シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
外出先で子どもが癇癪を起こしてしまって、
困った経験はありますか?
大声で泣かれたり、床にひっくり返って暴れたり
暴言を吐かれるなんて言う場面を
見かけることがあります。
他の子と比べて、特に癇癪がひどいと感じると、
「この子はどこか、問題があるんじゃないか」
「発達障害なんじゃないか?」
「愛情が足りていないのか」
「育て方が悪いんじゃないか」と
心配になってしまう人もいます。
1歳から4歳くらいまでは、要求が言葉にできないとか、
表現方法が分からないので、癇癪の場面は良く起こります。
段々と経験を重ね、成長してくれば、通常は減ってきます。
子どもの癇癪そのものの問題だけでなくて、
その時の状況に耐えられないという
親自身の葛藤もあります。
結構、この部分が育児中に辛さを感じてしまう要因だったりします。
こんな癇癪を起こす子どもを持っている自分、
子どもを上手に扱うことができない自分
他人に迷惑をかけている自分に、
劣等感、羞恥、疎外感を感じて辛くなるのです。
一言でいうと、『他人の目が気になる。』
『他人からの評価が気になる』という状態です。
この気持ちがあると、
子どもの癇癪を止める方法を知識として知っていても、
冷静に行うことは難しいです。
何故なら、親がパニック状態になるからです。
自分の気持ちをコントロールできない状態に、
親自身が陥ってしまって、
親が癇癪状態になってしまうわけです。
そうすると、早く自身の苦痛をとることが優先になって、
大声で威嚇して制止させる、
暴力で脅す、子どもに迎合して物で釣るなど
子どもの癇癪に対してやってはいけない行動を
とってしまいがちになります。
子どもへの癇癪の対応を学ぶことよりも、
親自身が、子どもが癇癪を起こした状態を
自分事と切り離して冷静に捉える練習が必要です。
子どもが、癇癪を起こしているという、
今の状況をそのまま受け止めるだけです。
そこに付随する、想像の部分は事実ではありません。
確かに(ダメなお母さんね)と、評価する他人もいるかもしれません。
でも、(大変ね)と、共感してくれている人も多いはず。
全く気にしていない人もいます。
ですから、気にしない事。
自分ができることに集中しましょう。
こうやって、少し子どもの癇癪を離れて受け止めることができると
後は冷静に考えることができます。
癇癪には、必ずその子なりの原因があります。
傍から見たら、(そんなことで?)とか、
(あなたには関係ないことだよ)とか、
子どもの勘違いの受け止めなんかで、
癇癪を起こしてしまうこともあるので、
原因が想像しにくいことも起こります。
でも、癇癪は、
【自分の気持ちをわかってほしい。】【どうにか伝えたい】
【そう思っている自分に気づいて欲しい】
という気持ちがスタートで起こっています。
あれこれ、『何がやりたいの?』『どうしたの?』と
子どもに質問攻めしたり、
きっかけとなったかもしれない理由を探るよりも、
まず先にやるといいことがあります。
それは、子どもの気持ちをまず、受け止めること。
そうするだけで、だんだんと子どもは落ち着いてきます。
安全な場所に移動して、そばで見守るだけでもいいです。
嫌がらなければ、背中をさすって、
『つらいね』『いやだったね』『やりたかったんだね』と
子どもの気持ちをわかろうと示してください。
『ちがう!』とか言われるかもしれません。
そしたら、
『そっか、ちがうんだね』って答えてください。
あなたも、子どもに向き合うことに苦痛を感じたら、
自分の心を守ってください。がんばりすぎないこと。
逃げちゃって大丈夫です。
人に頼んだりあとは子どもに任せて。
子どもから離れて見守る、気にしながら他の用事をする。
自宅内で別部屋があれば、別々に過ごすなど、
自分が冷静で過ごせる環境を作りましょう。
子どもが落ち着いたとわかっても、
子どもからのアクションを待ちましょう。
先に、親が良かれと思って、行動することが、
また、子どもの自分の意思を奪うことになって、
再びスイッチを入れてしまうこともあります。
子どもが自分でどのように解決するのかが
学びの場面です。
自分で解決できるかもしれないし、
人の手を借りたいというかもしれません。
そのような、アクションがあったときに、
可能な限り、その判断を肯定して、
あなたができる事をやればいいと思います。
このような対応をしていても、
子どもの気質や、発達の課題による影響で、
癇癪の頻度が多い、切り替えに時間がかかりすぎるなど
気になる状態になる場合があります。
そのような時は、専門家に相談してみることをおすすめします。
とっさの子どもの行動に、心がざわついたら、
あなたの心が、癇癪を起こしていないか、
少し離れて事実を見て、
自分の気持ちに気づく練習をしていきましょう。