなしに子供を問い詰めたり、
叱ったりすることは、症状を悪化させます。
なるべくゆっくり、子供のペースに寄り添ってあげるようにしましょう。
子どもの五月病に対しては、次のことを心がけてみましょう。
◎ゆっくりなこと、できないことを責めない
五月病になると、今までできていたことができなくなることがあります。
動きもなんだかゆっくりで、怠けているように見えるので、
見ている大人はイライラしてしまうかもしれません。
こんなことではいけないと、大人は焦ってしまいがちです。
でも、グッと我慢しましょう。
子供ができないこと、やる気にならないことを受け入れ、
見守りましょう。
『大変なときは、手伝うことができるよ』と、
頼れる場所があることを伝えてあげましょう。
そして、できていることは、『~ができたね』と認めてください。
受け入れられているという感覚は、子どもに安心感を与えます。
◎スキンシップを取ったり、会話の時間をとる
スキンシップや家族、友達との団欒、楽しい会話は、
ストレスを軽減させるのに有効だと言われています。
幸せホルモンと呼ばれる脳内物質「オキシトシン」が働くことが理由です。
子どもとお話しするのもいいですし、
抱きしめたり、手を握ったりするなどのスキンシップを取ってみましょう。
注意してほしいのは、子どもがそのことを必要としているかです。
大人の思い込みだけで、接触を求めても、
子どもは、それを不快に感じている場合があります。
子どもと会話する時も、子どもの心の中を知りたい気持ちが勝って
『何して遊んだの?』『給食何食べたの?おいしかった?』
『どこか、変な感じや悪いところない?』
気がつくと尋問のようになってしまっている場合があります。
子どもが求めてもいないのに、話しかけたり
スキンシップをとることは、かえって逆効果になることもあります。
それをするくらいなら、何もせず、
見守りに徹していた方がましなくらいです。
あくまでも、子どもが求めているのかの見極めが大事です。
子どものニーズをよく観察しましょう。
◎ 子どもの要求には、すぐ応える
夕飯の支度をしているとき、何か用事をしているときに限って、
子どもが話しかけてきたり、そばに寄ってくることってよくあります。
大人も、余裕がない時が多いので、
つい、簡単な扱いで済ませがちです。
でも、ここは、できれば用事から手を止め、
子どもの方に身体と目を向けて、「なーに?どうしたの?」って
応じてあげてください。
子どもから求められた時は、信頼つくりのチャンスです。
逃さず、応えましょう。
最初の一声を一度、しっかり受け止めるか、そうでないかで、
子どもに伝わる印象は全く変わります。
できれば、その要求にすぐ応じることが理想ですが、
できない時は、いつならいいのか約束します。
そして、その約束は必ず守ります。
こうやって、小さな子供の要求に、しっかり応えようとすることで、
子どもは、安心感を持っていきます。
自分で、モチベーションを保てるようになってきますから、
やたらと、まとわりつくことも減ってきます。
◎休息と栄養をとる
心の不調は、体の不調と関係していることがあります。
睡眠が浅くなることがあるので、日中に体を動かす、
日光を浴びるなどして、眠りやすい環境を作ってあげましょう。
【五月病】には脳内の神経伝達物質のセロトニンの不足が
かかわっているといわれています。
セロトニンは睡眠や精神安定にかかわる物質で、
不足すると睡眠障害や不安感、抑うつ状態などが生じやすくなります。
セロトニンは体内では生成できません。
必須アミノ酸のトリプトファンから作られるので、
肉や魚・バナナ・乳製品や大豆・大豆製品、大豆以外の豆類、ナッツ類など
意識して食事に取り入れましょう。
食欲がない場合、無理に食べさせるのはやめて大丈夫です。
消化機能が落ちてしまっているのでしょう。
胃腸を休ませることを、身体が求めているのだと判断します。
子どもが食べやすそうなもの、好きなものを用意してあげるなど、
ゆっくり工夫してすすめて、無理強いしないようにしましょう。
そして、早寝、早起きは必須です。
親も一緒に早く寝てしまいましょう。
十分な睡眠は体も心も回復させます。
以上の点を参考に対応してみてください。
【五月病】は、頑張りすぎたり、几帳面だったりする子どもが
かかることが多いそうです。
発達の凸凹ちゃんの中には、常に緊張が強い子も多くいます。
大人は、焦らせない事、その子のペースにあわせて、
全体が進むように、遠くから調整していくように
ペースを作っていくことが必要です。
支度がゆっくりの子がいるなら、
朝の時間をたっぷりとれるように、
大人の支度は先に済ませておく、
出発の時間を10分早めにした流れに設定して、
大人に余裕が持てるようにしておくなど、
他の部分で子どものペースをサポートできる工夫が有効です。
また、家庭で子どもの様子がおかしいと思う場合は、
園や学校の先生にも様子を伝え、
子どもへのフォローを一緒にできるようにするといいですね。
先生も家の状況が分かって、助かると思います。
親の目が届かない場所でも、見守ってくれているという
安心感につながります。
だるそう、やる気がなさそう、食欲がないなどの症状は、
【五月病】以外でも起こりえます。
また、【五月病】も放っておくと
本格的なうつ病になってしまう可能性があります。
ちょっと気になる症状がある、様子を見ても本調子にならない場合は、
放っておかず、かかりつけの小児科や専門家に相談してみましょう。