シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
認可保育園では
デイリープログラムがあって、
朝の会、主活動、昼食、お昼寝、
自由遊び、お帰りの会と
毎日決まった流れの中で
1日が流れていきます。
主活動は、保育士が計画した
保育活動に沿って
一斉に同じ活動を行います。
保育指針に沿って、
発達段階ごとにめあてがあり
年齢別に活動のレベル
内容が計画されています。
リーダー保育士を中心に
各クラスの子どもの発達の様子
特性を踏まえて、計画されています。
(いや、計画されているはず。)
保育園と一言で言っても
実際の活動内容には特徴があります。
また同じ園の中でも計画する保育士の
レベルによってグレードは変わるのが
現実です。
これはどの業種でも同じでしょう。
専門性の高い保育士もいれば
そうでもない、保育士もいます。
特に、集団保育では、
子どもの発達は遅い、
早いということはもちろん
得て、不得手、特性が強いなど
個々全く違います。
そのあたりを、踏まえて
個別対応もしながら
一斉に保育していくのは
本当に大変な仕事です。
どうしても、全員が同じように
クリアできる線で
保育を進めていくことになります。
発達の遅い子は、
補助をつけられればいい方で、
手が回らずに、とにかく参加していれば
OKとしなければいけない現実も出てきます。
制作なんか、最後の仕上げを
先生がほとんどやって、
みんなと同じ仕上がりにしていまい、
もはや子どもがその製作で得るはずの経験を
製作物を完成させる事が目的になっているのでは?
というような状況も目にしたりします。
外はいいお天気でも
今日は、ホールで跳び箱の計画だから
外遊びはしないといった事も起こります。
子どもの主体性を育みましょうと
保育指針が変わった時から
意識はされてきてはいるものの
子どもは、制限管理されているのが現実。
いろんな保育園があって、
方針も様々でしょうが、
安全に生活することを重要視しすぎると
どうしても管理、制限が強くなります。
ある意味、仕方のない面もあることは
理解しているつもりです。
それでも、乳幼児の1日を
こうやって過ごすことが
子どものためなのかなと
思っていました。
時間に区切られた生活。
みんなと同じをよしとする活動。
制限、管理の枠の中でしか自由にできない環境。
保育の世界に踏み込んでから
ずっと馴染めず違和感を感じながら
過ごしていました。
怪我をさせないこと。
安全第一。
もちろん、大切なお子さんです。
当然安全にお預かりする
責任はあります。
でも、そのために、
子どもが自分で階段を登りたいと
意欲を示したときに
怪我を防ぐために、一人ではやらせないとか
手を繋なぐことは必要なのか?
走り回って、転んで膝を擦りむいたことを
まるで、悪いことをしてしまったように
保護者に謝っている職員もいました。
そこまで、子どもを怪我させないように
配慮することが
果たして子どものためになっているのか?
誰のための、何のための保育なのか?
保育士の中にも、同じような疑問や
悩みを抱えている人がいました。
すでに私の中には、答えはありました。
自分がやりたい保育は
こういうものじゃないという事です。
でも、一職員ですから
勝手な行動ができませんし、
職員に強要することもできません。
この違和感の中にいることが
自分にとっては、
辛いものになっていました。
発達、発育が著しい
乳幼児期は、大人が思う以上に
1日1日が大きな成長為の大事な時間です。
しかも、一生に一回しかない
脳を育む貴重な時間です。
毎日同じ空間で、
ただ安全に暮らせればいいという
保守的な活動の範囲では経験しきれない
大事な事がたくさんあります。
それは、特別な経験ではありません。
毎日の生活の中に転がっています。
大人が何気なく、やっていることが
子どもにとって大事な成長の機会です。
配膳。お布団敷き。
テーブルを拭く。
お花の手入れ。
履き物を揃える。
洗濯物を畳む。
近所の人と挨拶を交わすこと。
お買い物に行くこと。
ペットに触れること。
近所のゴミを拾うこと。
そんな生活の一つ一つに
子どもが経験したい事があって、
できる喜びを感じる場面が
たくさんあります。
それは、1日で完結しません。
毎日、毎日経験を重ねて
積み上げていくことで作られる
感性だったり、
ある時、自分でできた!となるような
時間のかかる作業です。
でも、その時間はこの時期は
たくさん与えられています。
子どもに、時間の観念がないのは
今という時間の中だけに
没頭できるために用意された
自然の配慮だと思っています。
子ども時代に与えられた特権です。
それを邪魔することは
できるだけ、しないこと。
子どもの世界を見守ることが
保育者の仕事だと思っています。
毎日、建物の中で安全に過ごすだけでは
子どもの育ちは不十分なほど
刺激を必要としています。
多少失敗して、怪我をすることも
あるでしょう。
怪我をしたことでさえ
子どもには成長のチャンスです。
私はそれを避けることで
もっと大事な成長を妨げてしまうことは
やりたくありません。
万が一の責任を怖がっていては
挑戦させてあげることはできません。
でも子どもはもっといろんなことをやりたいし
もっと自分でできるのです。
どうやったら、
それに挑戦させてあげられるか
親御さんと協力しながら
子どもの好奇心に寄り添った保育を
目指したいなと思います。